こんにちは。コーポレートコミュニケーション部の三木です。
グリーは一般社団法人VRコンソーシアムと協力し、5/10に国内最大規模のVRカンファレンス「Japan VR Summit(JVRS)」をThe Grand Hall(東京・品川)にて開催しました。本記事ではその模様を、フォトリポート形式でお届けします。
はじめに
「VR元年」と言われている2016年、気がつけばはや半年近くが経過しました。昨年はゲーム系のWebメディアくらいでしかVR関連記事を見なかったのが、 ここ最近はテレビで朝のニュース番組、大手新聞の経済面、ビジネス・ライフスタイル雑誌でも特集が組まれるなど、「VR(Virtual Reality):仮想現実」というキーワードが世間にも浸透してきた感があります。本命であるPlayStationVRの発売を控えて、今年後半にかけてこの流れは強まっていくと予想されます。またヘッドマウントディスプレイを持っていなくても手軽にVRを体験できるアトラクションが、首都圏を中心に徐々に増えてきました(参考記事:moguraVR)。この記事を読んでいる皆さんの中にも「VR先日体験してきたけど、噂通りすごかった……!」という方もいるのではないでしょうか?
世界に目を向けると、Google、Apple、Facebook、Microsoftなどの名だたるテック企業が、こぞってVR/AR関連の開発・投資を行っています。VR関連市場の調査結果によると、ハード、コンテンツを合計した市場規模は2020年までに220億ドル(約2兆5000億円)に到達すると予想されています。
グリーのVR事業について
カンファレンスのレポートに入る前に、グリーのVR事業について簡単にご説明します。
もともとグリー社内では、VRに注目していた一部のエンジニアがオフィスにOculus Riftを持ち込んでVR体験会を開催するような機会はあったのですが、事業としての動きはありませんでした。具体的に動き始めたのは、2015年の9月に東京ゲームショウにグリー初のVRコンテンツ『サラと毒蛇の王冠』を出展してからです。このデモは、Oculus Riftをかぶり、ペアで協力しながら船に乗って洞窟を探検していくという、グリーが強みとするコミュニケーション要素を取り入れたアドベンチャーゲームでした。会場で体験いただいた方から予想以上の反響をいただき、大きな手応えを得ることができました。
ここから本格的なVR事業展開がスタート。11月にVRに特化した開発スタジオGREE VR Studioを立ち上げ、同月にiOS/Androidアプリ『シドニーとあやつり王の墓』を第1弾タイトルとしてリリースしました。ヘッドマウントディスプレイは現状高価なためライトユーザには少し敷居が高いですが、本作はハコスコ/Google Cardboardを利用することで、手元にあるスマートフォンでお手軽にVR体験が可能です。ゲームコンセプトやキャラクターデザインについても、誰もが親しみやすいカジュアルなものになっています。
そして2016年。さまざまな分野でVRの活用方法が模索される中、グリーは「開発」「投資」「市場振興」という3本の柱を軸に、VR関連の取り組みを幅広く進めており、順次発表させていただいています。
- グリーとHTC、バーチャルリアリティ事業における業務連携で合意(3/10)
- グリー、北米VRスタートアップを中心に投資するファンドを組成(4/12)
- グリー、Gear VR向けの新タイトル「Tomb of the Golems」を配信開始(4/13)
- フジテレビとグリー VR(仮想現実)領域におけるサービスおよび事業開発で業務提携を発表(5/10)
とはいえ、VRがプラットフォームとして定着しているとは言えない今の状況では、グリーだけで事業的成功を収めるのは不可能です。企業の経営層がVRの可能性に目を向け、VR市場のプレイヤーが増えていくことが、現段階では何よりも重要だと考えました。そこから「VR市場の拡大」を目的とした大型ビジネス・カンファレンスの開催、という企画に至りました。
開催を決めたのが昨年末頃。そこからは、候補日時・会場の選定、スピーカーへの登壇打診、企業へのスポンサー依頼、スタッフの確保、当日の運営計画の作成、チケットの販売・・・とやること山積みでしたが、運営一丸となって急ピッチで準備を進めてきました。
イベント当日の模様
当日は約500人もの参加者に来場いただくという盛況ぶりで、日本のVR市場の今後の成長を予感させる類を見ないイベントとなりました。
イベントの雰囲気を感じていただくため、ここからは会場の写真を中心にお届けします(各パネルディスカッションの詳しい内容については、当日来場いただいた各メディアによる報道をご覧ください。)
Session Ⅰ 「VRがもたらす大変革」
▼Moderator
藤井 直敬(理化学研究所 適応知性研究チームチームリーダー/株式会社ハコスコ 代表取締役)
▼Panelists
池田 輝和(Oculus/Partnerships Lead, Japan)
Raymond Pao(HTC Corporation/VP, Virtual Reality New Technology)
吉田 修平(ソニー・インタラクティブエンタテインメントLLC/ワールドワイド・スタジオ プレジデント)
Session Ⅱ 「海外VRビジネス最前線」
▼Moderator
荒木 英士(グリー株式会社/取締役 執行役員)
▼Panelists
Maureen Fan(Baobab Studios/CEO and Co-Founder)
James Chung(Reload Studios/Founder and CEO)
Li Shen(Tencent/Vice general manager of R&D Dept. Interactive Entertainment Group)
Jesse Joudrey(VRChat/Co-Founder and CTO)
Session Ⅲ 「VRで生まれるヒットゲーム」
▼Moderator
久保田 瞬(Mogura VR / 共同代表・編集長)
▼Panelists
馬場 功淳(株式会社コロプラ / 代表取締役社長)
原田 勝弘(株式会社バンダイナムコエンターテインメント / Worldwide Planning & Development Unit 部長 鉄拳プロジェクトリーダー ゲームディレクター / チーフプロデューサー)
水口 哲也(米国法人enhance games / Founder/CEO、レゾネア代表)
Session Ⅳ 「VR開発者を支える最新技術動向」
▼Moderator
橋本 善久(リブゼント・イノベーションズ株式会社/代表取締役社長)
▼Panelists
伊藤 周(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社/エバンジェリスト)
下田 純也(エピック・ゲームズ・ジャパン/デベロッパー・サポート・マネージャー)
西川 美優(日本AMD株式会社/シニアアライアンスマネージャー ISVリレーションズ)
Session Ⅴ 「投資家から見たVR戦略」
▼Moderator
國光 宏尚(株式会社gumi/代表取締役社長)
▼Panelists
青柳 直樹(グリー株式会社/取締役 執行役員常務)
Dylan Flinn(Rothenberg Ventures/Director of Investments)
Amitt Mahajan(Presence Capital/Founder and Managing partner)
ホワイエでは、協賛企業による展示ブースが賑わいを見せました。特にOculus、HTC、PlayStationVRの3つのブースは、10時のスタート時点で整理券がなくなるという人気ぶりでした! また国内からHUG、cluster、海外からVRChatといった貴重なVR系スタートアップの出展もありました。
ウェルカムランチや懇親会では、来場者・協賛企業・登壇者間で、ビジネス・ネットワーキングが活発に行われました。
最後に
当日の会場の熱気、来場者から感じられたVRへの期待感が、少しでもお分かりいただけたでしょうか。今回が初開催ということで、運営面の不手際が多々あったかと思いますが、致命的なトラブルはなく無事終了することができました(スピーカーの一人であるReload StudiosのJames Chungからも「これまで見てきたVRイベントの中でも、最もオーガナイズされたイベントのひとつだったよ!」と感想をもらいました)。
最後に、ご来場の皆さま、セッションスピーカーの皆さま、協賛および出展企業の皆さま、報道陣の皆さま、運営に協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
今後も、グリーのVR関連の活動にご注目いただければ幸いです。
本件に関するお問い合わせ先
- グリー株式会社 広報担当
- 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
- E-mail: jp-pr@gree.net
- URL: https://corp.gree.net/jp/ja/
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