7月14日にグリーグループ総会がオンライン配信で実施され、2020年度のMVP受賞者の発表がありました。グリーグループのMVPは、1年を通じてグリーのバリュー(行動規範)を最も体現した社員/プロジェクトに贈られます。
今回のブログでは、2019年の4月に入社した新卒社員に贈られるBest New Grad of the yearの受賞社員2名を紹介します。2人目はバリューのうちの一つ、「現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。」を体現した大迫さんと上長として1年間サポートしてきた後藤さんにインタビューを実施しました。
大迫 裕樹:グリー株式会社 / 開発本部 / インフラストラクチャ部 / サービスインストレーショングループ / サービスインストレーション 1 チーム
2019年新卒入社。開発本部にて主にインフラ構築・運用を担当。学生時代は高位合成 (ソフトウェアからハードウェア設計記述を自動生成する技術) の研究に携わる。趣味はプログラミング・楽器演奏・投資。
後藤 浩行:グリー株式会社 / 開発本部 / インフラストラクチャ部 / サービスインストレーショングループ / サービスインストレーション 1 チーム アソシエイトマネージャー
2013年新卒入社。入社時より開発本部にてゲーム事業横断のインフラ基盤構築に携わる。現在はマネージャーとして、ネイティブゲームのインフラ支援チームを統括。趣味はインターネット。
ーーNew Grad of the yearの受賞おめでとうございます!大迫さんはグリーグループの開発本部で、複数の事業にまたがるインフラ整備に携わられていますが、担当業務について具体的に教えてください。
大迫:開発本部インフラストラクチャ部は、グリーグループが提供しているほとんどのサービスのインフラ基盤を設計、運用する部署です。その中で私は複数のゲームにおいて、ユーザーさまが快適に遊ぶためのインフラの設計・運用や、制作の工数削減のための作業自動化などを行っています。入社当初は運用チームで、サーバーのメンテナンスを主に担当しており、現在は新規プロダクトの基盤設計・導入を行うチームで、インフラまわりの仕組み作りを主に担当しています。複数のプロダクトを並行して担当しており、システムのバージョンアップやトラブルシューティングなど、幅広い業務があります。
ーー今回の受賞に繋がったのはどのようなプロジェクトですか。
大迫:ゲーム基盤の運用改善のために新たに構築した自動化システムの開発プロジェクトです。具体的には、複数のプロダクトのサーバーの切り替えを自動化することにより工数・費用削減を実現しました。所属しているチームの業務と並行しながら独立したプロジェクトとして昨年の夏にアサインされ、半年ほどかけて設計・実装・導入を行いました。入社後半年経たないうちに任されたプロジェクトでしたが、難易度も高く、色々な方のサポートを得ながら進めていきました。
ーー今回のプロジェクトを大迫さんに任せることになったのは、どのような経緯でしたか。
後藤:今回、ぜひ大迫さんに担当してもらいたいと思い、私がアサインしました。彼の入社時からの業務を見ていて安定感があったことから、更にスキルを伸ばす上で効果的なプロジェクトだと思いました。特に入社したての頃は、業務を覚えるために定常業務だけになりがちです。もちろん基礎を覚えていくことも大切ですが、業務領域も増やしていって欲しいと思いアサインしました。
大迫:当時の所属チームでの仕事は運用がメインだったので、このプロジェクトを任せてもらったことで、社内インフラへの理解も深まり、開発のスキルも伸ばすことができたと思います。
ーーこのプロジェクトはどのような点で難易度が高いのでしょうか。
後藤:このプロジェクトはグリーの創業時に開発され、10年以上運用しているゲームの運用改善だったのですが、運用の歴史が長いと、さまざまな理由により制約条件が多くなります。多くのエンジニアが開発に携わり、何度もアップデートを重ねて今のシステムがありますが、その細かい変更の全てがドキュメントでまとまっていなかったり、制作者や詳しい人が既に退職していたりと、コードが書かれた経緯などを自力で読み取った上で開発を進めていく必要があります。また社内の関係部署も多く、開発を進める上での高いコミュニケーション能力が必要な案件でした。
ーー実際にプロジェクトを進める中で難しかったことは何ですか。
大迫:長い間運用されてきたシステムですが、その設計の背景にある意図の理解が不十分だと、安全に運用改善を行うことができないため、現状のシステムや運用工程の深い理解が必要だったことですね。また、運用中のシステムを対象としていたため、ミスをすればユーザーさまにダイレクトに支障が出てしまいます。どんなプロダクトでもユーザーさまに支障を出すことは許されませんが、ずっと安定的に運用してきたからこそ、より支障をきたすことはできないというプレッシャーもありました。
そのため、既存のシステムについて、なんとなくの理解で開発を進めるのではなく、社内の関係各所に一つ一つ尋ねたり、既にいない場合は、コードをひたすら読んで自分で分析したりすることで、不具合が起きないように慎重に進めていきました。
ーー大迫さんのどのような点が、このプロジェクトの完遂に繋がっていると思いますか。
後藤:大迫さんが優れていた点は、現状に甘んじない姿勢です。指示された要件通りに開発を行ったり、求められている役割だけをこなしたりするだけではなく、自分なりの工夫を凝らした上で、率先してより良いシステム構築や、関係各所の調整を行ってくれました。
今回も、単に古いシステムを新しくし作業を自動化するだけではなく、グリーで使用しているAWSというクラウドコンピューティングサービスを最適に活用し、使用者が使いやすくて手がかからない仕組みを作りました。大迫さんは内定者アルバイト時に初めてAWSに触れていますが、そうとは思えないくらいに仕組みをよく理解していました。自分で調べ尽くし自分のものにしてしまう、キャッチアップ力が高かったからだと思います。
また、このプロジェクトは社内に関係者がたくさんいましたが、それぞれに対して率先して調整を進め、全員の理解を得た上で開発を進めることができました。社内調整に関しては、エンジニア職は苦手にしている人が多く、1年目は特に手が出しにくい領域ですが、誰に言われるでもなく自ら率先して進めることができました。
ーー難易度の高いプロジェクトをやりきった背景には、どのようなモチベーションがありましたか。
大迫:今回は難易度が高い部分もありましたし、私の未経験の業務も多く「どうやって解決しようか」と悩む機会は多かったです。しかし、やりたくないと思ったり諦めようと思ったことは一度もなく、私が行うべき業務を当たり前にこなしている気持ちでしたし、技術的な問題を解決するのは好きなのでむしろ楽しくプロジェクトを遂行できました。
モチベーションを維持していた理由をあげるとすると、社内のエンジニアの集まりで雑談をしている際に、「このプロジェクトは難しい分、上手くいけば社内で稀に見る大きなコスト削減になるね」と言われたことがあり、本当にそこまで影響力が大きいプロジェクトなのであれば、しっかりやりきりたいと気合が入り直しました。これは私の性格ですが、「これは難しい」ということが分かると、絶対にやりきりたいと思うタイプなんです。
後藤:大迫さんは問題解決型だと思います。はたから見ていても、好きで取り組んでいるのが伝わってきました(笑)。
ーー大迫さんはこの1年間でどのなような変化がありましたか。
後藤:問題解決に前のめりな大迫さんのいい部分は入社当初から変わらないですが、1年前と比べるとグリーでの働き方に慣れてきたなと感じます。グリーのエンジニアの中には、自分から率先して「やってしまう」文化があります。「これ、やった方がよくないですか」と問題提起するだけでなく、「やってみましたが、どうですか」と解決案の提示までするんです。大迫さんも入社当初は、提案をする前に、色々と確認をとってくれていましたが、最近はよりフットワーク軽く、「やっておきました」ということが増えたなと感じますね(笑)。
大迫:そう言われると、そうかもしれません(笑)。思いついた新施策や改善案などを勝手に作って持ってくるのは、ものづくりを生業とするエンジニアの習性と言えるかもしれませんが、グリーではCTOである藤本さんがその姿勢を大切にしているからこそ、各部のエンジニアに浸透している文化だと思います。
ーー今回の受賞に関して、率直な感想やチームへの想いをお聞かせください。
大迫:受賞を聞いた際は嬉しい気持ちの反面、私から見ると他の同期もグリーバリューを体現しているので「本当に私でいいのか?」と思う気持ちもありました。本部長に受賞理由を聞いてみたのですが、「グリーの新卒エンジニアとしてのあるべき姿にマッチしている」という言葉をもらいました。技術に対する探究心と向上心があることを評価してもらったと思っているので、その姿勢は変えず、賞にふさわしい存在でいられるようこれからも邁進していきたいです。
また、グリーのエンジニアの文化として「これやってみたい」に対して「やってみたら」と許容してくれる環境があったからこそ、私がのびのびと楽しみながら業務を遂行することができたと思います。入社当初は業務の進め方がよくわからない中でたくさんのサポートがあり、この賞を受賞できたと思っているので、チーム内外の皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
ーー上長の後藤さんに対しては、どのような想いがありますか。
大迫:実は私がグリーのインフラエンジニアになろうと思ったきっかけは、選考中に後藤さんと面談したことでした。面談の中で、技術を極めることを心から楽しみながら仕事をしていることが伝わり、そんな道もあるんだということを教えてもらいました。入社後も私のことを信じ、辛抱強く育ててくれた後藤さんに感謝しています。
ーー後藤さんは今回の受賞に対してどのようなお気持ちですか。
後藤:私としては、大迫さんはこの賞にふさわしい成果を出してくれたと思っています。グループ横断のインフラエンジニアとして、社内に改善すべき点はまだまだたくさんあるので、大迫さんらしく、自ら問題を見つけて周りを巻き込み、課題解決をしていって欲しいです。