2020年度グリーグループMVP_受賞者インタビュー#2「現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。」

7月14日にグリーグループ総会がオンライン配信で実施され、2020年度のMVP受賞者の発表がありました。

グリーグループのMVPは、1年間を通じてグリーのバリュー(行動規範)を最も体現した社員/プロジェクトに贈られます。今回のブログでは、体現されたバリューとともに受賞社員やプロジェクトを紹介します。第2弾は「現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。」のバリューを体現し、個人に贈られるBest Performer of the yearの2名とプロジェクトに贈られるBest Project of the yearを受賞した1プロジェクトです。

「現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。」とは

どんなに優秀な人材や組織でも、満足してしまった時点で成長は止まってしまいます。

グリーでは、常に現状よりもストレッチした高い目標を立て、それに向かって努力することによる飛躍的な成長を促しています。

「ユーザーファーストの精神に自然と突き動かされる。」

チェー シンウ(Shinwoo Choi):株式会社WFS Studio本部 Studio1部 Artグループ シニアアーティスト

2013年新卒入社。2012年より内定者アルバイトとしてWebゲームタイトルの運営に関わり、入社後はアートディレクターとしてその時代に合ったアートスタイルを追求し、古いUIやゲーム画面全般の改修などに注力。その後、VRスタジオのいくつかのゲームの制作を経て、2015年末より「アナザーエデン 時空を超える猫(以下:アナデン)」の製作チームに参加。現在はアートディレクターとして、メインキャラクターとビジュアルの制作、デザイン監修を担当。

ーー担当業務について教えてください。


チェー:「アナデン」のアートディレクターとして、メインキャラクターとビジュアルの制作、デザイン監修を担当しています。開発中はチームメンバーとともに、キャラクターだけではなくゲーム画面全般のクオリティーを引き上げる努力を行ってきました。リリース後もキャラクターデザインやイラスト、広告用のビジュアル制作を行いながら、チームメンバーが制作したイラストなどの監修などを行っています。現在はアートディレクターという肩書ではありますが、基本的な業務は今までと同じく、いろんなスタッフのサポートを受けながら「アナデン」のアートのクオリティーを守っています。

ーーチェーさんは、昨年12月より配信が開始した、「『アナデン』ペルソナ5 ザ・ロイヤル コラボ」にてアートにおけるさまざまな提案を率先されたと聞きましたが、プロジェクトを進める上で難しかったことや気にかけたことはありますか。

チェー:人気IPである「ペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下、P5R)」のキャラクターたちをいかに「アナデン」の世界に違和感なく溶け込ませるかという部分で苦労しました。

特に「P5R」と「アナデン」のそれぞれのユーザーさまが納得するイラストを仕上げるためにキャラクターポーズや顔の表現、色の塗方など、協業先と密にコミュニケーションをとりながら試行錯誤を行いました。

既存のイラストを流用する形で決まっていた箇所も、一目でコラボだとわかるようなシーンを演出するため、プランナーからの依頼ではなかったのですが、主人公同士の総攻撃ビジュアルを用意し、ゲーム内に実装させました。この提案は、結果として自身やチームメンバーたちの工数を増やすことになりましたが、当時まだ一度もコラボをしていなかった「アナデン」が他IPとコラボすることにおいて、両IPのユーザーさまに違和感なくより楽しんでもらうことを何よりも優先すべきと考えました。

ユーザーさまも総攻撃のシーンをとても気に入ってくださって、Twitterなどでたくさん拡散してくださったり、プロモ動画などにもシーンが使われたりするなど、プランナーが狙った通りの効果をアートとしてサポートできたと実感しました。

――現状に甘んじず、さらにアートのクオリティーを高めてきたことが評価されMVP受賞に繋がっていると思いますが、業務を行う中で気にかけていることはありますか。

チェー:特に意識はしていませんが、「アナデン」は運営も3年目に入り、これまでよりももっと楽しいイベントをユーザーさまに提供しよう、もっと驚きを与えよう、という雰囲気が自然とチーム全体に共通してあると思っています。そういった雰囲気の中で出たアウトプットが、ユーザーさまの満足に繋がり、また自分自身のスキルを高めることにも繋がっていることに幸せを感じます。

――今回の受賞に関して、率直なご感想をお聞かせください。

チェー:入社した時から、個人MVPの受賞をずっと夢見ていました。MVPを獲るためにはどうすればいいのかを、かなり意識していた時期もありました(笑)。

しかし、なんとなく今年に入ってからそういった欲もなくなり、寧ろ自分よりもっと受賞にふさわしい方がたくさんいると思っていたので受賞したときとても驚きました。例年の受賞者が、受賞コメントで自らの功績よりも周りの方々のサポートに触れていますが、実際に受賞してみて私もまさに同じ気持ちです。

私一人では何も成し遂げられていないと思います。いつもサポートしてもらっているアートチームの皆さんやわがままを聞いてくれるプロデューサーやプランナー、エンジニアの皆さん、そして私の活動を評価してくださった部長の方々に感謝いたします。

よりこの賞にふさわしい人材になるために、これからも精進してまいります。

「常に市場を分析し、プロダクトのポテンシャルを最大化する。」

呉 裕(Yuu Go):グリー株式会社 Pokelabo・Asia事業本部 APAC Publishing事業部 Biz Devチーム マネージャー

2011年にエンジニアとしてポケラボに入社。2018年にグリーに異動。ポケラボを代表する複数のゲームタイトル開発を経て、ブリッジSEの傍、2013年より海外展開の中華圏窓口を担当。7年間の海外展開営業活動の中でグリーグループのゲームの10タイトルほどの中華圏展開に関わる。2018年後半より、中国の大手エンターテイメントプラットフォームとの業務提携により、中華系タイトルの日本展開協業にも関わっている。現在は三人子供の父親として、仕事と育児参加の両立にも励んでいる。

ーー担当業務について教えてください。

呉:APAC Publishing事業部 Biz Devチームのマネージャー業務を担当しています。中国国内市場での企画立案、アライアンス管理、また、主力提携企業との新しい取り組みを推進しています。現在は主に日中共同開発、中国系アプリのパブリッシング推進を日本国内を中心に行っています。

ーー呉さんは「SINoALICE」の中国国内展開に向けて活躍されていますが、各社との契約交渉の中で難しかったことや気にかけたことはありますか。


呉:「SINoALICE」は他社との共同開発タイトルで関係各所が多く存在したため、それぞれが納得できる条件の調整を行うことが難しかったです。いくつかの主力な企業にヒアリングした感触は想定ほど積極的ではなく、不利な状況でした。加えて、「SINoALICE」の世界観は独特で、中国での審査機構基準が厳しく、世界観を壊さずに審査にどのように出すか悩みました。そのような逆境の中、それぞれ会社の強みや戦略を分析し、今後のポテンシャルを踏まえて「SINoALICE」に最適なパートナーを見つけることに注力しました。

ーー今回のMVPでは契約交渉の中で、契約締結間近で自ら内部提案を行い、更に高い目標を達成したことがMVP受賞にも繋がっているかと思いますが、ここまで粘り強く交渉を続けられた理由は何でしょうか。

呉:主に3つのな理由がありました。

1つ目は、中国国内の「SINoALICE」ファンの熱量が高かったことです。日本版「SINoALICE」をリリースした際、中国版の配信予定はないにも関わらず、ゲームコアユーザーが集まる有名なコミュニティサイトで中国からのダウンロードが30-40万人に達しました。ローカライズされていないゲームを遊ぶにはのダウンロードの手間や言葉の壁などがありますが、それでも皆さまに日本版「SINoALICE」を遊んでいただいたので、熱量の高いユーザー層が一定規模存在すると考えられました。

2つ目は中国企業からの評価でした。中国の主力企業との交渉の中でよく「可遇不可求」という言葉が出てきました。「”縁”というものは、巡り会うものであり、求めて出会えるものではない。」という意味の諺で、先方にとって「SINoALICE」と巡り会えた”縁”はとても大切であり、「SINoALICE」の希少性やポテンシャルに対して高い評価を受けていると実感しました。そのため、現状の選択肢だけで満足するのではなく、最も「SINoALICE」の価値を最大化させることができるパートナーを見つけるためにより幅広く交渉を続けました。

3つ目は、中国版リリースを検討していた2017年当時、中国系のゲーム会社が活発に動いており、その動きを敏感に察知し、提案などを他社に先駆けて行う必要性を感じていました。

ーー今回の受賞に関して、率直なご感想をお聞かせください。

呉:すばらしい作品を作ってくれたプロダクトチームに敬意を申し上げるとともに、APACチームメンバーや、支えてくれた皆さまに深く感謝いたします。いち早く中国版を中国国内でもリリースし、会社に貢献できるように頑張っていきます。引き続き応援宜しくお願いいたします。

「ファンの方々の期待に応え続けることに満足地点はない。」

シンフォギアXDプロジェクト



金 鐘秀(Jongsu Kim): 株式会社ポケラボ ゲーム事業本部 結プロダクション事業部 副部長

受賞メンバー:

金 鐘秀 / 齋藤 冬斗 / 小林 龍太郎 / 田中 明日美 / 鈴木 隆之 /島根 敏将 / 前嶋 ゆい / 永田 志保 / ガン ドンオ/ 新沼 悟/ 髙橋 純 / 丸茂 稜太 / 菅嶋 透夜 / 田中 伶 / 任 敏赫 / 鈴木 隼人

ーー受賞されたプロジェクトについて教えてください。


金

金:「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED以下、シンフォギアXD)」の運営チームで、リリース後3年連続売上続伸というグループ初の快挙を成し遂げたプロジェクトです。

リリース当時から、シンフォギアXDをより多くの人に遊んでもらうため、常にゲームを良くすることだけを考えて運営してきました。私たちの熱量や実績が原作者や委員会の方々にも伝わり、各社様のご協力もあって、生放送や公開イベントなどのゲームをきっかけとした盛り上がり施策を実施したり、ライブやアニメとの連動などIP全体の盛り上がりに貢献するような施策も行えるようになりました。新しいメンバーも増え、組織の体制も新しくなる中で、"当たり前"に捉われることなくゲームのアップデートを加え続け、ファンの方々を飽きさせないよう常に新しい需要を作り続けることができました。

ーー「シンフォギアXD」は運営開始から3年が経ちますが、プロジェクトを進める中で難しかったことや気にかけていたことはありますか。



金

金:人気アニメである「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの世界観をゲームとしていかに表現するのかの難易度が高く、版元さまとの連携が肝となりました。また、チーム全員にアニメを好きになってもらうことが大切だと思い、「オリジナルのファンの方々はこう思うはず」とメンバー全員で議論し、その考えをチーム全体に浸透させていきました。エンジニアリングの領域など、アニメの世界観を知ることが業務に直接関わらないような場合があったこともあり、運営開始当初は、「ファンの視点」を持つことを浸透させることが難しくもありましたが、運営を続ける中で生じた失敗からも学び、その重要さを根気強くチームに伝えていきました。

ーー「シンフォギアXD」の運営開始から今までで、チームに変化などはみられましたか。



金

金:3年間運営を続ける中で、ゲームアプリも含めて「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズのコンテンツを楽しみにしてくれるユーザーさまが増え、「ファンの視点」が自然とチーム全体に浸透していったと思います。

ポケラボとして、この規模のIPを運用するのは初めての試みでした。TVアニメが終了し、ユーザーさまに継続してゲームを愛してもらえるか不安なところではあったのですが、継続して支持いただいていることをチーム一同とても嬉しく思っています。

ーー今回の受賞に関して、率直なご感想をお聞かせください。



金

金:今回、グリーグループのMVPとしては初の受賞となりました。

ポケラボ内に「SINoALICE」という大きなタイトルがある中で、3年間継続的に目標を達成し続けグリーグループでも成果を認めてもらえたことを嬉しく思っています。

運営一年目は苦しい部分もありましたが、本プロダクトのミッションである「スマホゲームだからこそ描ける、シンフォギアの魅力をより長くよりたくさんの人に届け続ける」に向かって粘り強く運営し続けたからこその成果だと思います。私たちのチームは、常に「もっと高みを目指せるのでは」という雰囲気があるので、今回のMVP受賞で満足することなく、今後も継続してユーザーさまに愛されるゲームにするために一丸となって邁進していきます。また、私個人としては、このチームに関わった人が必ず成長できる舞台にしていきたいと思います。