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【Pick Up】社内報冊子「ジーマガ」6号より「外から見たグリー:川村元気氏、強い自己肯定と自己否定を繰り返しながらヒットを打ち続けていく」

26歳のときに初めてプロデュースを手掛けた映画『電車男』に始まり、『告白』『悪人』『モテキ』、そして社会現象を巻き起こした『君の名は。』—。手掛ける作品は次々とヒットを飛ばし、小説、音楽などの分野でも多彩な才能を発揮している川村元気さん。プライベートでも親しい友人という社長の田中と対談を行いました。



クリエイティブとビジネスの視点を持つ

田中 田中:川村さん、本日はよろしくお願いします。川村さんとは5年ほど前からの付き合いですね。よく食事にも行っていろいろな話をしますが、出会った当時から面白い人だなぁと思っていました。

川村 川村:共通の知り合いもたくさんいるので、何が出会いのきっかけだったのか忘れてしまいました…。この前は誕生日パーティにも呼んでいただきましたね。田中さんをはじめさまざまな業界の人たちに会うとものすごく勉強になります。

田中 田中:私も経営者という立場上、クリエイターとしての感覚がビジネスに偏った思考にのみ込まれてしまいそうになることがあって、定期的にクリエイターの方やサービスを生み出している方と話をして、新しい発想を得たり感覚を取り戻すようにしたりしています。

川村 川村:映画プロデューサーも、クリエイティブとビジネスの両方の思考が必要です。クリエイターとして作品にハマりすぎると「あれ、これって誰に向けてつくってたんだっけ」となってしまう。両方を行ったり来たりしながらものをつくっていくということはいつも意識していますね。

“ムリめな球”を振りにいく

田中 田中:川村さんはこれまで『告白』や『悪人』、『君の名は。』などメガヒットを連発されて、いつも観客に新しい驚きを与えていますね。作品ごとにものづくりのスタイルが変わっていく印象があります。それは意図的に変えているんですか?

川村 川村:自分自身が飽きてしまうんですよ。でもそれはたぶん、観る側も同じだと思います。たとえば何かの作品がヒットすると、同じような手法や作風で映画をつくってほしいとオファーがくるけれど、似たような映画をつくるとまったくうまくいかない。知っていることを何回もやられてもお客さんは全然面白くないんですよ。だから、視聴率3%のドラマ『モテキ』をミュージックビデオの手法でつくってみるとか、『君の名は。』で短編を中心に活躍してきた監督に長編映画をつくってもらうとか、あえて“ムリめな球”を振りにいく。そういうやり方をしていると当然ハレーションも起きますが、少しずつ味方を増やして実現していきます。

田中 田中:それにしても、川村さんの作品は当たりますね。何か秘訣があるんですか?

川村 川村:そうですね、強いて言うならどの作品も公開初日に大コケしているシーンを想像するようにしていることかな。コケると「タイトル変えたほうが良かったかな」とか「キャスティングあっちの方がよかったかな」とか、制作陣で反省会をするんですが、これを製作している段階から徹底的にやっておく。現場からどれだけ怒られても、終わった後に反省するぐらいなら途中でもひっくり返した方がいいと思っています。たとえば文化祭の準備って、自分たちを強烈に自己肯定して「俺たちは最高のものをつくり上げているんだ」と盛り上がりがちですけど、たいていは内輪ウケのつまらないものをつくっている(笑)。自己肯定と同じぐらい自己否定しておかないと、リスクに気がつけません。

田中 田中:ゲームに対するお客さまの目も同じで、とても冷静でシビア。どれだけつくり込まれていても面白くなければそれで終わりです。だからこそ徹底的にこだわって、考えてものづくりに挑んでいく姿勢が大切ですよね。

新人としてのチャレンジ

田中 田中:『君の名は。』のハリウッド実写化が決まり、プロデューサーをされるそうですね。

川村 川村:はい。僕にとっては新しいチャレンジであり、新人に戻れるチャンスだと思っています。2012年から小説を3本書きましたが、これも新人としてのチャレンジでした。映画で表現できないことをやってみようと書いた小説で、映画には音楽があるというアドバンテージを再確認して、映画づくりにフィードバックすることができました。今回のハリウッド実写化でも、北米のハイレベルなものづくりのスタンスに触れて、多くの学びを得たいですね。

田中 田中:最後に、グリーへの期待やメッセージをお願いします。

川村 川村:田中さんは良い意味で“気が多い”人で、それがグリーという会社そのもののような気がしています。インターネットの中でコミュニケーションを使って、どう新しいものを生み出していくのか、そこにゲームがどう絡んでいくのか、時代の移り変わりに対して会社と人がどう変わっていくのか。グリーの今後の成長をとても楽しみにしています。

作品紹介

「映画ドラえもん のび太の宝島」2018年3月3日に公開される同映画の脚本を担当。Ⓒ藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
「四月になれば彼女は」川村元気・著 文芸春秋 「世界から猫が消えたなら」「億男」の著者、2年ぶりの最新小説

PROFILE

川村 元気 さん Genki Kawamura:1979年生まれ。横浜市出身。上智大学卒業後、東宝に入社。2005年、初プロデュースを務めた『電車男』が大ヒットを記録し、その後も『告白』『モテキ』『バケモノの子』『君の名は。』などメガヒットを連発。2012年には小説『世界から猫が消えたなら』で小説家としてデビュー。以降、絵本や音楽などさまざまな媒体においてその類いまれな才能を発揮し続けている。

以上

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