グリー広報の入山です。
今日はグリーの投資会社であるグリーベンチャーズが主催するDigital Health Meetup(以下、DHM)についてご紹介します。
少し時間が経ってしまいましたが、2017年2月15日に開催された「Digital Health Meetup Vol.7」のテーマは「AI×ヘルスケア」。イベントの詳細についてはプロのメディアの皆さまが書いてくださっているので詳細はそちらの記事をご覧ください。
AIは何のために使うのか - ヘルスケアビジネスへの展開を「Digital Health Meetup Vol.7」で討論 -(日経デジタルヘルス)
今回のブログでは、そもそもDHMのこれまでの経緯などを含めて、なぜグリーベンチャーズがこのイベントを開催しているのかをご紹介していきます。
記念すべき1回目は2年前の2015年1月。これまでDHMは全部で7回実施しています。それぞれのテーマは以下の通り
1回目 2015年1月 デジタルヘルス領域の注目スタートアップ
2回目 2015年4月 これからの医療・介護業界とIT活用
3回目 2015年7月 ヘルスケア領域における規制と新規参入の極意
4回目 2016年2月 ヘルスケア領域におけるIoT/ウェアラブルの今後
5回目 2016年6月 遠隔医療のこれから
6回目 2016年9月 シニアビジネス構築のコツと今後の見通し
7回目 2017年2月 AI×ヘルスケア
今回は、このイベントの初回キーノートの登壇者で、現在はグリーベンチャーズで本イベントのコーディネートからモデレーターまで多彩な才能を発揮している根岸奈津美に、狙いや今後の構想について聞いてみました。
入山:それでは根岸さん、今日はよろしくお願いします。
根岸:よろしくお願いします。
入山:まず最初の質問ですが、グリーベンチャーズがDigital Health Meetup(以下、DHM)を始めた目的はどういったところにあるのでしょうか?
根岸:医療で40兆円、介護で10兆円という巨大市場で、スタートアップの数があまりに少ないことに疑問を感じていました。
難しそうという先入観や、実際にわかりにくい、親しみにくいといった点があるのかなと思い、ネット業界の方にヘルスケア領域に事業チャンスがあることや、エンジニアの方にも魅力的に思ってもらえるよう、業界を盛り上げる一助になりたい、という思いで開催しています。
入山:DHMに来場されているのはどういった方々になりますか?
根岸:大きく分けると3つの業界に分けられるかなと思います。
1つ目はヘルスケアスタートアップの方、2つ目は大企業の方、3つ目は金融・コンサル関連の方で、ほぼ均等に1/3ずつという感じです。特に最近は大企業の方が増えている印象ですね。製薬をはじめとするヘルスケア関連の方だけでなく、通信系などその他の産業の新規事業部の方も参加していただいてます。日系の企業だけでなく、外資系メーカーのデジタル関連事業部の方などもいらしています。
デジタルヘルスの注目度が上がってきたことが背景にあると考えています。
入山:DHMのテーマは毎回どのように決められていますか?
根岸:その時々で旬な話題を取り上げることもあれば、ヘルスケアのカテゴリをマッピングしてヒントにすることもあります。
旬な話題で言えば、2016年6月は、2016年3月に日本で初めて保険収載ソフトウェアとなったアルムさんをお呼びして、遠隔医療のお話をしていただいたり、2017年2月は、ここ最近のAIトレンドにのっと則ってAI×ヘルスケアとしました。意識しているのは、先人に学べるようきちんとビジネス化している企業がいるテーマになるようにしています。
マネタイズができて初めていいサービスが世に広まる、と思っています。
入山:2015年に第1回目が始まり、3年目に突入しました。その間にデジタルヘルス業界に変化はありましたか?
根岸:スタートアップが増えてきました!
医師がCEOやメンバーとして参加する企業も増えてきたと思います。また、国の制度が整ってきたことも業界にとっては追い風だと思います。これまでは、ソフトウェアが医療機器になったくらいでしたが、遠隔医療の解禁などもされました。今後は医療IDなどももっと整理されて使いやすくなってくると思います。
さらに、AIとかディープラーニングといった最新のテクノロジーをより活用する企業が増えてきており、確実に盛り上がって来ていると考えています。
入山:デジタルヘルス業界の中でも今後有望と思えるジャンルはどのあたりだと思われますか?
根岸:短期的には遠隔医療関連や、あえて挙げるとするとメディアに注目しています。
遠隔医療は、医師と患者、医師と医師、モニタリングなどと細かくカテゴライズして、いろいろなチャンスがあると思います。
メディアについては、昨今メディアのあり方についての問題提起がされてきている状況なので、逆にどうあるべきか考え、挑戦できるチャンスではないかと考えています。これまで大きな牙城だった、エムスリー以外の領域、または別の切り口で、ビジネスチャンスが大きく広がっていると思います。
その他、米Walgreensのオムニチャネル戦略はすごく面白いなと思っています。
中期的にはマネタイズや制度などでハードルはありますが、診断・治療のど真ん中のIT化に期待しています。
医療ディープラーニングを用いた医師同士による画像診断の補助ツールや、薬剤選択にビッグデータ使うとか、VRで遠隔手術とか面白い技術だと思い注目しています。
入山:グリーベンチャーズとしては今後デジタルヘルス業界をどう見ていますか?投資も継続していく予定ですか?
根岸:依然として市場規模が大きく成長産業だと思っています。
我々の持つネット産業のナレッジを力にして伸ばせると思っており、投資も継続して行っていきます!
入山:DHMについては今後も継続されていくと思いますが、どのようなテーマを取り上げたいですか?
根岸:切り口を変えて、製薬企業をはじめとする大企業側のデジタルヘルスの取り組みとか、保険会社を絡めてみたり、色々アイデアはあるので楽しみにしていてください!
入山:デジタルヘルスのスタートアップ企業へのメッセージがあればお願いします。
根岸:デジタルヘルスは徐々に市場が形成されていて今はまさに黎明期のチャンスと思っています。
我々も、DHMを通じて市場形成に貢献します!
一緒に5年10年後のスタンダードを作るべく盛り上げていきましょう!!
入山:日本がデジタルヘルスで世界をリードしていけるようになるといいですね。これからもぜひ頑張ってください。今日はありがとうございました。
根岸:はい、頑張っていきます!
ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。第1回目から広報として私も立ち会ってきましたが、さまざまなテーマでパネルディスカッションやピッチなどが行われ、中にはその後大きくメディアでも取り上げられるような企業もでてきています。
少子高齢化社会の日本においてデジタルヘルス業界への注目は今後も高まっていくのは必然といえる中で、投資という側面でグリーベンチャーズができることも多いかと思います。こうしたDigital Health Meetupのようなイベントを通じて、新しいスタートアップを発掘し、応援していけるようにこれからも頑張ります(もちろん投資実績もね)
なお、次回のDigital Health Meetup Vol.8は2017年5-6月頃を予定しています。決定しましたら公式Facebookページでアナウンスしますので、興味のある方はぜひフォローをお願いします。もちろん無料でご参加いただけます。
Digital Health Meetup公式Facebookページ
それではまた!
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