こんにちは、広報の坂見です。
今回のブログでは、10月11日に開催された「超長期アバター・デコ運営サテライト」の会場の模様をマーケティングチームの李さんにレポート形式で紹介していただきました。グリーを含め5社が参加し、ゲーム長期運営の秘訣などを語ります。
グリー株式会社
・ハコニワプロデューサー 大塚 雄斗
・GREEアバタープロデューサー 倉又 澄
・クリノッペプロデューサー 田村 真梨子
株式会社サイバーエージェント
・メディア統括本部 ピグカンパニー 事業部長 下山 航平
株式会社ジークレスト
・セルフィプロデュース事業部 プロデューサー 新井 亮太
ココネ株式会社
・経営企画室長 冨田 洋輔
株式会社Donuts
・運営事業部 副部長 単車の虎 プロジェクトリーダー 土井 光人
こんにちは、グリー株式会社ゲームマーケティングチームの李です。
2018年5月10日に開催された「超長期ゲーム運営サミット」では主に「マーケティング戦略」「PLチューニング」「ユーザーリレーションシップ」の3つの視点から超長期運営のノウハウを披露し、たくさんの方にお越しいただきました。
大成功した第1弾に続き、今回は「5年以上運営しているアバター・デコサービス」に焦点を当て、「需要を作り続ける力」や「利用環境を維持する力」など、インターネットサービスを超長期的に運営するノウハウをご紹介しました。その模様をレポートします。
当日、19時のスタート前には会場は来場者でいっぱいとなり、皆さま開始を心待ちにされているようでした。「アバター・デコ運営サテライト」ということでデザイナーを始め、エンジニア、プロダクトマネージャーなどさまざまな職種の方にお越しいただきました。
第1部
セミナーの冒頭では、超長期ゲーム運営サミットの責任者であるグリーの馬場貴之より、挨拶と本セミナーの趣旨が説明されました。
モバイルゲーム市場同様に、アバター・デコサービスもいかに超長期的に運営していくかの、「運営市場」に焦点が移行しつつあり、5年、10年とアイテム需要を作り出すことが運営の課題となっています。
課題解決に対し、「デザイン力とモチーフ選定の創意工夫からのアプローチ法」や「ファンコミュニティの重要性」などを具体例を交えてお伝えするのが今回のセミナーです。
まずは今回の登壇者7名が、各々のタイトル紹介と近況の取り組みをご説明されました。
長期運営タイトルだけあり、アイテム点数やユーザー数が桁違いに多く、長年親しまれてきたタイトルということが数字からも見て取れます。
長期運営と言うと、売上が落ちていくイメージですが、リリース10周年を迎えた「ハコニワ」は10周年イベントを中心に売上がよく、昨年対比でも増えていることなど、「運営力」が高いことがわかる直近の事例も発表されました。
「踊り子クリノッペ」も30代~50代の幅広いユーザーに支持されているタイトルであり、スタート時の2008年から11周年を迎える今でも継続して遊んでいただいていることが紹介され、来場者も驚いていました。
さらに、「GREEアバター」や「ピグ」などから、ユーザー同士のコミュニケーションが活発で、そこから独自の文化が作られているとの説明もありました。
「ユーザーがオリジナルのアバターを生かした動画を制作している」という話は、タイトルに対する愛情を感じるとともに、ユーザー間の交流がゲーム外でも行われているという、とても興味深い内容でした。
またその場で、グリーを代表する「GREEアバター」「踊り子クリノッペ」「ハコニワ」の3タイトル合同ファンミーティング「HAGUKUMI Thanks Festa 2019」の開催が発表されました!
合同では初の開催となり、3タイトル合同の無料リアルガチャ等さまざまな企画を予定しているとのことです。
2019年1月26日(土)に六本木ヒルズ ヒルサイド2F ヒルズカフェ/スペースでの開催となりますので、是非ご来場ください。
※イベントの内容は一部変更の可能性があります。
※詳細は12月中旬に各タイトル内のお知らせ等で発表予定です。
第2部
続いて、本セミナーのメインイベント、トークセッションが行われ、第一部の登壇者に加え、ファシリテーターに「株式会社フリークアウト Sales Strategy / 宣伝プロデューサー」兼「ボルスト株式会社 Co-Founder / 宣伝プロデューサー」の豊野 桂太さんをお迎えして、「ここが辛いよ、デコ・アバター運営お悩みあるある!」「独自文化!?うちだけの秘伝のタレ!」「うちのデザイナーたちのここがすごい!」など、アバター・デコサービスの悩みとその解決法を登壇者に赤裸々に語っていただきました。
まずは「11年間運営していると11回クリスマスがくる」ということで悩みの種の「モチーフ選定」について。
「GREEアバター」からは「ユーザーの声」だけでなく、「試着率」という独自KPIについて発表がありました。
アイテムの保有率だけはなく、実際にどのくらいそれが着用されているかを調べることで、よりユーザー目線に近い情報が得られるとのことでした。
また、「セルフィ」からは「着替えの幅を広げる、欲しくなるアイテム作り」と題して、服や表情などの「着替えアイテム」を追加するのではなく、持っているアイテムの表現の幅を広げる仕掛けづくりについて説明があり、事例として紹介された、「逆光」「肌色変え」等の導入については大変参考になる内容で、来場者の皆さまが熱心にメモを取っているのが印象的でした。
対して「ピグ」では、商品を徹底的に「キーワード化」して振り返ることで、ユーザーの趣向をチーム全体で認識し、次のデザインに活かしているとのことでした。似たようなデザインでも売れるものと売れないものがあり、それを皆が共通認識を持てるように可視化することの大切さを説明されていました。
続いて「独自文化!?うちだけの秘伝のタレ!」というテーマでは、各社が自分たちの運営の秘密を語ってくれました。
「ポケコロ」からはデザイナーが自分の感性のままにアイテムを作る「アートフェスタ」が紹介されました。ガチャのような一揃えではなく、デザイナーが思うままに作ったアイテムは人気が高く固定ファンがつくほどとのことで、こうした取り組みがユーザーの心をつかみつつ、オリジナルアイテムの開発につながるとのことでした。
「踊り子クリノッペ」からは世界観づくりの大切さが語られました。しっかりと世界を作り込むことでユーザーのゲームに対する愛着が一層深まり、継続年数に繋がることが数字で説明されていました。「クリノッペは C.K.T.(謎の集団)が運営、代表はナンチョビー」という事実は私も初耳でした!
更にアバター運営に欠かせないデザイナーについても話していただきました。
「GREEアバター」ではアパレル出身のデザイナーが独自ブランドを立ち上げ、ゲーム内で好評を博しているとのこと。「好きなブランドで服を購入する」ということは現実世界に近い感覚で、ユーザーがより一層アバターに自分を投影しやすいと感じました。また、服の描き込みも非常に細かくクオリティの高さが伺えます。
「ポケコロ」ではデザイナーがエンジニアと協力して自ら企画提案を行うとのこと。その中で事業性や生産性に強みを発揮したり、ユーザーの遊びを観察して新たな商品企画に繋げたり、組織づくりやメンバー育成に取り組んだりと、デザイナーそれぞれが自分の特性を生かして活躍している様子が紹介されました。この話は来場していたデザイナーの方々からも大変好評でした。
「セルフィ」からは、社内の他プロダクトにもセルフィ出身のデザイナーが多数おり、そこで培った経験がいろいろなところで活かされていることが紹介されました。そんなセルフィでは技術力を養うために社内外から講師を呼んでデッザン会が開かれているとのことです。
さらに今話題のファンコミュニティ形成に繋がる取り組みや長期化のために壊した鉄則のルールなども語られました。
「単車の虎」からは運営7年目にしてアバター=静止画という常識を覆し「動く」モーションパーツを制作、導入したことにより売上が前回比135%まで伸びたことが語られました。
他にも、「リソース確保/コスト削減を目指した海外への開発移管」や、きれいなアイテムが多いアバターでの「ブサイク整形解禁」など学びが多い90分でした。
私自身も参加させていただき、どのテーマも興味深く、非常に有意義なセミナーでした。参加者の皆さまからも、
「とても有意義な時間をありがとうございました。今日のお話をうまく自サービスに反映していければと思います。」
「色々なコンテンツが集まっていておもしろかったです。そのコンテンツ独特の色がでているかと。違う職種視点でのお話も聞いてみたいです。」
など、多数のご反響をいただき、非常に活況なセミナーとなり、次回開催についても熱いご要望をいただきました!
最後に、本イベントの責任者馬場と、グリー代表として登壇した「GREEアバター」の倉又、「踊り子クリノッペ」の田村、「ハコニワ」の大塚から一言感想をもらいました。
馬場:今回で第2回を迎えた超長期シリーズですが、前回同様に盛況に終わることができてよかったです!このサービスカテゴリーの可能性や未来を少しでも広げるお手伝いができたなら本当にうれしく思います。シリーズ第3回も是非また検討していきたいと思うので、乞うご期待ください!
倉又:今までGREEアバターはこういったイベントに参加することがほとんどなかったので、ゲーム業界の人に知っていただけるいいきっかけになり、率直に参加できてよかったと思っています。
また今後アバターデコを盛り上げるためにも、同じ業界の人達が一緒になって1つのイベントを作り上げる事の大切さを実感いたしました。
ライバルではありますが5年、10年続くアバターサービスがもっと増えてほしいと思いますし、私達も長く愛されるサービスを作り続けていかなければ、と改めて思いました。
イベント内でも告知させていただきましたが、来年1月に「クリノッペ」「ハコニワ」と一緒に、初めて合同ファン感謝祭を開催する予定です。
今まで遊んでくださったお客さまへ精一杯の感謝の気持ちを伝えたいと思いますので是非、遊びに来てください。
田村:イベント参加にあたり、長期運営を実現できている理由をあれこれ考えてみましたがやはり歴代のプロダクトメンバーによる誠実な品質の担保あってこその11年だと改めて強く思いました。また、イベントでは会社の垣根を超え他プロダクトのお話を聞けたことで私自身とても良い刺激を受けました。皆抱える悩みは似ていたりするので、今後も情報交換して良いサービス作りに生かしていけたら嬉しいです。
そして今の運営に満足せず、次の10年に向かって新たなことにチャレンジしていきたいです。
大塚:まずはセミナーにお越しのみなさま、ご参加いただき誠にありがとうございました。また各社登壇者・運営スタッフのみなさまもお疲れ様でした。
今回私はセミナーを通して、この業界・ジャンルに携わるみなさんとの強い「戦友感」を感じました。時にはライバル、時には志が同じ「戦友」として、みなさんと一緒に、末永くサービスを存続させていければと思います。
また、本記事冒頭でも触れていますが「ハコニワ」は今年9月で「10周年」を迎えました。ここまで永く続けられているのは、いつも遊んでいただいているみなさまのご声援があってこそだと考えています。本当にありがとうございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本件に関するお問い合わせ先
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