【特集】まもなく2周年を迎える「SINoALICE ーシノアリスー」が「週刊ファミ通」の表紙を飾りました!

グリーグループでゲーム事業をおこなうポケラボとスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)が共同開発したスマートフォン向けゲームアプリ「SINoALICE ーシノアリスー(以下、シノアリス)」。今年6月6日にサービス開始から2周年を迎え、「週刊ファミ通」2019年6月13日号(発売日:2019年5月30日)では表紙を飾るとともにファン必見の特集を組んでいただきました。
これを記念して、「週刊ファミ通」編集長の林氏と「シノアリス」プロデューサーの前田による対談がこのブログだけの為に実現。「シノアリス」の2年間の軌跡、ゲーム業界の今後について語り合っていただきました。


林 克彦

林 克彦:株式会社Gzブレイン 週刊ファミ通編集部 編集人/編集長

1994年より「週刊ファミ通」編集部に勤務。ニュースページ担当デスク、副編集長を経て、2013年4月「週刊ファミ通」編集長に就任。


前田 翔悟

前田 翔悟:株式会社ポケラボ ゲーム事業本部 プロデュース事業部 シノアリス プロデューサー

2012年よりポケラボに入社。複数タイトルのプロデューサーを経て、「シノアリス」の企画からプロデューサーとしてサービスを立ち上げる。

「シノアリス」はユーザーの熱量がとにかくすごい


前田

前田:このたびはありがとうございます。「シノアリス」がファミ通さんの表紙を飾らせてもらうなんて本当に嬉しいです。


林

林:「あのシノアリスか」と編集部内で話題になりましたから(笑)。まあそれはそれとして、「シノアリス」は熱量の高いユーザーさんが本当に多いですよね。ファミ通の誌面でも時々取り上げさせてもらっていますが、今回のように大々的な特集を組むのは初めてです。2周年というタイミングですし、やるならとことんやりたいなと。


前田

前田:それはありがたいですね。


林

林:ファミ通はこれまでゲーム情報誌という位置づけでしたが、いまはコンテンツ誌の色合いが強くなっています。これと決めたタイトルを深く掘り下げてユーザーさんやメーカーさんを巻き込むような特集をつくり、ファンの方たちに喜んで買ってもらいたい。だから今回も特集だけでなく表紙もぜひ、というお話をさせてもらいました。


前田

前田:ファミ通は小学生の頃から毎週必ず読んでいて、クロスレビューが大好きでした。今週はどんな面白いものが出てくるんだろうといつも楽しみで。「あのファミ通の表紙を飾れた!スゴイ!」というのが今の率直な気持ちです。ただ、当時は毎週買うお金はなかったので…。


林

林:回し読みとか立ち読みとか?(笑)


前田

前田:はい、すみません(笑)。


林

林:いやいやよく分かります。


前田

前田:好きなゲームの特集の時には頑張って買っていましたけれど(笑)。あの頃の編集長は浜村さんで、ブンブン丸さんの記事とかものすごい読み込んでました。ゲームをやってお金をもらえるなんてうらやましいなあ、自分もファミ通入りたいなんて思ったりして(笑)。


林

林:前田さんの世代はゲームで育った時代ですからね。ファミ通はコンシューマーゲームのイメージが強いと思うのですが、最近はアプリメーカーさんのほうから表紙や特集で取り上げてほしいというお話を受けることが多いんですよ。


前田

前田:ファミ通は独自のブランドを確立されていますからね。拡散力や伝達力は紙よりウェブのほうが強いですが、それだけじゃない魅力を感じます。どのくらい発行し続けているんですか?


林

林:今年で創刊から33年になります。


前田

前田:それだけ続けてこられたからこそのブランド力というのはすごく意識していて、今回誌面を飾らせてもらったことで「シノアリス」がワンランク上にいけるという感覚があるんです。ソーシャルゲームはまだ若い業界なのでブランド力が弱い部分がありますが、こうして一緒にやらせてもらうことで「シノアリス」のブランド力を築いていきたいという思いがあります。


林

林:そう言っていただけるとありがたいですね。ゲームにかかわらず情報を得るにはまずウェブという時代で、ライブ番組や動画配信もスタンダードになってきていますよね。でも紙って物理的に残るもので、そこでしか味わえない嬉しさがあります。ユーザーさんにアンケートを取って生の声が載ってそれを本人も開発者も喜ぶ、そういうことができるのは紙媒体の強みだと思います。


前田

前田:数え切れないほどメディアがあるなかで、ゲーム業界の紙媒体といえばやっぱりファミ通さんが最初に思い浮かぶと思います。今回「シノアリス」のユーザーさんたちも買ってくれると期待していますし、ファミ通はこれからもずっと存在し続けてほしいと思っています。

ユーザーの心に響くコンテンツづくり


林

林:ファミ通の読者は20代後半から30代後半までが一番多いのですが、スマホアプリのタイトルを表紙にすることで初めて買って下さる方もいると思うんです。男性読者が圧倒的に多いのですが、「シノアリス」のユーザー比率ってどんな感じですか?


前田

前田:年代は20代が一番多くて、その次が30代前半です。男女比は1対1くらいですね。


林

林:それはすごいですね。


前田

前田:他のゲームに比べて女性ユーザーはすごく多いです。ダークファンタジーな独特の世界観があってキャラやストーリーもつくり込まれているので、その辺が受け入れられているのかなと。


林

林:「シノアリス」で遊んでいる20代前半の方っておそらく大半がファミ通読者ではないですよね。でもそういう方が「初めてファミ通買った!」みたいなツイートをしてくれたら嬉しいですね。


前田

前田:きっとそういう方は多くいると思います。


林

林:「一億年ぶりにファミ通買った!」みたいなツイートは毎週のように目にしますから(笑)。毎号購読するよりも特集の内容を見てから買う読者の方が多いのですが、その理由もよく分かります。昔は雑誌で気になるゲームを見つけて、そのゲームを遊びきったら次のゲームに行くという流れがあって、そのための情報源という感じだったのですが、今は一タイトルを長く、深く遊ぶ時代に変わってきています。


前田

前田:確かにそういう使い方をしていましたね。


林

林:今はいかにユーザーさんに刺さる特集をつくれるかが勝負なので、今号が「シノアリス」のユーザーさんからどんな反響が来るか、すごく楽しみなところです。


前田

前田:そうですね。今回のファミ通での特集ではアンケートをもとにランキングをつくっていただきましたが、「シノアリス」のユーザーさんはランキング好きで、ナイトメアという召喚獣のようなキャラのランキングを知りたいという声がずっと出ていたんです。今回初めてファミ通さんで実現できたので、かなり興味を持ってもらえると思います。


林

林:読者のツイートが拡散されて、アナログメディアである紙媒体が結果的にツイッターでバズるというのも純粋に面白いですからね。

激化する競争のなかで生き残るための条件とは


前田

前田:「シノアリス」は周年をすごく大事にしていて、今回もいろんなイベントを用意しているのでユーザーの皆さんにはぜひ楽しみにしてほしいです。


林

林:どのくらい前から企画するものなんですか?


前田

前田:半年ほど前から仕込みを始めています。まだオープンにできないことが多いのですが、2周年イベントはゲームだけでなく交通広告やメディアジャックも計画しています。


林

林:サービス開始からここまでのユーザー層の広がりは想定通りという感じですか?


前田

前田:最初は想定の上の上を行っていました。リリースの時は色々と問題が起きまして…


林

林:それはすごく覚えてます(笑)。


前田

前田:事前登録が50万人以上って、新規IPゲームではほぼあり得ない状況なんですよね。アクセス集中は想像していたのでグリーグループ史上最大級のサーバー台数を用意して挑んだのですが、想定の10倍くらいの勢いでアクセスが殺到する事態になりまして。


林

林:すさまじいですね。


前田

前田:落ち着いてからは安定的にユーザー数を伸ばすことができています。ヨコオタロウさんが生み出す世界観がとにかく独特で尖っているのと、RPG要素はありつつ毎日コロシアムでギルドバトルが開催されていて、他にはないゲーム性を好きになってずっと遊び続けてくれているユーザーさんが多いです。


林

林:ライバルとして見ているタイトルってあるんですか?


前田

前田:もちろんあります。最近のユーザーさんは自分好みの世界観を持つゲームを2個、3個と並行して遊ぶことが多いですからね。ただし使える時間もお金も限りがありますから、そこで生き残りをかけた競争が激しくなるという。


林

林:そうなるとやはり世界観やストーリー性が強いゲームが残りますよね。


前田

前田:そうですね。ユーザーさんがすごく愛着を持ってくださるというのは強いですね。


林

林:一時期に比べてスマホアプリは圧倒的に厳しい状況といわれていますが、実感はありますか?


前田

前田:すごく感じていますね。いろいろな要因があると思いますが、その一つがソーシャルゲームの開発・運営に必要な規模感が膨らんでいることにあると感じています。今の市場ではゲーム単体のクオリティだけでなく、「シノアリス」のようにカフェやコンサートを開いたり今度でる予定のコミックだったりと、総合エンターテインメントというとらえ方が強くなっていることです。ゲーム以外のさまざまなサービスが合わさって一つの作品としての魅力が増すという風潮が強くなっていて、それを実現するために、体制、費用など難易度が高くなるのも事実です。しかし、そういう事をやっていくことにより、ユーザーさんも自分がやっているゲームがいろいろな形で世に出ていくのを喜んでくれていると思います。


林

林:コミュニティをつくらないと生き残るのは難しいですからね。


前田

前田:ええ、その分工数もお金もかかるわけですが、海外からもクオリティの高いアプリが出てきていますし気は抜けませんね。


林

林:今やソーシャルゲームはコンシューマーゲームと変わらないレベルになっていますよね。ただやはり、ゲーム自体の面白さが問われるという本質はどちらも変わらない気がします。


前田

前田:そこは変わらないですね。ただし多様化は進んでいくと思います。スマホで遊ぶソーシャルゲームが好きな人、家でコンシューマーゲームをやるのが好きな人、それぞれの好みが細分化していっている気がします。ソーシャルゲームのマーケティングにかける時間も以前より増えていて、いかにユーザーさんと接する機会を増やしていくかに注力しています。

「SINoALICE」2周年イベントは史上最大の…⁉


林

林:「シノアリス」は海外展開もしているんですよね。


前田

前田:台湾、香港、マカオでの配信は半年ほど前にスタートしています。今年の夏にはグローバル配信を予定していて、先行の3カ国では現状良いペースでユーザー数が伸びています。海外で収益が上がるとその分アプリのパフォーマンスやサービスでの可能性が広がりますから、日本のユーザーさんにもその恩恵を還元できればと思っています。


林

林:今後の展開ってどれくらい先まで計画するものなんですか?


前田

前田:5年先くらいまで見据えています。まだどうなるかは分かりませんが、長期戦で仕込んでいかないといけないものも多いですからね。ファミ通さんが33年も続けていらっしゃるのって、本当にすごいことなので「シノアリス」も目の前のことだけでなく、この先もしっかりと続けられるかを考えて手を打っていかねばならないと思っています。


林

林:今回「シノアリス」が2周年を迎えられるということで、ユーザーさんに伝えたいことは?


前田

前田:2周年のテーマは「オカネの呪イとヨクボウノ大感謝祭!略シテ『金欲祭』」です。自分でも覚えられないくらい長いんですが(笑)、「シノアリス」らしく思いきり尖ってキャッチーなものにしました。今までやったことのない企画や、「シノアリス」史上最大のおカネにまつわるイベントもあるので、ぜひ楽しんでもらいたいですね。ゲームだけでなくリアルでのイベントも展開していきますので、皆さんぜひファミ通を買っていただいて「シノアリス」をプレイしてもらえたらと思います(笑)。


林

林:今回初めて「シノアリス」にファミ通の表紙を飾ってもらいましたが、また来年もできたらいいですね。


前田

前田:ぜひぜひお願いします。


林

林:読者やユーザーの方たちに「この季節のファミ通の表紙は『シノアリス』だよね」みたいに思ってもらえるようになったら僕らも嬉しいです。そのためにも「シノアリス」にはこれからも盛り上がっていってほしいですし、そこをしっかりと応援していきたと思っていますので引き続きよろしくお願いします。


前田

前田:こちらこそよろしくお願いします!

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