「いい大学に入れば幸せになれますか?」小学生VTuberが答えるライブ配信型お悩み相談会、開催! -2018年度千葉大学共同授業レポート-

こんにちは、社会貢献チームの鈴木です。

グリーではCSR活動の一環として、千葉大学教育学部と共同で「教育の情報化」を担う教員の育成を目的とした授業をプロデュースしています。
今年のテーマはVTuber。附属小学校6年生の児童たちがVTuberとなり「表現力」を学ぶ授業を、2018年10月から行っています。

これまでのレポート
2018年11月6日:2018年度千葉大学共同授業がスタートしました
2018年12月3日:小学生がスマホでVTuberを体験しました
2019年1月5日:伝え上手は〇〇を知っている!?ワークショップレポート

今日が本番!お悩み相談会、開催

児童たちはこれまで「ツールの使い方」や「情報を伝える技術」を学んできました。今回の授業はいよいよ本番、児童たちがVTuberとなり、下級生(4年生)のお悩みに答えるライブ配信型相談会の開催です。

今回はA.放送室、B.4年教室、C.6年教室の3か所を拠点に、「6年生VTuber」がA.放送室のノートパソコンから生放送。校内放送システムを通して、B.4年教室、C.6年教室のモニターに配信、視聴者コメントは「Sli.do」というツールで投稿する仕組みを準備しました。VTuberは動画配信に対する4年生のコメントにリアルタイムで反応可能で、またSkypeのビデオ通話経由で、放送室の様子や4年生たちの反応も確認できるようにしました。

事前に寄せられていた4年生の「お悩み」にどう回答するか、台詞までしっかり準備してきた児童たちですが、いよいよ本番となると、少々緊張気味です。各チームの持ち時間は2分半、VTuberの児童たちは、千葉大学の学生と最終確認を行います。

そのころ、4年生たちはVTuber配信を今か今かと心待ちにしていました。VTuberへの質問やコメント投稿で使用する「Sli.do」も準備ばっちりです。

いよいよお悩み相談室、開催

ついに配信がスタート!食い入るように画面を見つめる4年生たち。雪だるまのキャラクターが自分たちの悩みについてアドバイスをしてくれています。

放送室では、表情や動きの担当者、キーボード担当者、ボイス担当者、台本・視聴者コメント確認の担当者、それぞれが連携しあって一つのキャラクターを作り上げています。複数のモニターを確認しながらそれぞれの作業を連携させ、限られた時間内で配信を完了させる、この難しい作業を児童たちは実践していました。





放送室での配信の様子


また、配信の進捗や各教室の放送状況、チームの入れ替え指示など、全会場に分散した大学生たちが連携し、スムーズな運営をバックアップしていました。配信する児童・大学生たちの緊張感、集中力がひしひしと伝わってきます。

肝心の「4年生のお悩み」ですが、内容は多岐にわたり、大人である私も一瞬回答に詰まってしまうような相談も多くありましたが、年齢が近い世代ならではの回答に、なるほど!と納得するものから、思わずニヤリとするものまで。

(相談)Youtubeの見過ぎで禁止されました
(回答)こっそり見るべし!(ただし節度をもって見よう)

(相談)いい大学に入れば幸せになれますか
(回答)いい大学に入っても友達が出来なかったらつまらないと思うから、幸せになれるとは限らない!

大人目線からの回答より、近い年代からのアドバイスのほうが受け入れやすいのかもしれません。

全チーム配信終了!

全8チームの配信が無事終了。授業開始時とは打って変わり、ほっとしたり、満足気な表情の子が多く見られました。この後、4年生から寄せられたオンラインの「アンケート」をその場で集計、発表しました。
「どのチームが分かりやすかったか?」
「どの放送が楽しかったか?」
みんなの工夫がいい結果としてしっかり反映されていました。

その後、この授業を経て学んだことを発表してもらいました。

・VTuberなら伝えやすい。ふだんは言えないこともVTuberだとキャラになりきれて伝えることができた。
・言葉だけだと伝わりにくいけど、動きをつけることで伝わりやすくなるので、その工夫ができた。
・今回の体験を通して、逆にリアルな友達との時間も大切なんだと思えた。
・これまで動画は見るばかりだったが、配信する楽しさや難しさ、苦労が分かった。
・VTuberは知らなかったが、今後生まれるであろう、新たな表現のカタチを知ることができた、もっと知りたい。

ほかにもさまざまな意見がありました。みなが活き活きと発表してくれる姿がとても印象的でした。

この授業の企画当初は、「VTuber体験を通じて表現力を高める」というテーマと、技術的な仕様以外は何も決めていませんでした。具体的なプログラムの設計、システムやロジの設計、コンテンツの準備などを担当した大学生たちには、なかなかハードルの高い授業だったと思いますが、しっかり準備を進めてきたことが功を奏し、結果は大成功。本当に多くの学びを得たようでした。こんな授業、日本中を探してもなかなかないのではないでしょうか。VTuberのようなアバターを媒介とすることで新しいコミュニケーションの形が垣間見え、想像以上の成果が得られた取組みになりました。

今回で千葉大学共同授業のレポートは最後となりますが、授業の冒頭で講義を担当した「GREE VR Studio Lab」の白井ディレクターと共に振り返りを行いました。その様子を次回お届けしたいと思います。

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