入社5年目にも関わらず「グリーの頭脳」ともいうべき経営企画室のメンバーに抜擢され、いまや社長の右腕として活躍する杉山綱祐。経営戦略の策定から重要な経営会議の仕切りまで、会社のこれからを担う業務で東奔西走する彼に、グリーへの思いと未来をうかがいました!
杉山 綱祐
グリー株式会社 / 経営企画室所属。2012年新卒入社。理論物理学専攻。大きな裁量と社員の人柄、急成長中の企業での実体験の貴重さに魅かれて、グリーに入社。粘り強さと飽くなき向上心をもって、グループの経営に参画。自ら社長を担っていると捉え、会社の舵を取る。
“ものづくりで世界を変えていくという姿勢。”
ーーもともとグリーへ入社するきっかけは何だったのでしょうか。
杉山:僕が大切にしていたのは、裁量権があるか。そして、企業にしっかりとしたビジョンがあるかどうかでした。当時はそんな思いの中で就職活動をしていたのですが、仲間内で急成長している企業があると耳にしました。そのうちの1つがグリーだったのです。
ーーグリーのどこに惹かれて入社を決めましたか?
杉山:ものづくりを大切にしているところです。実際に先輩社員をはじめ、エンジニアの方たちにもたくさん話を聞かせてもらったのですが、「ものづくりで世界を変えていく」という姿勢を、会話の中からリアルに感じることができました。他社もいくつか志望しましたが、ここが一番の大きな違いでしたね。もともとゲーム好きでもあったので、じゃあもうグリーにしようと(笑)。
ーー入社して現在に至るまでのキャリアを教えてもらってもいいですか。
杉山:入社したのが24歳のときで、今年で6年目になります。当初はデータ分析を行う専門チームで仕事をしていました。その部署で4年ほどキャリアを積み、その後、自らの志向と会社のニーズが一致して、現在の経営企画室に配属になりました。
ーーこれまでで印象に残っている出来事はありますか?
杉山:入社1年目で、グリーの今後に関わる大きなプロジェクトを任せてもらえたこと。ただ、このプロジェクトは会社全体で推し進めていたものを、大きく方向転換するというシビアな内容でした。だから現場の人からしたら、「え、なんで?」ということになるわけです。今まで積み上げてきたことをすべて否定しなければいけなかったので。
ーー入社1年でそんなプロジェクトを任せられたというのもすごいですが、杉山さんはそれをどうやって乗り越えられたのでしょう?
杉山:ひと言でいうとコミュニケーション。まずは相手の視点に立ち、これまでの経緯含めてどういう思いがあるのかを、しっかり咀嚼し理解する。そして、会社としての方向性を、お互いが納得できるところまですり合わせしました。さらには相手だけでなく、その周りの人間にまで話を聞きました。コミュニケーションは、相手の思いの中心をしっかり理解することが大切で、このときに人を動かしていく難しさを学びました。正論だけで、人は動いてくれませんから。
ーー経営企画室では具体的に何をやられているのでしょうか。
杉山:業務内容は多岐に渡りますが、ひと言でいうと経営理念に基づいて会社のかじ取りをすることです。A、B、Cの3つの方向性があったらとしたら、どの方向性に向かっていくのか。それを社長をはじめとする経営陣と一緒に議論しながら決めていくのです。グリーという会社を動かしている実感とやりがいはありますが、その反面プレッシャーもものすごい。経営方針は一度決めたら簡単に変えるべきものではありません。グリーグループ全体で数千人を超える人を乗せる船のかじ取りをするわけですから、そのインパクトは大きいですね。もちろん楽しいことばかりではありません。経営というのは時に辛い判断も必要とされるからです。
“「やってみなよ」というグリーならではの社風。”
ーー入社して6年、振り返るとグリーはどんな会社でしょうか?
杉山:入社当時からそうでしたが、「こういうことをやりたいです」というと、「じゃあやってみなよ」という社風があります。事業内容は時とともに移り変わっていますが、コアの部分はずっと変わっていないと思っています。あとは、「誰が言ったかではなく、何を言ったか」というところ。これは僕自身も大切にしていることで、妥当性や理論付けはもちろん必要ですが、年齢、性別、国籍も関係ないんです。
ーー上司、部下、先輩、後輩も関係なく?
杉山:田中さん(グリーの代表取締役会長兼社長)をはじめとする経営陣も、常に僕と同じ目線で会話してくれます。だからこそ、自分も後輩にそうありたいと思っています。ただし、自由と責任は表裏一体。それを踏まえ、自分の発言に責任を持てる人にとって、グリーはものすごく魅力的な会社だと思いますよ。いずれにせよ、過去にすがって結論を出してばかりでは何の進歩もないですし、結局お客さまに触れているのは、現場の人たち。だからこそ、どれだけ規模が大きくなってもいろんな人の声が聞こえる会社であり続けることは大切です。
ーー冒頭で「裁量権のある会社」も選ぶ基準の一つとお話しされていましたが、まさにその通りだったわけですね。
杉山:はい。たぶんそれがなかったらすでに辞めていると思います(笑)。データ分析チームにいたころから、自分がやりたいと思ったことは提案し、それに対して結果を出せば評価にもつながってくるのです。
ーー杉山さんの強みはどういうところにあるのでしょう?
杉山:常に自分ごと化して、自分自身に反省を向かせることでしょうか。何か問題が起きたとき、誰々が悪い、会社が悪いと、自分とは違うどこかに責任を置こうとするものです。でも俯瞰してみると、自分含めたすべてに問題があることがほとんど。だったら、自分を見つめ直し、自分自身を改善していくのが一番手っ取り早いので。
ーー6月にCEO賞を獲得したと聞きましたが、どんな賞なのでしょう?
杉山:毎年6月にグリーグループの社員総会があるのですが、CEO賞は1年間でもっとも活躍した社員に贈られるもの。CEO賞含めると全部で8の賞があり、通常は僕が議長を務める経営会議で議論をして決めている…のですが、最後までCEO賞は議題に上がってきませんでした。だから当日は「あ、そういえば、誰なんだろうな」ぐらいに思っていたので、完全なサプライズ。ものすごくびっくりしましたね。経営企画のメンバーが受賞するのはどうなんだろうと思ったりもしましたが、純粋に評価してもらえたのはうれしかったです。経営企画という職種は基本的に褒められないので(笑)。
ーー杉山さんの今後の目標を教えてください。
杉山:会社目線でいえば、いまグリーがもっとも注力している「ゲーム」「広告メディア」「ライブエンタメ」。この3本柱で勝つことです。個人的な目標だと、このグリーという会社を、世界という舞台でナンバーワンと言われるような企業にすること。それが、いま僕が一番夢中になっていることです。今はまだ足りないものがたくさんあるので、先ほど申し上げた3本柱をしっかりと確立し、基盤を整えたら世界への道筋は必ず見えてくると思っています。