データ分析を行い、ユーザーに喜んでもらえるサービスを提供するための改善に注力してきた当時の思いや過去の業務でのやりとり、そしてそこから学んだことなどについて語っていただきました。
杉山:2012年、グリーに新卒で入社。アナリシスチームでマネージャー、シニアマネージャーを務めた後、現在は経営企画室長。“誰が”ではなく、“何を”語っているか。自分はどうしたいのかへの問いの追求を大切にしている。
五十嵐:2013年、グリーに新卒で入社。アナリシスチームに配属され、2016年にマネージャーに就任。現在はシニアマネージャーとして幅広い業務内容に関心を持ち、柔軟に課題解決に取り組む。必要なことは何でもやり抜くことがモットー。
急成長企業でしかできない挑戦をしたい
ーーお二人は、アナリシスチームの先輩・後輩だったそうですね。
杉山:はい。私は2012年に新卒で入社して、アナリシスの部署に配属になりました。紆余曲折ありましたが、ゲームをメインとした分析の専門チームに入ってマネージャー、シニアマネージャーを経て、1年半ほど前に当時の経営企画部に異動になりました。
五十嵐:僕は2013年に新卒で入社しているので、杉山さんのひとつ後輩です。杉山さんのいたチームに配属され、今年で6年目です。アナリシスに常に軸足を置きながらも、北米事業や新規事業にも携わり、2年前にアナリシスチームの責任者になりました。分析の専門部隊ではあるのですが、分析だけに止まるのではなく、事業のなかに深く入り込むことに重きを置いてやっています。提案だけしても、事業の改善につながらないことが多いですから。課題解決のためには、何でもやるというスタンスで取り組んでいます。
ーー杉山さんが入社された2012年は、グリーで本格的な新卒採用が始まった年ですね。お二人はプロパー社員の歴史を築いてきたといえると思いますが、当時はどんな思いを抱いていたのでしょうか。
杉山:私が内定をいただいたのは、まさに会社が急成長していたとき。人生でめったにない、急成長企業でしか味わえない体験をしてみたいと思い入社しました。もうひとつ、インターネット業界ならではの裁量の大きさも魅力でした。
五十嵐:僕は大学では物理、大学院では物理教育を専攻していたので、実はインターネットは畑違い。他の業界への就職も考えていたのですが、いちばん直感的に引っかかったのがグリーでした。自分は挑戦するのが好きなタイプで未知のIT領域に挑戦してみたいと思いました。杉山さんがおっしゃったように、グリーは勢いがある会社で裁量も大きい。挑戦するにはいい環境だと考え、直感を信じて入社を決めました。
杉山:五十嵐さんはITの基本もわかっていない感じで、配属当日はこいつ大丈夫か?と思いましたよ(笑)。自己評価もそうだったよね?
五十嵐:はい(笑)。元々能力が高くて今があるのではなく、本当に最初はゼロというか、むしろマイナスからのスタートでした。
ーー入社当初から具体的な夢やキャリアを描いていたのでしょうか。
杉山:全然そんなことはありません。でも、この会社の強みや根幹の部分に触れたいという思いはありました。インターネット革命のひとつは、あらゆるものがデータで見えるようになったこと。そのデータ分析はグリーという会社のひとつの強みだと思ったので、アナリシスチームへの配属を希望しました。
五十嵐:僕はITと教育を結びつけてICT教育のようなものができたら…というのはあったのですが、当時はふわっとした感じでした。アナリシスについては、当時はそんな組織があることすら知らなかったです。
ーー当時のお仕事について教えてください。
杉山:入社したのはグリーがプラットフォームのグローバル展開していく時期で、4月に配属されて5月が海外プラットフォーム配信の開始でした。そのローンチ後、データを集計したはいいけれど、何を示すものなのかわからないというものがたくさん出てきました。当時の主な仕事は、その洗い直しです。あと、社内のあちこちに点在しているデータを集約し、使えるデータにするということをやっていました。
五十嵐:僕が入ったときには、データはきれいに整えられていましたから、「これを集計したい」と杉山さんに相談すると、すぐに答えを返してくれました。それも細かいところまで、ものすごく詳しいんです。細部まで手を抜かず、考え抜いて整理していたからそこまでできるのだろうということはそのときから感じていました。
先輩の背中を見て学んだこと
ーー初めて後輩が入って来たとき、杉山さんはどんな気持ちでしたか。
杉山:私は、後輩に苦労させないことがいいことだとは思っていません。その人の力量を見極めて、適切なチャレンジを設定してあげることが一番大切なんじゃないかな、と。新卒の子は頑張れる幅があるので、五十嵐さんに対しても持っているキャパシティより少し上の設定をすることは心がけていましたね。そのことは、五十嵐さんも実感しているんじゃないかな。
五十嵐:まさにそうです。厳しくはあったけれど、タスクをふられる際に、その背景や全体像、何のためにやるのかといったことを深いところまで毎回丁寧に説明してくれました。言われたことをそのままやるのでは、チャレンジのしようがない。考える材料を整えてくれて、チャレンジする環境を与えてくれたと感じます。
杉山:数学の証明問題は、すべて自分で記述すると難しいじゃないですか。穴埋めだと簡単。どっちの方がワクワクするかなと考えたとき、自分なら難しい方が楽しい。ただし、解けない問題を与えてもしかたないので、人によってはもうちょっと条件を与えてあげる。大事なのは問いの設定です。これを誤ると崩壊します(笑)。
五十嵐:杉山さんは、こうやればいいという方法を教えてくれるというより、筋道を立ててくれました。困って相談したときは、とても頼りになる存在でしたしね。かといって、聞けば答えを与えてもらえるわけではなく、考えが甘いとすごく詰められました。今の自分があるのは、叩き上げてもらったおかげ。育つ環境は本当に大事だと思います。
ーーお話を伺っていると、共通理解がとても大切だと感じます。業務のなかでほかに共有されてきた価値観はありますか。
杉山:「サービスを理解する重要性」もそのひとつです。
五十嵐:もともとうちのチームは、プラットホームの分析を中心に行っていました。でもゲーム会社である以上、ゲームの中身の品質を上げていかないといけないというふうにシフトチェンジしていった経緯があります。そのとき、アナリシス側とプロダクト側との目線の違いが壁になりました。データ分析をしているこちらからすると課題であると感じることが、プロダクト側からすると「うちの方がプロダクトのことはよくわかっている」と話がかみ合わないこともありました。
杉山:自分が相手と同じか、もしくはさらに詳しく理解していないと同じ土俵に立って会話ができませんよね。
五十嵐:それで、杉山さんは「消滅都市」の分析を担当したとき、一からやり込みましたよね。
杉山:そうでした。自分で課金してプレイして、それでも足りないので、アカウントを消してまた一からやり直したりもしました。データを扱う組織はデータを出して終わり、というところが多いんです。もちろんデータを出すだけでも大変ですが、プロダクトをより良くするためには、それ以上の努力をしなければいけないというのが根本思想です。
五十嵐:僕も同じように「探検ドリランド」に深く携わりました。それによって本質的な課題にアプローチする改修も加えられ、お客さまが長期的に楽しめる仕組みをつくることができました。こうしたことは、杉山さんに口で言われたというより、背中を見せられたことが大きいと思います。
ーー五十嵐さんは杉山さんから学ばれたことが多かったんですね。その結果、ご自身で成長を感じたと思うことはありますか。
五十嵐:2年前にマネージャーになったときが、社会人になってからいちばん成長した半年間だと感じています。杉山さんが大丈夫だと思っているから任せてもらえたという確信はありました。でもそうなると、杉山さんがやってきた品質を落としてはいけないということがプレッシャーになりました。当時は5プロジェクトぐらいが同時に動いていたので、頭の切り替えもしなくちゃいけない。杉山さんならこうするだろう。それを意識して考えるうちにだんだん頭が鍛えられて、今ではできるようになったかなと思います。追い込まれ、集中してやったからこそできた貴重な経験です。
ーーもっとも身近であり、影響を受けた先輩なんですね。
五十嵐:自分がそこまで頑張れたのは、自分のなかの合格基準というか、社会人として求められる水準を杉山さんが見せてくれていたからだと思います。僕からすると杉山さんは大きな存在であると同時に、年が1つしか離れていないこともあって近い存在でもあるんです。だから、杉山さんにできるのなら、僕も無理だということはないだろうという根拠のない自信はありました。
杉山:私は、五十嵐さんには十分任せていけるなと思っていました。五十嵐さんのいちばん評価していることは、素直で仕事に誠実に向き合って最後までやり切るところです。その姿勢は、ずば抜けてすばらしかったと思っています。言ってはなんですが、入社当初は本当に頼りなかったのが、今はこうですから。テクニカルなスキル云々ではなく、気持ちの面でいかようにでも成長できることを五十嵐さんを見ていて逆に学びました。
ーーその強い信頼関係はどのようにして築かれたのでしょう。
杉山:会社では、上に行けば行くほど結果を出すことが大事だと考えています。下からすれば、「なんで結果を出していないヤツの言うことを聞かなくちゃいけないんだ」という言い訳ができてしまいますから。その言い訳を封じるためには、自分が頑張らないといけない。信頼関係が築けるかどうかは、究極的には自分が結果を出しているか否かにかかっていると思っています。
五十嵐:杉山さんは、自分自身がやり切って、結果を出していますよね。先ほども言いましたが、口先だけで説明するのではなく、自分が目指すべき姿を背中で見せてくれました。そうした関係性があるから、厳しい指導も言えるし受け入れられるのではないでしょうか。
ーー杉山さんにとっては、理想の先輩像はありますか。
杉山:先輩像とはちょっと違うのですが、こんな人ならついていくというのは社長をはじめとする経営陣です。「誰が言っているかではなく、何を語っているか」。グリーの経営陣はこのような理念を持っています。だから、職位も年齢も違う経営陣と私がフラットに議論できています。グリーにいると当たり前と感じる人も多いかもしれませんが、他社を横目でみるとこれは本当に凄いことで重要なことだと思っています。私自身もこの考えは日ごろから大切に考えていて、年齢などは関係なく、この人が「何を」語っているかで見極めています。
受けた恩を後輩たちへ
ーーグリーはお二人にとってどんな場所ですか。
五十嵐:挑戦する環境を与えてくれる場所ですね。最初は杉山さんのような存在がいましたが、マネージャーとなった今は自分が先頭に立って引っ張っていかなければならない立場。そうなると、自分で挑戦して見出していくことが必要だと思っています。そして、まさに今、それをやらせてもらっているところです。裁量も与えられていますし、自由に挑戦できる環境がグリーにはあります。
杉山:思いを実現する場所でしょうか。経営企画室にいる今は、自分だけの思いというより、一緒に働く仲間やマーケットの期待値も含めての“思い”です。会社としてもっと高いところを目指していかなければいけないと考えているのですが、ではそこはどこなのか。世の中のみんなをワクワクさせるゲームやインターネットサービスを展開して、グローバルでNo1になることだと思ってます。日本のネット系企業でまだ誰も成し遂げていなかったことを実現していく。単純にかっこいいですよね。この思いを長期的に実現していきたいですし、グリーはそれが可能な会社だと思っています。
ーーこれから目指すことは何ですか。
五十嵐:僕はグリーという会社、そしてアナリシスチームで育てられたという強い思いがあります。これまでの経験は誇りです。直感を信じて入社して良かった。ですから、これまで受けた恩を返していきたいという思いがあります。配下のメンバーにそれを届けて、後任を育てたい。そして精鋭部隊を送り出していき、事業貢献につなげていきたいですね。
杉山:ワクワクして仕事に取り組んでいることは、とても大切なことだと思います。五十嵐さんのときもそうでしたが、実力を見て適切にチャレンジを設定してあげる。そのとき、人はいちばんワクワクしているんじゃないかな。設定が高過ぎると手触り感がないし、同じだとマンネリになる。これを一人ひとりだけでなく、各組織、会社全体で設定していく。その結果、皆がワクワクする会社へと今以上にしていくことを経営企画室にいる自分としては目指していきたいです。
※取材は2018年5月に行いました。
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