こんにちは! 広報の早川です。広報ブログをスタートしてから、これまで3本の記事を掲載してきました。どれも予想を越える反響をいただき、後続メンバーが皆さんの期待に応えていけるのか戦々恐々としているところです……。
さて、今回は昨年10月から12月に実施した千葉大学との共同授業を紹介します。
当社セミナールームにて、最終発表後の集合写真
ネット企業×教育学部
グリーは「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をミッションに掲げ、新しいサービス、素晴らしいサービスをお客さまに提供していくとともに、インターネット産業の強化と発展に向けた取り組みを行っています。
その一つが、千葉大学教育学部の藤川大祐研究室と共同で実施した小中学校などの教員を目指す学生向けの授業です。藤川先生には、以前から青少年のインターネット環境を整備する取り組みの中でアドバイスをいただいており、共同授業の開催が実現しました。
ゲーム×学び
千葉大学の学生は、想像していた以上に真面目。「自分が大学生の頃ってこんな真剣に授業受けてたっけ?」というのが最初の驚きでした。藤川先生の研究室には「藤川研究室の30カ条」が貼られていて、「『みんなのため』『社会のため』『日本の教育のため』を考えよう」という先生の高い志に共感する学生が集まっているからこそだと思います。ちなみに、30カ条の中でも
・毎月2万円分の本を読もう
・5秒で決断しよう
・「気の合わない人」「嫌いな人」と協力しよう
というのは社会人の自分にとって、耳が痛い話でした……。
ゲームの楽しさは学びにも生かせる
子供の頃「ゲームは好き、勉強は嫌い」と思っていた方は少なくないはず。だったら、ゲームの要素を活用して楽しく勉強することができるのではないか? 近年、そういった考えからゲームの要素をいろいろな分野で生かそうとする「ゲーミフィケーション」と呼ばれる活動に注目が集まっています。
この「ゲーミフィケーション」を授業に参加した学生に学んでもらうことで、将来彼らが楽しみながら学べる授業を行うことができるようになってもらうというのが、今回の狙いでした。
学生の視野を広げるゲスト講師による授業
ゲスト講師による講義では、ベネッセ教育総合研究所 主任研究員の木村治生氏や株式会社スマートエデュケーション 取締役の日下部祐介氏、千葉市教育センター 教情報教育部門の鶴岡久光氏が教育アプリの現状や学校現場における情報化の実態などを話しました。授業後には質問の列ができるほど関心が高かったようで、学生からは、
・(教育が)デジタル化して教師の役割が変わると、今までの教師はどうなってしまうのかと思った
・(インターネットによって)子供たちの教育に有効な教材が共有されるようになれば、授業の質もより良くなると感じた
といった感想が出ました。
アイデアも楽しみながら考える
今回のカリキュラムの終盤では、実際にアプリ開発を行う“ハッカソン”イベントが予定されており、その準備として当社ゲームプロデューサーによる講義「ゲーム・アプリ制作の基礎」や当社デザイナーによる講義「教育ゲームにおけるデザインの必要性」も行われました。
NPO法人アイデア創発コミュニティ推進機構 代表理事の矢吹博和氏に担当していただいた授業では、チームに分かれて短時間でアイデアを出し、それらをまとめ、分類するというワークショップ「アイデアソン」を体験しました。6人のチームで1人18個ずつアイデアを出すと全部で108個。それが4チームあると、全部で432個。90分の授業の中で、それだけのアイデアが出てくるのです。私もチームに加わって一緒に作業しましたが、仕事に生かせるなと思うほど刺激的な授業でした。
ハッカソン×学生
そして、カリキュラムの最後は教育アプリを実際に開発するための「ハッカソン」です。12月22日、23日に六本木の当社オフィス内で行いました。連休でしたが「ゲーム×学び」に関心を持つ当社のエンジニア、デザイナーなど10人ほどの有志も参加。東京工科大学メディア学部でゲームを専攻している学生にもエンジニアとして参加していただきました。
ハッカソンの様子
ハッカソンでは、企画とデザインを学生が担当。その中で、初めてペンタブレットを使って絵を描いた学生がその楽しさに気付き、2日目には朝早くから一人で作業に没頭している姿が印象的でした。今まで知らなかった技術に触れ、新たな自分の可能性に気付いてもらえたことは、私にとってもすごく嬉しい出来事でした。
「大奥~女の戦い~」より、学生が描いた“上様”のイラスト
アイデアがカタチになる喜び
学生たちは、全部で五つの教育ゲームを企画しました。
・「大奥~女の戦い~」:敬語を学ぶゲーム
・「防災ゲーム~生きねば~」:防災シミュレーションゲーム
・「エレメントコレクター」:元素記号を覚えるゲーム
・「料理修行の旅」:世界の料理レシピを覚えていくゲーム
・「コビ太郎」:社会人マナーを学ぶゲーム
「エレメントコレクター」を企画した学生は、以前から元素記号を覚えやすくするためにゲームの力を使えないかと考えていたそうです。今回の授業を通し、アイデアをカタチにする喜びを知ってもらえたのは、実施して良かったことの一つです。
最優秀賞に選ばれた敬語を学ぶゲーム「大奥~女の戦い~」
クイズに正解していくことで、上様の寵愛を得られる
優秀賞に選ばれた防災シミュレーションゲーム「防災ゲーム~生きねば~」
GoogleMapを使用しているため全国で利用可能
ハッカソンの審査員たち。左から、藤川先生、当社広報室長の島田、
東京工科大学の岸本好弘先生、アイデア創発コミュニティ推進機構の矢吹博和氏
来年も同じ授業を履修したいという声も
授業が終わり、学生から「ゲームやアプリを教育とひも付けると、勉強はつまらなくて面倒なものだという固定概念がなくなり、進んで学習に取り組む子供が増えると思いました」という感想をいただきました。藤川先生との打ち合わせの際には、「来年も同じ授業を履修したい」と言っている学生がいると伺いました(※)。プレッシャーでもありますが、「ゲーム×学び」の手ごたえを感じています。今後も1年目の経験や反省を生かし、ゲームやインターネットを活用して「グリーだからこそできること」に取り組んでいきます。
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