過去最大級のVTuberセッション、来場者は約1200人!ビジネスとしてのバーチャルYoutuberの新たな可能性が語られたコンテンツ東京に潜入しました

広報室の入山です。
4月3日〜5日にかけて開催されたコンテンツ東京のセミナープログラムでは、「VTuberのミライ」という枠で「バーチャルYoutuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」と題したパネルディスカッションが開催されました。
グリーグループでVTuber専門のライブエンターテインメント事業を手がける荒木も登壇し、各社とVTuberのミライについて語ってきましたので、サマリーでお伝えします。

■登壇者

Activ8(株) 代表取締役

大坂 武史

グリー(株) 取締役上級執行役員/(株)Wright Flyer Live Entertainment 代表取締役社長

荒木 英士

サントリーコミュニケーションズ(株) 宣伝部 デジタルグループ 燦鳥ノムプロジェクト リーダー

前田 真太郎

(株)360Channel 代表取締役社長

中島 健登


当日、1200名入る会場はほぼ満席の状態。注目の高さが伺える

コンテンツ東京のセッション会場としては最大の1200名入るホールでのパネルディスカッション。開始する頃にはほぼ満席で、VTuberに対する関心の高さが伺える中、登壇者の自己紹介からスタートしました。

最初の自己紹介はキズナアイも参加している、バーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」を運営することで有名なActiv8の大坂氏。バーチャルYouTuberの先駆けとなったキズナアイさんを中心に事業紹介。キズナアイさんは昨年BBCでも取り上げられるなどワールドワイドで活躍中。元々は海外から人気が出たそうで、ファンの7割は海外の人とのこと。
しかも、活動範囲はバーチャル空間に留まらず、Zepp TOKYO・Zepp Osaka Baysideで2日間4000人を集めて行われたリアルライブや、カップヌードル味噌のCMにも出演し、タレントとしての活動を拡大しているとのこと。もう、リアルとかバーチャルとか関係なく、売れっ子のタレントさんです。

WFLE代表の荒木からは、これから起こる大きな変化を中心に、現在の取り組みを説明。
今の時代、さまざまなSNSが存在し、それぞれのプロフィール写真が違ったり、ニックネームを変えたりして発信している人たちが数多くいる。今後、ポストスマホ時代になり、VRやARの時代が来た時にはバーチャルな体が必要になると語り、今のVTuberはそうしたこれから人類に広がっていくアバター世界の先人だと聴講者に投げかけましました。
そして、今のVTuberを運営する技術では、今後1億2億と拡大していく人類アバター化を進めるにはコスト・難易度の問題から難しいと考え、どうやってアバター化技術の民主化を実現するかを考えた時に、スマホ1台でVTuberになれる今の「REALITY」を構想してサービス提供をしたことを紹介しました。

また、バーチャルな世界でミュージック◯テーションみたいな番組を作りたいと考え、音楽番組「ぶいおん!」を企画したことについても紹介し、番組作りに力をいれていることもアピール。


4月8日(月)からREALITY Festival 2 >DIVE開催

3人目は、クライアントサイドの前田氏が登場。前田氏はサントリーで立ち上げたVTuber「燦鶏ノム」のプロジェクトリーダーを務められています。


燦鶏ノム自己紹介動画

ここからは他の登壇者も興味津々で話が展開。まず、VTuberの燦鶏ノムを始めたきっかけは、宣伝部として新しいメディアを作ろうという話が持ち上がった2018年の始め頃。ちょうどその頃にVTuberのアイデアに出会い、2月に最初の提案をして4月に承認されたとのこと。その後、8月にデビューしたのはかなりのスピード感と登壇者も嘆息していました。

もちろん話題は、社内ですぐに承認が降りたのかどうか。聴講している方たちも、VTuberに興味関心はあってもどうやったら社内を通せるかがわからないという人は多いはずですよね。

前田氏は、チャレンジ枠での取り組みではあったものの、周りを説得することにはかわらなかったと言い、2018年2月頃にブームが起きたキズナアイさんの動画を社内でプレゼンしまくっていたとのこと。やはり見てみないとわからないというのはVTuberの特徴の一つのようです。

そうして生まれた燦鶏ノムさんの活動は現在3つ。Youtuber活動、タレント活動、コミュニケーション活用をされているとのこと。現在Youtubeチャンネルに8万人の登録があるとのことだが、広がったきっかけはタレント活動。「歌ってみた」でスパイクし、RK Musicが発売した初めてのコンピレーションアルバム「IMAGINATION vol.1」への参加もWFLEからオファーして参加してもらっています。



IMAGINATION vol.1

企業VTuberで、燦鶏ノムさんほどさまざまな活動を活発にしている人はいないと、登壇者の関心も高く、話はどういう目標設定をしているのかにも関心が集まりました。前田氏は、まず企業のオウンドメディアとして捉えていること、サントリーという企業に対して親近感を持ってもらえることを大事にしている。また、自社の広告塔であるキャラクターがさまざまな活動を通じて収益化できるのではないかと考え、広告コンテンツの収益化にもトライしていると語りました。

■今後のVTuberについて


ジャニーズ事務所が始めたバーチャルジャニーズプロジェクトについても話がおよび、既存Vtuberファンとは異なったファン層がついていることや、距離の近さや頻度の多さがファンに受け入れられていると荒木が語ると、大坂氏からは例え話として、リアルタイムでバーチャルの飴をプレゼントするとそれをすぐ食べてくれたり、お花を贈ったら名前を呼んでくれたりするなど、アバターだからこそファンとの距離が近くできるとも。今後著名人のVTuber化は増えていくと予想しているとも語られました。

荒木は映画の過去の歴史を振り返り、VTuberのミライについて、次のように語っています。昔アニメ映画はメインストリームとは違う、子ども向け別カテゴリという定義だった。しかし、今や映画にはアニメ、CG、実写などさまざまな技術が混ざり合って使われており、視聴者も「実写だから」「アニメだから」みたいな見方はしておらず純粋に映画としてどうかという観点で見ている。VTuberなどのアバターもいずれ同じように生身の人間と区別されず混ざって存在しているのが当然という時代が来るのではないか。登壇者からもARやVRの時代になった時に、企業が3Dのキャラクターを持つことは、顧客接点の観点からも重要と語られました。

最後に今後の課題としてあげられたのは、VTuberが話題になり、キャラクターの種類が増えてきた時、市場は大きくなるものの競争が激しくなるのは明白。その時にただやっただけ、作っただけではもう話題にならないとし、エンタメとしての力量やクオリティとしてもリアルに引けを取らないようにしていかないといけないと締めくくられました。

いかがでしたでしょうか。サマリーでお伝えしたコンテンツ東京で語られたVTuberのミライに関心をお持ちいただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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