グリーのものづくりの原動力であるエンジニア。グリーというとゲームの印象が強いかもしれませんが、幅広い分野で高いパフォーマンスを発揮している仲間がたくさんいます。グリーを技術面で支えてきたCTO(最高技術責任者)の藤本 真樹、新規事業のXRの開発・提案を担う渡邉 賢、新卒1年目から応用人工知能チームのメンバーとして機械学習の研究開発に携わってきた尾崎 嘉彦。3人にものづくりにかける思いやエンジニアを取り巻くグリーならではの環境についてうかがいました!
藤本 真樹
取締役 執行役員常務 最高技術責任者。2001年、上智大学文学部を卒業後、株式会社アストラザスタジオを経て、2003年1月有限会社テューンビズに入社。PHP等のオープンソースプロジェクトに参画する。2005年6月、グリーの取締役に就任。
渡邉 賢
開発本部所属。エンジニアとして新規事業のXRの開発・提案を担う。決めた進捗目標は頑張って必ず達成。最後までこだわって作りきることは、現在も変わらない信条。2013年新卒入社。情報科学研究科修了。
尾崎 嘉彦
開発本部所属。2017年新卒入社。コンピュータサイエンス専攻修了。研究、音楽、旅行など、多趣味な学生時代を過ごす。新卒1年目から応用人工知能チームのメンバーとして、機械学習の研究開発に携わり、機能をリリースしている。
“新しい技術やサービスに挑む。”
ーー渡邉さんと尾崎さんのこれまで、そして現在の仕事内容を教えてください。
渡邉:最初は「探検ドリランド(以下、ドリランド)」というソーシャルゲームに携わり、その後はアメリカ向けのゲームの開発をしていました。今はXR事業開発部でVRやARの自社サービス開発と他社との共同プロジェクトを並行してやっています。
尾崎:僕は入社後、最初の3カ月はウェブゲームの開発を行い、夏には応用人工知能チームに移りました。そこでの最初の仕事は、美容情報メディア「ARINE」の画像認識システムの実装で、ヘアスタイルとネイルを自動で分類するというものでした。その後、ゲーム「ダンまち~メモリアフレーゼ(以下、ダンメモ)」のパラメータの自動チューニングに携わり、今年6月からは産業技術総合研究所(以下、産総研)のAIセンターに出向してAutomatic Machine Learning (AutoML)の研究をしています。最近はグリーに出社するのは週1日ぐらいですが、関連技術をゲーム開発・運営の支援に転用できる部分がたくさんあるので、プランナーさんとすり合わせながらそれを提案している感じです。
ーー尾崎さんはさまざまなゲームやメディアとかけ合わせての仕事が多いんですね。
尾崎:僕がいるチームには、社内からいろいろなタスクが来ます。ですから、ドメイン知識がないと大変ですね。「ARINE」なら美容系のネイルやヘアスタイルといった知識、ゲームでいうと、たとえば「ダンメモ」ならジャガ丸くんといったアイテムや,キャラクターの必殺技などその世界観すべてがドメイン知識です。
ーーそういった知識を一から得るためにはどうしているのですか。
尾崎:アプリを入れてサービスに触れたり、プランナーさんと話しているうちに自然に少しずつわかってきたり。あとは検索するとかですね。ARINEの仕事をしていた頃の僕は、会社のなかでは怪しい人でしたよ。社内で女性向けのヘアスタイルやネイルのまとめサイトを見て画像を収集していたという…。おかげで、ヘアスタイルやネイルに詳しくなりました(笑)。
“まだまだ発展途上の分野。だから面白い。”
ーーそれぞれ担当されている分野の魅力をおうかがいできますか。
渡邉:僕がいるチームは、VRやARでどんなビジネスができるかを考えながらサービスの開発・提案しています。XRの領域では新しい技術や製品がどんどん出てきていて、ちょっとした違いでできること、できないことが変わってくるんです。たとえば2019年春にスタンドアロン型VRデバイス「Oculus Quest」が発売予定ですが、フリーローム型のVRコンテンツ(広い空間を動き回れるVR)に必要な機材がこれまで数百万円かかっていたところを数十万円で済むようになります。そうなると、お客さんが払う金額もぐぐっと下がり、ビジネスとして成功する確率があがる。まだまだ発展途上の分野だからこそ、どんどん変わっていくのがXRのおもしろいところです。
ーー尾崎さんは今の仕事のどんなところに魅力を感じますか。
尾崎:自分の専門領域とプロダクトのかけ算で仕事ができるのがいいですね。画像分類のシステムを入れることによってサービスが向上したり、ゲームの運用にパラメータの自動調整の仕組みを入れることで効率化できたり。そういったところで自分の強みを活用できているかなとは思います。
“多様な個性が集まってチームでするものづくり。”
ーー渡邉さん、尾崎さんとそれぞれタイプが違いますよね。グリーのエンジニア全体を統括している藤本さんから見ると、どんな方が多いのでしょうか。
藤本:みんなすごいです。謎のプロトタイプをつくって喜んでいる人もいれば、アルゴリズムを考えてこれはいけるんじゃないとニヤニヤしている人もいる(笑)。方向性はまったく違うけれど、いろいろなタイプの人がバランスよくいて初めてかみ合う会社がグリーです。さまざまな仕事がありますが、最終的にプロダクトをつくってユーザーさまに届けるのが僕らの仕事。会社のためでも個人のためでも何でもいいけれど、そこに歓びを見出せる人が集まっていると思いますね。
ーーどんな人が多いかは、裏返せばどんな採用基準かということにもなりますね。
藤本:そうですね。先ほどお話ししたことは絶対条件。あとはコンピュータサイエンスに理解や興味がある人、柔らかくいえばソフトウェアが大好きな人に来てほしいです。ふたりが話したようにソフトウェアは幅広いし、深い。常に「なぜこうなっているのだろう?」と興味を持っていてほしいし、その情報は調べればわかることが多いんです。こんな楽しい世界はないですし、そうした世界の広がりを楽しんで旅できる人がいいですね。
ーーソフトウェア好きを軸に個性的な人が集まっているんですね。エンジニアはそれぞれが個々人で仕事をすることが多いのですか?
藤本:僕らは、1人でものをつくることはあまりありません。基本的にはチームでつくりますし、エンジニア以外の人とも関わります。なので、みんなと一緒にものをつくることができる人であることがとても大切だと思います。ものづくりに正解はない、あるいは世の中に出してみるまでわからない。そんななかで相手の意見を理解し、自分と相手の意見をフラットに議論できる人でなければ、いいものづくりはできませんよね。みんなでものをつくることの意味を理解して、それを楽しめる人に来てほしいし、実際にそういった人は多いと思います。
ーーグループ会社を含め、グリーではエンジニア間のつながりもあるのでしょうか。
藤本:2013年まではエンジニア全員が同じ部署に所属していて、みんなが一緒のチームという感じでした。当時の人数は100人程度。200~300人に増えたころから、お互いを明確に認識し合うことが難しくなるので、エンジニアは各プロダクトに分かれていきました。さらにゲームだけでなくメディアなど事業が分かれていったことで、ここ数年はそれぞれの領域の深さを大事に考えてきました。とはいっても僕自身は、いろいろなことを知っておきたいので、あちこちに飲みに行っていろんな人と仲良くなるようにはしていますね。そんななかたまにはエンジニアのみんなで飲みにいこうという話になったんです。でも、それだけでは盛り上がらない可能性があるので、LT(Lightning Talk/短いプレゼンテーションのこと)大会を開催したんです。
ーーグリーグループのエンジニアが参加して、盛り上がったそうですね。
藤本:グループ社員が約200人、雇用形態問わずだと300~400人が集まり、自ら手を上げた15人のエンジニアがLTを行いました。これをきっかけに、エンジニアのインタラクションが生まれればいいですよね。よい成果があったので、これからも年に1度ぐらいやろうかなと思っています。
渡邉:ぜひぜひ!
“一個人として、エンジニアとしての人生を考えてほしい。”
ーーさまざまな領域で活躍しているエンジニアの方がいます。藤本さんはエンジニアにどうあってほしいと思っていますか。
藤本:おふたりみたいな感じです(笑)。真面目にいうと、一人ひとりがプロフェッショナルであってほしいという思いがあります。会社とは別に、一個人として自身のエンジニア人生を考えてほしいです。極端な言い方をすれば、自分が転職したらどんな仕事ができるのか、どれぐらいの給料をもらえるのかを知っておくべきだと思うんです。その上で、グリーで働く選択をしているのが理想的。そういうプライドを持った人たちに集まっていてもらいたいです。そして、会社はそれに応えるべきで、その人のエンジニアとしての人生にプラスになる組織や会社、チームでありたいな、と。僕自身は転職する予定はないですけれど、他の会社でダメそうな人間が上司だと問題じゃないですか(笑)。
ーー最後に採用希望者の方にメッセージをお願いします。
渡邉:はい!じゃあ僕から。XR事業開発部ではインターンを募集しています。募集するために、何かいいことをいいたいなあ(笑)。現在20~30人のメンバーがいて、インターンも7~8人います。VR、ARの最近の技術に触れられることもさることながら、インターンをすると会社の雰囲気もわかりますし。とにかくとてもいい部署なので、ぜひインターンに応募してください!
尾崎:宣伝ですね(笑)。僕は、働き始めたら仕事はいくらでもできるので、学生をしていればいいと思いますね。研究でもいいですし、遊んでいてもいいと思うし。会社に入ったら仕事は40年ぐらいできますが、学生生活は残り少ないですから。
藤本:おふたりのメッセージ、完全真逆になりましたね(笑)。見事に矛盾しましたけれど、その上で自分で選択するのがいいと思います。
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