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【特集】グリーがこれまでに培った経験を形にした「Fanbeats」。生みの親が語るサービスができたきっかけとは。

グリーでは、2004年にSNS「GREE」をリリースしてから、プラットフォーム事業を始め、ゲーム事業、メディア事業、ライブエンターテインメント事業とさまざまなサービスを展開してきました。
今回は1月23日にリリースしたエンターテインメント領域に特化したファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」について、事業の生みの親である福田にサービスが考えられた背景や、グリーが「Fanbeats」を提供する意味などについて伺いました。

福田 福田:2010年グリーに入社。入社後スマートフォン版「GREE Platform」の立ち上げや、人事、WFSのマーケティングの責任者などを経て、現在は「Fanbeats」の責任者。また、障がい者を雇用する特例子会社グリービジネスオペレーションズの代表も務める。

プラットフォームを作ろうと思ったきっかけは市場の成熟

ーーまずはじめに、「Fanbeats」について教えてください。ファンコミュニティの形成とはどういったものでしょうか。

福田 福田:「Fanbeats」はエンターテインメント領域に特化したファンコミュニティ・プラットフォームです。プラットフォームなので両側にお客さまがおり、片側はエンターテインメント業界で商業活動を行っている「企業や団体」(以下、クリエイター)、もう片側はそのクリエイターの創作品が好きだったり、創作活動を応援したい熱心な「ファン」です。 このプラットフォームを通じて、クリエイターはファンと持続的な関係が築くことができ、マーケティング活動をより効率的に行うことができます。一方ファンにとっては、今まで遠い存在だったクリエイターとの距離がグッと縮まり、直接、「この人たちを応援したい」、「この人たちのものづくりに参加したい」という意思を伝えられます。さらに、同じ思いをもったファン同士でつながることができる、これが「Fanbeats」です。

ーーその両者の架け橋となっているのが、「Fanbeats」でありそれをグリーが運営しているということですね。そもそもこのサービスを考えたきっかけは?

福田 福田:このプロジェクトを立ち上げるまで私はWFSのマーケティング責任者でした。2017年にネイティブゲームのリリースラッシュがあり、数値を見てもその時のマーケティングはうまくいったと思っています。ですが、テレビCMなどの大型マスプロモーションによる集客効率は数年前のそれと比べると明らかに落ちていました。その時に感じた本質的な原因は、ゲームの面白さや、広告の出稿媒体、クリエイティブの質等ではなく、国内のスマートフォンゲーム市場の成熟でした。 スマートフォン所有率は75%と上限に近くなり、国内は少子化で消費人口も劇的には増えない中、海外からは高品質なコンテンツが日々リリースされています。コンテンツの供給量と質があがっていても需要が増えない状況はゲーム業界だけではなく、アニメや漫画、ライブエンターテインメントも含め、国内のエンターテインメント業界全般に言えることだなとは思っていました。

ーーそのきっかけから具体的にプラットフォームを作ろうと思ったんですね。

福田 福田:そうですね、それをきっかけに、これまでのマーケティング手法では次第に効率が悪くなると感じ、新しいプラットフォームみたいなものが必要だと強く思いました。 なぜプラットフォームかというと、今後、自分と同じような課題にぶつかるクリエイターが多く現れると確信していたので、プラットフォーム化してグリー以外のクリエイターもすぐに使えたらサービスとして有用と考えました。日本には、世界に誇る素晴らしいコンテンツを創作するクリエイターがたくさんいますし、私自身も大好きなアニメや漫画は数えきれないほどあります。そういったクリエイターのマーケティング活動をより持続可能性の高いものにして支援できればと思いました。

ーーお話しを伺っているとエンタメ業界の企業の課題解決に繋がるプラットフォームを作ろう、と思われたと思いますが、そういった市場に対して、具体的にどういう変化や改革が必要と思っていますか。

福田 福田:昨今のコミュニティマーケティングってどれも“ワンタイム” なんですよね。その瞬間の熱量やエンゲージメントはとても高いのですが、その熱量を持続させづらいと考えています。 持続させようとしても既存のSNSは間口を広く取るので、規模に比例して熱量のムラが多くなり、熱心なファンにとっては居心地が悪くなってしまう。一方、熱心なファンだけを閉鎖的に囲い込もうとすると、熱量が外に拡散しないのでマーケティング効果は落ちてしまいます。「Fanbeats」は、ファン熱量の蓄積、販促、マネタイズ、拡散の4つの機能を備えていて、熱心なファンにとって居心地がよく、それでいて熱量が蓄積され、適度に拡散するのでマーケティング効果もあがる、そんなプラットフォームを意識してデザインされています。企業視点では、コミュニティをマーケティングに活用するための新しい “ツール” として、将来的にはポータルサイトや検索エンジン、SNSといった変遷の先にある、新しいコンテンツに出会う最初の入り口になるところまで「Fanbeats」で実現できるといいなと思っています。

自分が一番使いたいと思うものをつくる

ーー実際につくっていく中で重視したポイントは?

福田 福田:まずは、自分が絶対使いたいと思うプラットフォームかどうか、これが一番でしたね。マーケティングを担当していた時の経験から着想を得ているので1、2年後の市場でも必要とされ、マーケターだったら絶対使いたいと思ってもらえるものにしようと考えました。もう1つは、独り善がりにならないよう、実際に使ってもらいたいクリエイターの方々に、開発途中から直接会いに行ってヒアリングをしました。新しいツールを使うということはこれまでの手法を変えることなのでクリエイターにとっても手間が増えます。その手間をかけてでもクリエイターがどういうプラットフォームだったら使いたいのか、どんな機能があったらファンに喜んでもらえるか、という話を聞いて、それらを反映させています。

ーー具体的に機能の要望やこういったサービスにしたいなどのお声もありましたか。

福田 福田:例えば、スマートフォンゲームの事例だと、ファンとの接点はまずはアプリストアから始まり、SNSもプラットフォームごとに公式アカウントがあって、定期的なオフラインイベントもあります。イベントのチケットはチケットサイトで売り、ノベルティグッズの販売はECサイトと、メディアミックスやマルチプラットフォーム展開が当たり前になっています。そこで接している人は全員大切なファンなのですが、接点が分散してしまっているのが現状です。 クリエイターとしては、自分たちの熱心なファンに対して、直接感謝のメッセージを送ったり、特別な情報をいち早くお届けしたり、創作過程で意見を聞いたりするコミュニケーションを取りたいけど、ファンのコミュニティが分散してしまっているので非効率なんです。もちろんファンにとっても心地よい状態ではないですよね。 こういった分散したファンの中から、より熱心なコアファンを、一つのプラットフォームにまとめたいという要望がありました。 他には、初期費用や固定費は0円で使いたいという声もありましたし(笑)、新しいファンも獲得したいという要望もありました。

ーー開発にお話を移したいと思います。開発で一番苦労したことを教えてください。

福田 福田:開発している時よりも、新規事業として会社に承認してもらうまでが大変で(笑)。元々担当していた業務を辞めてこれをやらせてくださいと会社に言ったんです。当然上手くいくかも儲かるかも分からない事業に、お金や人材という貴重なリソースを簡単に投資できるわけないじゃないですか。それでもやりたかったので、社長の田中をはじめ、やってみろと経営陣に言ってもらえるまでがまず大変でしたね。でも逆に、そこが1番大変でしたけど、会社が一定の投資をすると言ってくれると、あとは「製品とユーザーに集中して頑張れ」と応援してくれるので、そこはこの会社のカルチャーであり好きなところです。

ーープロジェクトを進めていく中での課題はなんでしたか。「GREE」のサービスづくりとは違う部分もあったのでは。

福田 福田:そうですね、GREE Platformの開発は昔のことなので、比較は難しいですが(笑)。最初から大規模な資金や人材を投下できないので、少ない人数でどうやって開発して、障害を出さないよう品質も管理するか、クリエイターとして参画いただく法人に対する営業をどう回すかが課題でしたね。プロジェクトメンバーは、この会社でスクラッチで事業の立ち上げや製品開発を経験したことがないメンバーでした。ですが、プラットフォームの開発経験がない中でもグリーに長く在籍している社員ばかりだったので、基本的なスキルやコミュニケーション能力は非常に高く、経験も豊富で、当初あった不安も次第になくなりました。 大事なのは、「Fanbeats」にどういう背景や思いがあるのか、将来このプラットフォームをどうしたいか、を共有して強く共感してもらうことだったと思います。まさに、プロジェクトに関わる人を「Fanbeatsのファンにしよう」という気持ちでしたが、過去のものづくりの経験ではあまりなかった感覚かもしれません。

グリーだからこそできる「Fanbeats」

ーーまだリリースして1ヶ月ちょっとですが、手応えなどはいかがでしょうか。

福田 福田:プレスリリースにも掲載させていただきましたが、あれだけ多くのクリエイターに参画いただけたことは本当に嬉しいです。クラウドファンディングや期限付きEC機能として活用できる「プロジェクト」の企画も進んでいます。また、「ニュースレター機能」という無料のメルマガ配信機能があるのですが、その活用はすでに多くのクリエイターで始まっています。 今年の秋には、既存の機能に加え、クリエイターアカウントに対しサブスクリプション方式で直接課金ができる機能や、コミュニティ機能を備えたイベントカレンダー等、新しい機能追加を予定しているので、多くのニーズに答えていきたいです。

ーーグリーが「Fanbeats」を運営する意義をどのように感じていますか。

福田 福田:グリーは田中がSNSを作ったところから始まり、モバイル展開、プラットフォーム展開と進化してきました。最近では、ゲーム事業、広告メディア事業、ライブエンターテインメント事業の「3本柱」に注力しています。「Fanbeats」を利用してもらえるとわかりますが基盤はSNSなんです。そして、そのSNSの基盤をプラットフォーム化しているので、「GREE」の運営で培われた技術やノウハウが多分に生かされています。私自身、入社して3、4年間はずっとGREE Platformの担当でしたし、その後のゲーム事業におけるクリエイターとしての経験やマーケティング経験、広告やライブエンターテインメント事業で築いた多くのエンタメ業界企業との関係性も支えになっています。SNS「GREE」から現在に至るまで、何かひとつでも経験が欠けていたら「Fanbeats」は作れなかったかもしれません。今回、このタイミングでリリースできたのは、これまで培ってきたSNS・プラットフォームの開発経験とそれを活かせる優秀なチームがいたこと、そして直近の「3本柱」の事業に注力してきたからこそ。それこそがグリーが「Fanbeats」をやる意義だと思っています。

ーー最後に今後の目標を教えてください。

福田 福田:会社に投資をしてもらっている以上、当然、収益を上げられるようにすることは目標というよりは前提ですね。その上で、「Fanbeats」で形成されるコミュニティの質を担保しながら、クリエイターと市場の声にしっかり耳を傾けてPDCAを繰り返す、これに尽きると思います。

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「Fanbeats」は福田のマーケティング市場を変えていきたいという思いから始まりました。そして、創業以来これまでグリーが培ってきた開発経験や、優秀な人材、他社との関係性があったからこそ生まれたと思います。
エンターテインメントファンがこれまでよりももっと夢中になれるコンテンツを繋ぐ場として「Fanbeats」にも引き続きご期待ください。

以上

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