ゲームの力を教育の未来へ グリー×教育 千葉大学共同授業プロジェクトレポート 2015

グリーは、CSRの一環として、主力事業であるゲームの可能性を活用した社会貢献を行っていきたいと考えています。その取り組みの一つとして、千葉大学教育学部 藤川大祐教授と共同で千葉大学教育学部の後期授業をプロデュースしました。
この授業はゲームの力を応用した教育を理解し、その知識を生かせる人材を育成する事を目的としています。

ゲーミフィケーション×教育

理論 ゲーミフィケーション×実践 ハッカソン=教育におけるゲーミフィケーションリテラシー向上

ゲームの力を活用できる教員を育成する

グリーは人を惹きつけるゲームの力が教育に活用できると考え、さまざまな試みを行っています。ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素を多分野に応用するという意味です。この取り組みでは、前半は教育におけるゲーミフィケーションについて理解を深め、後半はグリーのエンジニアと共に学習ゲームを制作するハッカソンと千葉大学教育学部附属小学校の2年生のクラスにて、実証授業を実施しました。理論と実践を組み合わせた構成により、将来教員を目指す学生のゲーミフィケーションリテラシー向上を図ることが目的です。

全ての児童が等しく学習できる機会をつくる

今年の学習ゲームのテーマは「能力差があるチームにおける協働作業を促進する学習ゲーム」。
近年、小学校の授業進行において、能力差による弊害が起きていると言われています。授業の内容・進行をどちらかのレベルに合わせるため、効果的かつ公平な学習につながらない恐れがあります。
そうした課題に対して、今回は1.授業の一環として活用できる教材、2.学校教育の要である協働作業を促す教材、の2要素を必須条件とし、学習ゲームに折り込み、四つの異なる学習教材が制作されました。

活動風景 - 実証授業 -

制作した教育アプリ

まもって!十二支(国語)※ハッカソン「大賞」受賞

語彙力の増加と辞書に慣れることができるアプリ。2人で1台の端末を使い、1人は紙の辞書で検索を、もう1人は端末の操作を担当する。十二支が猫に追いつかれないように道をつくりながら神様に年賀状を届ける設定。道は、しりとりで入力した文字数に応じてつくられる。難易度は5段階あり、テーマや文字数の縛りのなかで協働して進めていく。

すすむモン(国語)

教師の授業進行を助け学習内容を復習できるアプリ。3〜4人の班で1台の端末を使い、アプリの指示に従って復習していく。最初に各班でモンスターを選び、クッキーで育てていく。クッキーは課題クリアごとにもらうことができ、班で協働しできるだけ早く課題クリアすると、より多くのクッキーをもらってモンスターを育成できる。

サンスウユウシャ 〜のろわれた先生をすくえ〜

さまざまな計算の復習ができるアプリ。3〜4人の班で1台の端末を使い、テーマと難易度を選択し問題に回答していく。各教室(テーマ)にいる6人の教師がおばけに呪われたという設定。正解すると「呪われた教師」に懐中電灯の光をあてることができる。クラスで協働し多くの光をあて、おばけ退治を目指す。

99モンスター 〜九九をみつけよう〜 ※ハッカソン「小学生賞」受賞

九九の復習ができるアプリ。3〜4人の班で1台の端末を使い、班で協働し与えられた数字を解とする計算式をできるだけ多く見つけていく。教師用画面での進行のもと、最初に子ども 用画面で各班の育てたいモンスターを選択できる。その後子ども用画面で計算式を一つ見つけるごとに教師用画面で敵が攻撃される。クラスで協働し攻撃の合計点でクリアを目指す。貢献度に応じてそれぞれの班のモンスターが成長していく。

児童の声

  • 普通の算数より、絵や音があったからすごく楽しかった。
  • 九九が好きではなかったけれど、ゲームをしているととても好きになった。
  • 難しい問題もあったけれど、みんなと力を合わせて答えられた。
  • ゲームで高得点を取るために、これからも勉強を頑張ろうと思った。

学生の声 - 実証授業を終えて -

Q1 授業の事前・事後で、「ゲームの教育利用」について認識の変容はありますか?

  • ゲームの教育利用についての認識が変わった。ゲームというと遊びのイメージが自分の中にあったが、ゲームのメカニズムを学びと組み合わせることで、こども達の学びをより促すことが可能であるということに驚いた。
  • ゲームの要素をうまく取り入れることができれば、子どもは夢中になるという認識は以前からあったが、実際に実践を通したことで、それを実感しその認識がより強くなったと思う。

Q2 授業の事前・事後で、「小学校授業におけるアプリ教材活用の可能性」について認識の変容はありますか?

  • 児童が予想以上の食い付きを見せ、可能性が大いにあると感じた。勉強が嫌いな児童や苦手意識を持ち始めた児童に対して、アプリを使用することで勉強の楽しさを伝えることができると思う。
  • 小学校でアプリを活用することは教師にとっても教材作成の幅を広げる可能性につながるとも感じた。

Q3 授業全体を通しての感想を教えてください。

  • これまでゲームには負のイメージがあったが、この授業を通してそのイメージが一変した。ゲームのおもしろさや教育的活用の可能性の大きさに驚くことばかりで、私の価値観を大きく変えた授業だった。
  • 授業の時間外での活動が多く大変だったけれど、学生側も課題である協働学習を体験することができた。
  • ゲームとしての面白さと教育的価値を同時に追い求めるのは非常に難しいと感じた。両者がマッチングすれば非常に良い教材になると思う。

教育の未来を担う学生の貴重な体験

藤川大祐千葉大学教育学部 教授

教員養成学部の学生たちがゲーム教材アプリを企画し、グリーのエンジニアの方々とともにアプリを作成し、そのアプリを附属小学校の教室で実際に子どもたちに使ってもらう — 新しい時代の教育をつくるために、こうした産学連携の取り組みが重要と考え、取り組んでいます。特に今回は、協働学習に使えるアプリを作ることが課題で、学生もエンジニアの方々も苦労はあったと思いますが、見事に素晴らしいアプリを作ってくれ、感謝しています。

阿部 学千葉大学教育学部非常勤講師

このアプリ制作の授業も3年目となりました。同じことを繰り返してもツマラナイ!今回は「協働学習を促すアプリ」という新たなテーマを掲げました。さらに「授業」として子どもたちに実際に体験をしてもらうことにもチャレンジしました。こうした新たな試みの中から、こちらの想像を超える「協働学習」や「ICT活用」のあり方が浮かんできています。今後も、学校内外かかわらず、みなでアイデアを持ち寄りながら、日本の教育実践の充実に寄与していきたいと考えています。

グリーは今後も、「ゲーム×学び」をテーマとしたCSR活動の中で、
ゲームを通じた学びを皆さまに提供できるよう、さまざまな取り組みを行っていきます。

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