会社のこと

【特集】コミュニケーションを軸に、お客さまの「当たり前」を支える。

IDが認証されること。課金がきちんと反映されること。バグがないこと。お客さまがゲームをストレスなく楽しむためにはいくつもの「当たり前」が存在し、それを実現しているシステムの一つが「Gamelib」(ゲームリブ)というグリーグループのネイティブゲームに共通する基盤システムです。今回は、そんな当たり前を実現するために、舞台裏で日々奮闘している3名のエンジニアにスポットを当てました。

紙谷 紙谷:Native Game Publishing部 シニアマネージャー
エンターテインメント業界に関心を持ち5年前に入社。Gamelib立ち上げ時から開発に携わり、安定運用されている現在もシニアマネージャーの立場で見守り続ける。仕事ではコミュニケーションを重視し、相手の気持ちに寄り添うことをモットーとしている。趣味はジムで体を動かしたり、家族とカラオケに行くこと。

永井 永井:Native Game Publishing部 Gamelibチーム マネージャー
BtoCサービスに触れてみたいと3年前に入社。紙谷の後任としてGamelibチームのマネージャーに就任。持ち前の高い調整力や粘り強さでチーム内外の連携を図りつつ、システムの安定運用に取り組んでいる。音楽は演奏・鑑賞ともに好きで、野球観戦やお酒も趣味の一つ。

遠藤 遠藤:Native Game Publishing部 Gamelibチーム サーバーサイドエンジニア
2013年に入社し、9月よりチームに参加。サーバーサイドでGamelibを支えている20代の若きエンジニア。仕事においては、システムを誰でも簡単に作業できる状態にすることを心掛けている。趣味は読書で好きな作品は、金子みすゞの詩「繭と墓」。

「空気」のような存在でありたい

ーーまずは「Gamelib」(ゲームリブ)がどういうものなのかを教えてください。

紙谷 紙谷:Gamelibとは、グリーグループのネイティブゲームに組み込まれている共通基盤システムのことで、ゲームの運営には欠かせないものです。中でも重要なのが認証機能と課金機能。認証機能はお客さまをIDごとに認識して管理し、課金機能はアプリ内課金やそれに伴って付与された仮想通貨を管理するものです。Gamelibは先ほども申し上げた通り「共通の」基盤システムなので、グリーグループの全ネイティブゲームに組み込まれています。

ーーそれぞれの仕事内容も教えていただけますか?

紙谷 紙谷:私はGamelibの立ち上げメンバーの一人で、現在は各共通機能チーム全体を統括するシニアマネージャーに就いています。

永井 永井:私は3年前に中途で入社し、現在はGamelibチームのマネージャーをしています。仕事内容はチームのスケジュール管理や、タスクの優先度を決めてメンバーに割り振るといった管理業務がメインですね。紙谷さんがここまでチームを率いてきたマインドをしっかり継承しつつ、さらに自分なりの改善を加えながらシステム運用に取り組んでいます。

遠藤 遠藤:私はGamelibのコスト削減や安定運用のための工夫を考えたり、他の部署から上がってくる要望を実現するエンジニアとして働いたりしています。現在のコアメンバーは私たち3名を含めて6名です。

ーーGamelibが開発された経緯について、詳しく教えてください。

紙谷 紙谷:開発がスタートしたのは2013年の8月です。当時は「GREE」の基盤を軸としたウェブゲームが事業の中心で、ネイティブゲームをどのように展開していくか模索していた時期でした。当時、ウェブゲームのプラットフォームなどを活用した方法も検討されましたが制約が多く、お客さまに提供したい体験や機能があっても実現が困難だったため、ネイティブゲーム専用のオリジナルの共通基盤システムを新たに構築しようという話になりました。それが、Gamelibを立ち上げることになった経緯です。開発に関わったエンジニアは自分も含め14~15名で、2014年5月リリースの「消滅都市」に初めて組み込まれました。

ーー新しいシステムを一から立ち上げるにあたって、どのような苦労がありましたか?

紙谷 紙谷:一番大変だったのは直接お客さまに関わる運用設計です。中でも課金機能は、問題が発生したときに最優先で対応しないとお客さまにご不便をおかけし、信用を失ってしまうことにつながるので、「この問題が発生したらカスタマーサポートと連携してお客さま対応を行う」「このケースではプロダクトの開発チームに連絡して、いち早くサービス改善につなげる」など運用フローの準備に非常に気を遣いました。しかし、そこまで考え抜いてもリリース後は予想を超える事態が起こるものでして、問題が発生するたびに一つ一つ解決して、次は絶対に同じことを繰り返さないように心掛けてきました。そうしたノウハウが積み重なって、現在のチームの強みになっていると思います。

ーー認証や課金はできて当然の機能だからこそ、気を遣うわけですね。

紙谷 紙谷:おっしゃる通り、常に正しく機能することが普通なので、私たちはそれを保証しなければいけません。お客さまにとって当たり前の機能の多くがGamelibで処理されているので、仮に不具合があれば組み込まれている全てのゲームに迷惑をかけてしまいます。私が一番理想としているのは、空気のような存在であること。必要不可欠なのに、その存在が意識されることもない、そんなシステムでありたいと思っています。その昔、課金システムをゴールキーパーに例えた人がいたのですがまさにその通りで、無失点で守り切って初めて価値が生まれるんです。

一番大切なのは技術よりもコミュニケーション

ーー現在は何種類くらいのゲームにGamelibを組み込んでいますか?

遠藤 遠藤:10タイトルです。関わるプロダクトが増えてきたので、こんな機能を実現したいという要望があちこちから来るようになりました。それらを全て取り入れてしまうとシステムとして運用しづらいものになってしまうので、複数のプロダクトチームが希望する仕様を整理して提案したりと、最近は以前とは違った苦労も伴うようになりました。

紙谷 紙谷:基本的にはGamelibの仕様に合わせて組み込んでもらいますが、時代の流れと共にこれまでになかった機能が必要になったり、AppleやGoogleから新しい仕様が出たら対応が必要になることもあります。全プロダクトで必須となる機能であれば、個別で開発するよりも品質は維持した上でコストは抑えられますから。

ーー関わるプロダクトが増えた今、運用にあたってどんなことを大事にしているのでしょうか?

永井 永井:コミュニケーションが非常に重要ですね。どんなに細心の注意を払って設計したシステムでも、正しく組み込まれなければバグが発生したり、ゲームの品質を保てなくなってしまいます。コードレビューなどのチェックももちろん行いますが、まずは正しく組み込んでもらえるよう、Gamelibを使ってくれるプロダクトチームとしっかり連携を取るようにしています。

紙谷 紙谷:Gamelibというシステムは、ゲームに組み込んでもらえないと価値が出せません。だからこそゲームエンジニアの組み込みやすさや要望を把握するために、各プロダクトチームとの対話が必要不可欠です。これはチームの方針の一つでもあり、毎日目にするタスク管理ボードに「ユースケースを具体的に考えた上で開発する」という方針を張り出してあるほどです。

遠藤 遠藤:今の話にあったように、プロダクトチームに使ってもらいやすいシステムにするた めにはユースケース、すなわちどう使われるか、本当に必要な仕様は何かを把握するのはとても大切なことだと考えています。

永井 永井:最近、新しく管理ボードに張られた方針メモが「関係各所とコミュニケーションを取り、確認を欠かさないこと」です。Gamelibは課金を扱うので、プロダクトチーム以外に経理や法務などいろいろな部署が関わってきます。だから仕事は受け身で進めるのではなく、それぞれの部署に自分からコミュニケーションを図りに行くことが大切ですね。

紙谷 紙谷:ちなみに「ユースケースを具体的に考えた上で開発する」という方針は私が3年前に書いたもの。Gamelibを開発していた当時、システムを使ってくれる「消滅都市」チームとのコミュニケーション不足で、うまく行かないことがありました。当時の私はコミュニケーションがあまり得意ではなかったですし、リリース直前で忙しそうだったプロダクトチームに余計な気を遣って話しかけることを避けていた時期もありました。しかしその後一緒にサービスを運用していく中で、対話しないことにはそもそも向こうが欲しい機能を提供できないことに気付きました。だから今では相手がどんなに忙しくても、こちらから働きかけて信頼関係を築き、コミュニケーションを取ることを心掛けようとメンバーに伝えています。

永井 永井:最近はグループ会社のネイティブゲームでもGamelibが使われていますが、以前大きなシステム障害が発生したことがありました。想定をはるかに超えるたくさんのお客さまが流入して、サービス開始早々にダウンしてしまったんです。それも原因はコミュニケーション不足。会社間の物理的な距離に加え、文化や仕事の進め方も違うなどお互いの間に見えない壁のようなものがあり、コミュニケーションにも遠慮があったんですね。この件では改めて対話の重要性を痛感しました。それと同時にグループ会社やチームなど立場と所属に関係なく、自分たちから積極的に話をしに行くべきだと、チームの一人一人が強く意識するきっかけにもなりました。

新しい技術を使ってシステムの改善を

ーー技術的なことよりも、コミュニケーションが重要だというのは意外でした。

紙谷 紙谷:そもそもGamelibは、先進的で尖った技術ではなく割と一般的な技術を使っています。でも複数のシステムを連動させて問題なく動かすためには、双方の仕様のすり合わせを丁寧に行わないと成り立ちません。つまり、コミュニケーション次第でシステムは良くもなりますし、悪くもなるんです。

遠藤 遠藤:システムの管理は面倒なところもありますが、ゲームにはなくてはならないものです。大事なことは、私たちが、お客さまにとって当たり前のことを正しく処理するシステムを作り、それをお客さまとプロダクト側に問題なく使ってもらうことだと考えています。

紙谷 紙谷:特に課金まわりを扱うと、経理や法務、監査などさまざまな関係者との煩雑な手続きや調整が必要になります。そういう調整の部分をGamelibチームがしっかり引き受けることで、プロダクト側は面白いゲームの開発に集中できる。最近は、そんな役割分担の成果が少しずつ出てきているのかなと思っています。

ーートラブルがなくて当たり前、というシステムを運用していくにあたって、何が皆さんのモチベーションになっているのでしょうか?

永井 永井:Gamelibでは、ゲーム内のお問い合わせフォームをお客さまが見やすくしたり、入力しやすくしたり、また、問い合わせをしなくても問題が解決できるようにすることもミッションとしているので、コミュニティサイトで「問い合わせたらすぐに改善してくれた!」と評価されたときはうれしかったですね。

遠藤 遠藤:僕は自分で作ったシステムが、多くのゲームで使わることにやり甲斐を感じます。 それにGamelibは技術的には普通のシステムだと言いましたが、実際はかなり膨大なデータを扱っているので、インフラ面を考慮したりパフォーマンスを落とさないように設計するなどエンジニアとしての技量も問われますから。

紙谷 紙谷:Gamelibチームだけで夢を語るのはなかなか難しいですが、自分たちで作ったシステムで支えているゲームがApp Storeのトップセールスランキングで1位を取り、さらに複数のゲームが上位にランクインしていること、またそれらをしっかり安定運用できていることには自信を持っていいのかなと。システムの技術的な難易度は決して高くないですが、運用フローも含めてサービスを支えるノウハウそのものがグリーグループにとっても最大の資産だと思っています。

ーーチームとしての目標などがあれば聞かせてください。

紙谷 紙谷:現在は、安定運用を維持することが第一です。でも現状維持だけではモチベーションが上がりませんし、技術の進歩から取り残されてしまいます。だから、安定運用と同時に新しい技術を使ってシステム改善に取り組むようメンバーには伝えています。一時的にコストがかかってしまったとしても、技術的な知見が上がってかつ運用手順が自動化されたなら、結果としてプラスになるはずですから。

永井 永井:そうですね、常に新しいことをやりたいという気持ちは皆同じです。私も状況を判断しつつ、なるべくメンバーがやりたいことに取り組んでもらいたいと考えています。

遠藤 遠藤:今でも紙谷さん、永井さんの方針でいろいろな新しい技術に触れさせてもらっているので、今後は知識をさらに深めて、お客さまにストレスなく楽しんでもらえるシステムを作り続けていきたいですね。

「当たり前」や「普通」という言葉を、インタビュー中に何度も口にしたGamelibチーム の皆さん。そこにはグリーグループのネイティブゲームの基盤を担い、お客さまに安心して使っていただくという、エンジニアとしての強い使命感と情熱が秘められていました。新しい技術への挑戦にも前向きなグリーらしい運用方針は、ネイティブゲームのさらなる進化を支えていくことでしょう。


※取材は2017年12月に行いました。

以上

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