グリーグループの一員として、ソーシャルアプリの開発・運営を手がける株式会社ポケラボ。「SINoALICE」(以下、「シノアリス」)や「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」(以下、「シンフォギアXD」)はリリースから約1年半経った今も売り上げを伸ばしています。今回は、人材戦略チームを兼任されている覚張さん、太田さん、本間さんの3人にお集まりいただき、ポケラボの運営力の秘訣や文化、それぞれの思いをお話しいただきました。
覚張:2013年入社、勤続年数は約5年半。シノアリス エンジニアユニットマネージャー。
太田:2011年入社、勤続年数7年。シノアリス アソシエイトプロダクトマネージャー。
本間:2013年入社、勤続年数5年。シンフォギアXD デザインユニットマネージャー。
積み重ねてきたキャリアをゲームに生かす
ーーまずは、ポケラボに入社されてから現在にいたるまでのお仕事の内容を教えてください。
太田:2011年に入社して、7年ほど経ちました。プロダクトマネージャー(PM)やプランナーのユニットマネージャーを経験して、現在は「シノアリス」でアソシエイトPMに就いています。業務内容としては、PMとプロデューサーのサポートや、進捗管理・課題管理を行っています。
覚張:私はエンジニアとして、2013年に「戦乱のサムライキングダム」の開発メンバーとして入社し、翌年エンジニアのリーダーであるリードエンジニアの2代目を任されました。その後リードエンジニアを3代目に引き継ぎARPG(アクションロールプレイグゲーム)の開発に挑戦したのですが、頓挫してしまいました。「シノアリス」はポケラボで関わった3個目のタイトルなのですが、立ち上げからエンジニアリーダーとして開発に関わり、運営も継続して行なっています。現在、15人ほどのエンジニアのメンバーがいるので、マネージャーとしてその統括もしています。
本間:僕は2013年に入社して、デザイナーとして当時ポケラボがセガさんと共同開発・運営していた「魔界学園カタストロフィ」と「ポイッとヒーロー」のアプリをつくる仕事をしていました。現在は「シンフォギアXD」のUIデザインのマネージャーとして仕事をしています。使い勝手はもちろん、もともとアニメ原作のIPタイトルなのでその世界観をいかに落とし込むかといったクオリティラインのチェックなどを行っています。
ーーみなさんの前職は? どんな思いを抱いてポケラボに入社されたのでしょうか。
太田:以前は広告代理店、出版社で働いていましたが、自分たちでつくったサービスを世界に広げていきたいという思いが強くなっていきました。当時はポケラボもまだグローバル展開はしていませんでしたが、今後、視野に入れて活動しているというところに共感して入社を決めました。入社後の2012年、ポケラボが初めてスマートフォン向けタイトルをリリースし、自分も携わることができたこと、そしてそれを世界に向けてリリースできたことで一歩夢が叶ったという感じでした。そこからさらに先を目指して、今新しいチャレンジをしているところです。
覚張:前職はカラオケボックスにあるタブレット型のリモコンの中身をつくったり、商用車を監視・管理するシステムをつくったりとゲームとは無関係のところでキャリアを積みました。大企業向けのいわゆるBtoB、あるいはBtoBtoCの仕事です。でも、自分がつくったものが見えたり、お客さまの声をダイレクトに聞くことができたりするBtoCの仕事がしたいと思うようになってポケラボに入社しました。
ーーBtoCの仕事もいろいろありますが、そのなかでゲームを選んだ理由は何だったのでしょう。
覚張:エンタメやゲームはその最たるものだし、面白そうだなというのがひとつ。もうひとつは、エンジニアとして動きのないものをつくることをやってきてそちらは得意だったのですが、ゲームのようにキャラクターが動いたり、グラフィカルなものについてのノウハウは持っていなかったんです。それらを手に入れることができたなら、エンジニアとしてもう一段ステップアップできるのではないかという思いもありましたね。実際、ここ数年で知識、スキルは格段に上がったという実感はあります。今、ポケラボでやっているノウハウを前の会社に持っていったらもっと効率の良いシステムになっていたと感じます。
本間:僕は制作会社でウェブサービスに携わっていたのですが、“つくって終わり”のサービス。やった労力に対する対価は、あまり感じられなかったんです。一方で、自分たちでつくったものを運用していくサービスでは、とことんクオリティを上げて行くことによって労力以上の対価が発生します。そこにやりがいを感じられそうだと思い、転職しました。それから、僕は堅苦しいのが好きじゃないということもあります。面接してくださった方の印象が自分の波長と合うと思い、入社を決めました。
ーーそのとき面接官から受けた印象とポケラボの印象は同じでしたか。
本間:そのままでしたね。ポケラボは、諦めずに進みながらも、楽しくやっていく海賊団という感じでしたね。その後、ポケラボも山あり、谷ありだったのですが、それでも諦めずにいいものをつくっていくという雰囲気はずっと感じています。
覚張:僕も面接のときに、いい印象を抱きました。当時、ポケラボはベンチャー企業だったこともあり、コミット感をとても重要視していました。僕も納得感、コミット感を持って仕事をすることは大切だと思っています。ポケラボを守っていこうとか、会社をよくしていこうとか…心から思っていなければ、いいパフォーマンスにはつながらないと思うんです。
開発までの長い道のり、そしてリリース後の苦労
ーー山あり、谷あり。そんななかで、印象に残っている仕事を教えてください。
太田:どちらかというと谷が多かった印象です。
覚張:太田さんは一番長く在籍しているから色々と話せますね。
太田:そうですね。ポケラボは今、3タイトルを運営していますが、ここに至るまで長い道のりがありました。ポケラボでは運用しながら開発も続けていたのですが、いったん開発に専念しようという時期がありました。そこから2016年6月に「シンフォギアXD」と「シノアリス」がリリースされるまで2年ちょっと。いくつものタイトルをつくってはいたのですが、なかなかリリースまでつながらない。長かったですね。
覚張:僕はやはり「シノアリス」への思い入れが一番強いです。リリース前も大変でしたが、リリース直後は未曽有のアクセスがあって、お客さまにご迷惑をおかけした状態でした。すぐにサービスを拡大しなければならず、試行錯誤しながら突貫で広げていったという感じです。あのときは2週間ぐらい会社に張り付いて対応していました。大変ではありましたけれど、嬉しい気持ちでしたね。お客さまに来ていただかないと我々の真価は問えませんから。
太田:私は「シノアリス」の開発自体は関わっていなくて、途中から参加した形になります。それまで1年ほどグループ会社に出向していて、そこで開発と運用を経験しました。そのノウハウを持ちかえってきた後「シンフォギアXD」のリリースに携わり、産声を上げる瞬間に立ち会うことができました。その後、「シノアリス」に参画したのですが、丁度GVG(ギルドバトル)という大きな機能が立ち上がる時でリリースから遅れること2カ月、GVGのバトルコンテンツ「コロシアム」を開始しようという大変な時期でした。
覚張:おそらく、運用の経験は太田さんが社内で一番あるし、リリースに一番多く携わっていると思います。なので、そのコロシアムのバタバタのときには、太田さんがグループ会社と「シンフォギアXD」のリリースで培ってきたノウハウを生かそう、と。8月にジョインし、今に至ります。
ーー本間さんは、やはり「シンフォギアXD」でしょうか。
本間:そうですね。「シンフォギアXD」の開発にあたって僕は初めてマネージャーを任され、いろいろ決断しなければならない状況でした。開発中に問題が発生しては修正して…を繰り返すなか、リリースしたものが果たしてお客さまに受け入れられるのか。口には出しませんでしたが、ものすごく不安でした。でも、ようやくリリースに漕ぎつけてお客さまに受け入れていただき、ネットなどでダイレクトに反響があったときは大きなやりがいを感じましたね。僕は先ほどお話ししたようにセガさんと共同で仕事をしていて、セガさんのマネージャーに開発にまつわるさまざまな事を教授していただいたという経緯があります。その方は、今でも僕の師匠のような存在です。ボケラボが僕をそうした環境にアサインしてくれて、成長させてくれたのは本当にありがたいですし、そこで学んだノウハウが「シンフォギアXD」の開発にも生かせたかなと思っています。
ーー多くのご苦労があったんですね。それを乗り越えた際のエピソードなどあれば教えてください。
本間:ポケラボではIPものを取り扱うのがほぼ初めてだったので、さまざまな課題が発生しました。そんなときにも、どの職掌のメンバーも他責にせず、自責に考えて能動的に問題を解決していくというスタイルでした。そういったことが、リリースに辿りつけた一因かなと思っています。
覚張:私の場合は、当時の「シノアリス」のPMが、定期的に焼肉を食べに連れて行ってくれたんです。みんな肉を食って前に進む。エネルギーが切れたら、また肉を食って進む(笑)。それと、僕はリーダーを務めていましたから、ともかく「できる」「やるしかない」と言い続けていました。リーダーができないと思ったら、メンバーは絶対についてこないですよね。気持ちの問題といえばそれまでですが、気持ちがなければ何もできません。そういった雰囲気はポケラボ全体にあるんじゃないかな。ポケラボ代表の前田も絶対に諦めないし、みんながやっていることは正しいと常に言い続けています。それこそが一番大切なことだと思っています。
ーーメンバーのモチベーションを高める一方、ご自身はどうやって奮い立たたせたのでしょう。
覚張:乗り越えなければいけない壁がある方が、アドレナリンが出るというか。ぬるま湯に浸かった状態は、あまり成長もしないしワクワクもしないし。僕はトラブっているときの方が、頭がフルで回っている感じがして楽しいですね。今も大なり小なり壁はやって来ます。それを乗り越えたときは楽しい。毎日が発見であり、達成であり。刺激的な会社です(笑)。
ーーみなさんも大変さは「ワクワク」という言葉に置き換えられるのでしょうか。
太田:そうですね。「シンフォギアXD」も「シノアリス」も1周年を迎えられて、たくさんのお客さまに遊んでいただいています。いろいろな苦労はありましたが、嬉しい苦労です。そして、自分たちがやってきたことは失敗も含めて無駄でなく、今につながっている。だから、今やっていることもこの先の何かに向けてやっているという意識は常にありますね。
開発は堅牢に、運用は柔軟に
ーー開発と運用ではまた違った難しさがあると思いますが。
太田:開発はこれから遊んでもらう未来のお客さまに向けてつくっていくなかでのいろいろな葛藤があります。一方、運用はお客さまのいろいろな声がたくさん届き、これから私たちから何を届けられるのか、その声に応えられるのか、期待をさらに超えられるのかということを考えながらやっていきます。それぞれに苦労はありますが、個人的にはどちらかというと運用の方がやりがいがあると感じますね。
ーー運用のどんなところに魅力を感じるのでしょう。
太田:やはり、お客さまの直接の声が聞けるところでしょうか。あとは、マーケティングと組んでプロモーションをして、たとえばSNSなどを使って自分たちのゲーム内だけでなくていろんな広がりが生まれたり、原作と連動したり。そうやって自分たちがつくったものが世の中に広がっていくというところは本当に楽しいです。
覚張:開発のときは、答えがわからないんですよね。だから、いろいろなことがブレがちです。そんなときに重要なのは、「これがあるから面白い」、「これがあるから受け入れられる」、「だから絶対面白いはずだ」といことを信じてしっかりとした“幹”を立てること。そこに、みんなで枝葉をつけたり蔦を這わせていったりすることが大切だと思っています。幹が太くなければ簡単に折れてしまい、「面白くないかも」と別の幹をつくったりしてしまう。なので、その太い幹は信じられる人が植えた信じられる木であるべきです。
ーーなるほど。開発で、まずしっかりとした木を植えたわけですね。
覚張:「シノアリス」の場合、スクウェア・エニックスさんとヨコオタロウさんという実績あるゲーム会社とディレクターが監修してくれたこと、さらに、ポケラボ伝統のGVGというコアがしっかりしていたことが大きかったですね。だから、みんながその木を信じてつくることができたのだと思います。
太田さんも話した通り、運用に入るとお客さまから生の声がダイレクトで届きます。また、さまざまなデーターなどが数字で出ます。我々が売れると思っていたのとは別のキャラクターが人気になることも往々にしてあります。そういったことをいかに早くキャッチし、還元させていくか。スピード感が重要になるため、スケジュールは開発のときよりさらにタイトでシビアです。また、開発で育てた枝葉もお客さまに切られていったり、こっちが欲しいと別の苗を植えられたりもします。それはそれで面白いことです。お客さまの声をしっかり取捨選択し、より刺激があるものをつくる。言われたままではなく、期待に添いつつも、その先というか斜め上を狙っていくというか。運用では、そういった行動が必要。ですから、開発と運用の考え方は180度切り替えています。運用はより柔軟に、開発はより堅牢にということかなと個人的には思っています。
太田:ごもっとも。
覚張:なので、運用のときはとくに、我々も「シノアリス」はすごいプレイします。お客さまの視点を持つことは、絶対に大事だと思いますね。たぶん、本間さんは「シンフォギアXD」を…。
本間:そうですね。僕たちも「シンフォギアXD」はたくさんプレイします。
ーー「シンフォギアXD」「シノアリス」ともに運用フェーズに入ってからも好調に売り上げを維持していますね。その秘訣や施策について教えてください。
本間:「シンフォギアXD」はもともと歌を扱ったアニメで、声優の皆さまによるライブも行われています。アプリ開発時のコンセプトは、ライブ×アニメ×アプリのトライアングル効果で「シンフォギアXD」全体を盛り上げていくというものでした。リリース後の反響を受け、アニメやライブと連動したものをゲームでも展開しています。そうやって全体で盛り上がっていくことで、よりよくなる状態が続いているのかなと思います。あとは、アプリオリジナルの楽曲を収録したアルバムも直近リリースされました。こういったものをアプリをきっかけにしてお客さまに届けられるのは、つくり手としても嬉しいことです。
太田:「シノアリス」は予定調和ではなく、お客さまの期待のさらにその先をいくものを提供して、驚いていただくことを大切に考えています。サプライズを用意するために、必死に水面下でいろいろなものをつくっていますね。たとえば、先日リリースした「スペースインベーダーコラボ」。ゲームのなかで、いきなりまったく違うシューティングゲームで遊べるとか。
覚張:準備は相当大変なんですが、そこのが「シノアリス」の面白さです(笑)。
太田:お客さまもそれを望んでいますよね。「グランコロシアム」という大きなGVGのイベントを月1度でやっているのですが、こちらでしっかり遊んでいただきつつ、コラボイベントのような新しい変化球でユーザー様を飽きさせない。また話題性で、新しいファンの人たちに来ていただくためにもそういったことをしています。
“やりたい”を“やってみよう”に変える風土
ーーポケラボらしさや強みとは何ですか。
覚張:ボケラボの大きな特徴は、クリエイティブチームやサウンドチームを社内で抱えていること。サウンドや2D、3Dグラフィックスは、ほぼ協力会社さんにお願いする会社が多いのですが、ポケラボは社内でつくっているので、プロダクトとクリエイティブ、サウンドチームとの間で密なやり取りができます。社内での関係性が出来上がっているので、要望や問題点を言うときにも協力会社よりスピーディー。それをフェイスtoフェイスで行うので、より正確に伝わります。当然、クリエイティブチームもサウンドチームもポケラボの社員なので、納期も大切ですがその中で出せる最大のクオリティで妥協せず、120%のものを提供しようという気持ちで仕上げてきます。ですから、グラフィックの部分は過去のタイトルも含めてお客さまにご高評いただいます。そこが強みのひとつだと思いますね。
本間:会社の規模が大きくなっているなかでも、縦割りの仕組みではなく、横軸の連携を取っているので、どの職掌も発言しやすく、それがゲームに反映しやすい。そこがポケラボらしさかなと思います。
覚張:エンジニアは歯車でプランナーから言われたものをつくればいいという会社もけっこうあるかと思いますが、ポケラボではそれはないですね。エンジニアだからエンジニアリングだけするのではなく、企画を提案したり、僕も最近はフォトショップを勉強したいと思っていますし。デザイナーさんも描いて終わりじゃないですもんね。企画に沿ったものを描き、その企画が成功したらみんなで歓び、失敗したらみんなで反省してPDCAを回していく。そういう文化があるから、みんなが心の底から楽しみながら作品がつくれています。物作り、ゲーム作りが嫌いな人は一人もおらず、みんな楽しみながら仕事をしている印象があります。
太田:みんなが開発者であり、一プレイヤーでもあり。
覚張:それから、先ほど話に出た「スペースインベーダーコラボ」をつくってしまうあたりも、ポケラボらしいなと思います。全く別の性質のゲームで、しかもコラボイベントでしか使わない機能なので、作らない会社さんがほとんどだと思います。でも、「面白そうだからつくってみる」という思考や行動はポケラボの強みであり、面白いところですよね。個々の“やりたい”が尊重されるというか、“やりたい”を“やってみよう”に変える意識がある会社だと思います。
ーーポケラボでは事業部内に人材戦略チームがあるそうですね。
覚張:ポケラボの企業理念は「ソーシャルアプリで世界と人を変える」です。世界と人を変えるためには、これからも事業を拡大していかなければならない。そのために、社内の人材をより魅力的に育てる。そして、その魅力ある人材に惹かれて外から新しい人材が入って来る。そんな会社にすべく発足した組織で、チームと現場が一緒になって人材開発を推進しています。現在のメンバーはエンジニア、プランナー、デザイナーなど各職掌から集まった約10人。ここにいる3人もチームのメンバーで、僕はリーダーをしています。
ーーどんなことを行っているのですか。
覚張:ポケラボもそれなりの規模になってきたので、職掌ごとの連携はそれぞれが勝手にやってしまうとやりづらい部分があると思うんです。それを取り仕切る目的もありますし、職掌間のミスマッチなどの問題を職掌のリーダーと我々が密に連携を取りながら解決していくチームになっています。
太田:会社の成長速度に合わせて現場の我々もレベルアップしていかないと、なかなか目指すところに辿りつきません。そこで、職掌ごとに目標とテーマを決めて週に1回ミーティングを行い、現在の進捗状況を聞きつつアドバイスなどを行っています。
私たちは、ポケラボの全プランナーの底上げを目的に、毎月「Pゼミ」という勉強会をしています。ほかにもビジネス面の意識をしっかり持つため、8つの意識をテーマにした発表やワークショップ形式での勉強会を行っていますね。
本間:デザイナーは、週1回または各週で「Dクエ」を開催しています。デザインクエストの略ですが(笑)。今後会社を大きくするために、デザイナーとしては表現するスキルを上げないといけない。そこで「Dクエ」では、お題を出してデザインするといったことをやっています。僕が懸念しているのは、「シンフォギアXD」や「シノアリス」の同じデザインばかりしていると、違うテイストのデザインの経験が少なくなってしまうこと。違うデザインに挑戦することで見る目を肥やしたり、それが成長につながっていることをメンバーに気付かせたりする。まだ手探りでやっているところですが、メンバーからの反響は上々です。
覚張:エンジニアは底上げもあるのですが、割と閉鎖的な人が多いのでエンジニア同士の交流を目的とした施策を行っています。交流を深めてお互いスキルを高め、引き出しを増やすという感じです。
ーー手応えは感じられていますか。
太田:少なくとも、どういった方向に行きたいと考えているのかという我々のメッセージは浸透できているかなと思います。
覚張:人材育成は時間がかかるものであり、成果が見えにくいものであり、かつ正解がない。でも、少しずつ良くなっている実感はありますね。まだまだ繰り返しかなと思いますけれど。
本間:それが、ポケラボスタイルでもありますけれどね。諦めずに成功するまで続ける、みたいな。
太田:プロダクトのなかでそれぞれ仕事をしていると、そのなかでの作業だけに目が行き、そのプロダクトのためといった意識になりがちです。でも、自分自身の成長を含めた会社の成長と出合い、意識していくという場になってくれればいいですよね。
ポケラボに来れば何かができる、何かが変わる
ーーこれから挑戦してみたいことはありますか。
太田:ひとつは、ポケラボがつくったゲームをより多くの世界の人に遊んでいただくこと。そして、それぞれの国や地域のポケラボファンの方々が、みんなで遊べる共通の場、交流できる場をつくることができればいいですね。それから、もちろん今やっているアプリはこれからもずっと継続しつつ、自分たちの新しいIPをつくってもっとポケラボのファンを広げていければと思っています。
覚張:うちのゲームをすることによって、世の中から争いが無くなる──。そんな内容のことを社長の前田が話していたことがありました。やはりグローバルに展開し、より多くのお客さまに受け入れられるようなものをつくっていきたいです。僕はエンジニアとしてそれに寄与できるよう精進していかなければいけないし、マネージャーとしても成長し、新なヒットタイトルを作っていきたいです。
本間:今後はいろいろな企業と共同でゲームをつくる機会が増えていくと思います。その際「ポケラボに任せておけば安心」と言ってもらえるように、メンバーの育成やクオリティの底上げに挑戦し続けたいですね。
ーーみなさんにとって、ポケラボはどんな存在ですか。
太田:チャレンジし続けることができる場所かな。自分自身、たくさん失敗していますが、それでもチャンスの場が与えられ続ける。望めばチャンスがつかめる場です。
本間:僕はずっと、ポケラボはサッカー選手の本田圭佑だと思っているんです。彼はどんなときも諦めずに自分の信念をもって続け、それが成功につながっている。諦めずに成功するまで続けていれば、失敗もその糧になるという考え方は、ポケラボと同じだと思っています。また本田は「俺、もってる」といった発言もするのですが、社長の前田もときどき同じようなことを言ったりするんです。実際、そういった運も引き寄せている会社だと思っています。
覚張:夢を実現する場所でしょうか。自分の夢、みんなの夢、お客さまの夢、世界の夢を実現するチームポケラボ。ポケラボに来れば何かができる、何かが変わる。実際、僕はポケラボに入って人生観が変わりました。性格も明るくなって、人生が変わって、世の中の見方も変わって…。人生の半分ぐらいは働かなければならないわけですが、より高い目線で、世界を変えるチャレンジができる。僕にとっては、心から成長させていきたいと思える会社です。
ありがとうございました。一人ひとりの思いが、ポケラボの文化とその土台の上に築かれた開発・運用力につながっていることが実感できることを感じました。
今後も引き続きポケラボのタイトルが進化し続けることにどうぞご期待ください!
※取材は2018年9月に行いました。
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