2023年6月、愛知県豊明市にある少年院「豊ケ岡学園」にて、情報リテラシー講演を実施しました。少年院での講演はグリーとして初の試みです。本記事では、講演当日の様子と併せて、少年院での子どもたちの暮らしについてもご紹介します。
今回訪問した「豊ケ岡学園」では、家庭裁判所による保護処分で「問題性が比較的軽く、早期改善の可能性が高い」と判断された、おおむね12歳以上〜23歳未満の青少年が集団生活を送っています。
豊ケ岡学園で過ごす日々を通して、彼らは自らの問題に向き合い、社会に適合していくための矯正教育や社会復帰支援を受けます。
本施設における矯正教育のカリキュラムには、短期義務教育課程と短期社会適応課程等があり、それぞれの特性に合わせた集団指導や個別指導が行われています。その内容には、生活指導や職業指導、社会貢献活動なども含まれます。
施設内の至るところには、指導や地域活動を通して作られた子どもたちの作品が飾られていました。体育館や図書館もあり、まるで小さな学校のようでしたが、ただ学校と異なるのは、施設内外との境界線は施錠され、鉄格子が設置されていること。それらが、ここが矯正施設であるということを物語っていました。
今回の情報リテラシー講演は、「成年社会参画指導」における周辺プログラムとして、インターネットに関する危険性や情報の安全な利用方法を理解してもらうために実施されたものとなります。現在、豊ケ岡学園で生活している10名全員が本講演を受講しました。
教官と一緒に入室する子どもたちには無駄な動きも少なく、普段から節度を守った規律の中で生活を送っていることが伺えました。授業中も、みな真っ直ぐに伸びた姿勢を保ったまま、真剣な眼差しでメモを取っていました。
また講演後に設けられた質問時間では、積極的に手が挙がり、中には思わず笑みがこぼれるような質問もあって、本講演で何かを得ようとする前向きな意欲を感じることができました。
講演後、子どもたちからは「一度炎上してしまうと人生の節目において足を引っ張ることになるというのは犯罪と同じだと感じた。」「かつての共犯者や不良仲間に個人情報を渡すことにならないよう使い方に気をつけたい。」といった感想が寄せられました。
最後に、豊ケ岡学園にて教官を務めるお二人のコメントをご紹介します。
石原様:このたび、「情報リテラシー」の考え方を分かりやすく伝えていただき、ありがとうございました。インターネットは私たちの生活に不可欠なものですが、使い方を誤ると大きな陥穿に入り込んでしまうこと、正しく「使いこなす」ことが社会人として何よりも大切であることを、当園の在院生にも理解してもらうことができたのではないかと思います。
知久様:SNSを含めたインターネットの利用については、その使い方によって、危険性が高まることを何となくは理解していましたが、身近な事例を通して、より具体的に説明していただき、我々職員にとっても驚きとともに大変勉強になりました。なにより、子どもたちにとって大変有意義な時間となったことを感謝いたします。
インターネットをより楽しく安全にご利用いただくために、グリーは今後も、情報リテラシー向上を目指した活動を積極的に続けてまいります。