【Inside Us #01】私たちがライブエンターテインメント事業をやる理由

「Inside Us」は、グリーグループの魅力を技術を通じて深掘りし、お伝えする連載です。今回はグリーグループの3つの事業の柱のうちの一つであるライブエンターテインメント事業を取り上げます。
バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の開発・運営や、バーチャルライブやバーチャルイベントを開催するためのソリューション「REALITY XR cloud」の提供などの事業を行うREALITY社について、全4回を通してお伝えします。

第1回では、ライブエンターテインメント市場を取り巻く現状と、REALITY社で行っていることのご紹介です。

1. ライブエンターテインメント市場の現在と、「REALITY」

REALITY株式会社は、バーチャル空間でのコミュニケーションアプリやライブエンターテインメントソリューションの開発・運営などを行う会社です。こうした市場へ注力する動機について、同社の代表は「今後20年ほどで起こるシンギュラリティを見越して、物質的な現実と電子的な現実の統合を目指すため」と語ります。シンギュラリティとは人工知能の能力が人類を超える技術的特異点のこと。それによって二種の世界が混ざり合う……このような解説では現実味が感じられないかもしれません。

しかし、SNSの利用や各種ゲームのオンライン化が進んだ現在、人々がオンライン上で過ごす時間、つまり電子的現実の自分(アバター)でいる時間は増え続けており、すでに世界は混じり始めているといえるのです。

REALITY社が行う事業の柱は、主に以下の3つです。
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・REALITY事業
バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」を提供。高価な機材や高性能なPCがなくても、スマホ1台で誰でもアバターを作ることができ、スムーズに動かしてコミュニケーションできます。アバターに特化したライブ配信・常時接続型SNSは世界でもほぼ唯一のユニークな存在です。人気VTuberの出演するオリジナルの生放送番組が配信されたり、そこへ視聴者がコメントやギフトで参加したり、花火大会などのイベントへ友達と誘い合わせて参加し、記念写真を撮るといったことができます。

・REALITY XR cloud事業
TV局や携帯キャリアなどさまざまな企業に向けて「REALITY XR cloud」を提供。バーチャルライブや生番組、バーチャルイベントのシステム開発やプロデュース、コンテンツ制作を請け負っています。過去数年で提供してきたVR開発サービスや制作などの実績は500以上。エンターテインメント領域だけではなく、仮想空間を歩き回れる展示会場、会社説明会などのカンファレンス、上映会などをオンライン開催し、物理的な制約を超えて友人や家族、仕事仲間と一緒にいる手段としてバーチャルイベントを提供しています。

・VTuberプロデュース事業
自社VTuberの運営を行い、TOKYO MXでレギュラー番組MCを務めた「KMNZ(ケモノズ)」やバーチャルガールズデュオ「VESPERBELL(ヴェスパーベル)」など、バーチャルキャラクターを起点にしたIP開発とビジネスを展開。オリジナルCDアルバムやアパレル展開、VRライブ、リアルライブを国内外で実施しています。

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創業から4年目となる2021年現在、ライブエンターテインメントの市場は、国内外を問わず新型コロナウイルス感染症のダメージを大きく受けている状況です。
ぴあ総研が2月に発表した市場調査によれば、2020年2月~2021年1月のライブエンターテインメント市場規模は前年比約8割減となる試算値でした。

一方で、オンラインライブエンターテインメント市場は、2020年の後半で飛躍的な成長を遂げました。2020年4〜6月段階の有料型オンラインライブ市場規模は11億円ほどでしたが、10~12月には373億円規模と約34倍に。リアルライブの機会損失をカバーするには至らないものの、年間合計は推計448億円に上りました。

新たに多くの人々が、デジタルならではの多様なメリットを生かしたライブエンターテインメントに触れ、ライブストリーミング事業はあらゆるエンターテインメント産業を継続するための重要なソリューションとなりつつあります。

2.可能性溢れるライブ配信とバーチャル空間

動画投稿サイトやライブ配信サービスは、ここ数年の間にプロ・アマを問わず利用されてきました。広告収益やタイアップなどで生計を立てるプロ配信者が登場したのは、YouTubeが動画投稿者への広告報酬を開放した2011年ごろのこと。新たな交流の形を生み出し、才能を発掘する場として注目され、若年層を中心に人気を集め続けています。誰でも簡単にライブ配信ができるサービスやアプリも、用途やジャンル別に細分化しながら増え続け、利用者は2019年時点で推定447万人に及びます。2018年の調査では、国内のライブ配信で人気のジャンルは「ゲーム実況(37.8%)」「音楽(37.0%)」「トーク・雑談(32.5%)」で、10〜20代では特に「ゲーム実況」の視聴が多くなっています。こうした背景を踏まえ、オンラインゲームをプラットフォームにしてバーチャルコンサートを行うアーティストも現れました。
さらには、オンラインだからできることを追求した結果として幻想的なバーチャルライブを企画した例もあります。2020年に始動した5G通信の普及に従って、リアルタイムで演出されたVR(virtual reality:仮想現実)空間に没入する体験は、一層自由度を増した形で提供されていくでしょう。

3.自分のなりたい姿=アバターをまとうのが当たり前に

日本発のユニークな概念として、二次元のキャラクターをアイコンに動画配信を行う「バーチャルユーチューバー(VTuber)」があります。2016年から活動を開始し、世界で初めてVTuberを自称したキズナアイの「A.I.Channel」の登録者数は2021年3月現在で294万人。数十万〜百万人のチャンネル登録者数を抱える有名VTuberが続出し、テレビCMや歌番組に出演したり、リアルイベントを開催したり、VTuber主演の映画が映画館で公開されたりと、生身のタレントやアイドル同様に多彩な活躍を見せています。

コロナ禍によって在宅時間が増えた結果、2020年はVTuberの視聴者数・視聴時間が激増し、VTuberカテゴリの再生数は前年同月比でおよそ2.5倍の15億再生/月に達しました。グローバルなVTuberファンの開拓に成功したことも、爆発的な成長に寄与しています。
新たにデビューするVTuberも増え、ユーザーローカル調べでは2020年11月に1.3万人を突破。

そして、SNSの利用が浸透し所属するコミュニティや用途によって、アカウントを複数使うことも増えてきています。SNSで使用している丸いアイコンではなく、「体」も含む自分の分身としてのアバターで長い時間を過ごす姿になりつつあります。

4.「REALITY」がリアルとバーチャルの境目をなくす

ここまで、ライブエンターテインメント市場においてストリーミングサービスが注目され急成長し、ライブ配信サービスの利用者の増加や、VTuberなど自由にカスタマイズしたアバターをオンラインでの「自分」として使うことが当たり前になりつつあることをまとめました。
REALITY社はB to CとB to B、両面の事業を持つことで、強みを相互に活用し、競争力を高める戦略で成長を続けています。
第1回はここまで。第2回では、REALITY社の掲げる「なりたい自分で生きていく」というミッションが生まれた思想的な背景や企業としてのビジョン、市場のなかで今後どのようなポジションを目指していくのかを深掘りします!

■参考資料、数字の引用元

1.参照元
・集客エンタメ産業における、新型コロナ禍によるダメージ (ぴあ総研調査)
https://corporate.pia.jp/news/detail_covid-19_damage210224.html
・半年で約34倍 ぴあ総研が有料型オンラインライブの市場規模を発表
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2102/15/news073.html
・国別の音楽マーケットの規模
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_605a9714c5b6531eecffe57e

2. 参照元
・5Gで急成長するライブ配信サービス 市場規模や利用状況、主要アプリをデータとともに解説!
https://data.wingarc.com/5g-live-streaming-2-24157

3.参照元
・12のソーシャルメディア最新動向データまとめ
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
・バーチャルYouTuberの市場成長に関する分析調査結果
http://www.userlocal.jp/news/20180806vc/
・2020年のVTuber業界はどう変わったか(前編:3つのトレンドとデータから見える変化)
https://note.com/omoi0kane/n/n7ca4aee5c28d
・VTuberランキング
https://virtual-youtuber.userlocal.jp/document/ranking?page=2