【グリーが担うサステナビリティ】アプリでいじめに向き合う!小6実証授業をレポート

-2021年度千葉大学共同授業レポート-

こんにちは、社会貢献チームの伴です。

グリーでは毎年、サステナビリティ活動の一環として、千葉大学教育学部と共同で「教育の情報化」を担う教員の育成を目的とした授業をプロデュースしています。
今年度は、大学生が「いじめ」をテーマとしたゲームアプリを企画・制作し、千葉大学教育学部附属小学校でそれらを用いた実証授業を行いました。「いじめ」は解決が難しい繊細なテーマ。ゲームアプリを通じていじめを自分事として考えるきっかけにできないか、大学生たちはそんな目標をもって制作にのぞみました。
大学生たちはAチーム・Bチームの2チームに分かれてゲームアプリを制作、それぞれの特性を活かした授業を行いました。今回は、その小学校での授業の様子をご紹介します。

探偵が調査。これっていじめ?

Aチームのゲームアプリは探偵が主人公。いじめ被害者と思われる子どもの母親から、いじめの調査依頼を受け、同級生から話を聞いて手がかりを集めていくゲームです。ポイントは、いじめかどうか判断の難しい事例を取り入れることで、子どもたちの中で様々な意見が出るようにしたところです。

授業では、まず子どもたちがゲームアプリをプレイし、どの選択肢を選ぼうか?悩みながら、探偵の気持ちになって情報を集めていきます。
プレイした後は、グループに分かれて意見交換を行いました。いじめかどうかの判断が難しい事例について、議論を進めていく中で、子どもたちの間でも意見が分かれます。自分の意見を発信しながら、自分とは違う考え方も知ることで、いじめという問題についての理解を深めました。

最後に法律におけるいじめの定義について学び、ゲームの事例がいじめにあたるのかどうかを考えました。子どもたちからは、「これもいじめにあたるんだ!?」という声も。ほんのちょっとしたことからいじめは起きてしまうということを、ゲームアプリを通して具体的に学ぶことができました。

勇者がいじめの現場に遭遇!どうする?

Bチームのゲームアプリは、主人公の勇者がいじめと思われる様々な場面に遭遇し、そこにいる人たちが取るべき適切な行動を考えていくもの。いじめの被害者、加害者のみならず、その場にいる「第三者」がどう行動するか。これがいじめ問題への向き合いにおいて大切なのではないか、という思いから、勇者という「第三者」を主人公に置いた点がポイントです。

まずは各自でゲームアプリをプレイ。画面を何度も見ながら、自分が勇者だったらどういう行動をとるのかを考えます。

次に、間違った行動をとっている人、傷ついている人、傍観している人、これらの人たちに対して、第三者である勇者はどういう行動を取るべきか、クラスで意見交換をしました。勇者の行動、それはすなわち自分たちがとるべき行動です。キャラクターを通して、登場人物の気持ちを想像しながら、いじめの現場に遭遇したとき、自分たちの取るべき具体的な行動について考えました。

ゲームアプリで得た気づきを、みんなで共有し深める

両チームの大学生たちは、ゲームアプリ制作において、あえてゲーム中に「正解」を示さない、判断に迷う選択肢を入れるなど、子どもたち自身がプレイしながら考えるよう工夫をしていました。授業ではその工夫が活き、プレイを通じて子どもたちが悩み考え、友達の意見を聞いてハッとする、そんな姿がたくさん見られました。
大学生たちも、自分たちが制作したゲームアプリで、子どもたちが積極的に意見交換し、学びを深めていく姿から、教育におけるゲームアプリの可能性を感じることができたようです。

千葉大学教育学部の皆さん、半年間お疲れさまでした!グリーは今後も、千葉大学との共同授業を通して、「教育の情報化」を担う教員の育成に継続的に取り組んでいきます。

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