製品企画とは問題解決である?学習ゲームを制作する千葉大学生に、Wright Flyer Studiosを率いる取締役の荒木が授業を行いました

こんにちは、広報の石川です。

今回は、アプリ開発スタジオWright Flyer Studiosを統括する取締役 上級執行役員の荒木が千葉大学で行った「アイデアを製品企画に落とし込む方法論」の授業について、レポートします。

グリーでは、2013年度より、千葉大学教育学部藤川研究室と共同で将来的に「教育の情報化」を担う教員を養成することを目的に共同授業を進めており、2017年度も共同授業が始まりました。
※2016年度までの様子はプロジェクトレポートをご覧ください。
http://corp.gree.net/jp/ja/csr/special/chiba-university-2016/

2017年度のテーマは「アクティブラーニングの授業を補助する英語学習ゲーム」

周知のとおり、2020年度以降の学習指導要領の改訂により、小学校教育においてさまざまな変更が予定されていますが、グリーはその中でも
・プログラミング教育の必修化
・英語が外国語活動から教科へ変更
の2点に特に注目し、現在教育学部学生である本授業の受講生が、社会に出た時にすぐに教育現場の変化に対応できる人材となることを目指し、今年度の学習テーマを設定しました。
今年は、4チームに分かれ、一般販売されている簡単にアプリ制作ができるツールを活用し、学生自らが学習ゲームを制作していきます。12月にグリー役員や、実証研究を行う付属小学校の教員の前で学習ゲームのプレゼンテーションを行うDemo Day、1月に小学校での実証研究を予定しており、学生は1月の実証研究に向けてより良い学習ゲームの開発を進めていくこととなります。

「製品企画とは問題解決である」

荒木からの講義内容は「アイデアを製品企画に落とし込む方法論」。未来の教員を志す学生に向けて授業をしました。

荒木は、Wright Flyer Studiosの責任者であると同時に、今年10周年を迎えた「踊り子クリノッペ」の生みの親でもあり、長きにわたり企画に携わっています。

荒木:良いアイデアは無数にあります。しかし、どれだけ良いアイデアであっても、顧客の問題解決になっていなければ製品企画にはなりません。誰をターゲット顧客に設定するか、何をゴールにするかによって製品企画の方向性は変わるので、顧客の課題を考え、それに対しての解決策を考えていくのが製品企画です。だからこそ、まず最初に誰に対して提供するサービスにするか、考えることが大切です。「製品企画のフレームワーク」に当てはめて考えてみてください。

「製品企画のフレームワーク」

「製品企画のフレームワーク」の考え方では、[枠]内をキーワードで埋めるように考え、企画を詰めていきます。

この製品は[顧客]を[ゴール]状態にするものだ。そのために[重要な課題]という問題を解決する必要があり、この製品は[解決策]によって解決する。従来の製品より[差別化要因]で優れており、[おもしろポイント]ところが面白いのだ。
製品企画のフレームワーク

「顧客」の設定が大事。しかも、より具体的に。

荒木からの提案により、講義の後にチームに分かれてグループワークを行いました。

学生たちはあらかじめ考えてきた企画が、フレームワークに落とし込むとどうなるか、再度考えます。

グループワークでは荒木が直接アドバイス

テーマは全チーム「アクティブラーニングの授業を補助する英語学習ゲーム」と同じにもかかわらず、設定した「顧客」「ゴール」はさまざま。

荒木:たとえば顧客を小学校6年生に設定した場合、附属小の6年生と公立の6年生では環境や授業の進行も違うので、課題感も違います。もしかしたら本当の顧客は英語学習にまだ慣れていない小学校の先生かもしれないし、我が子に英語を使えるようになって欲しいと願う親かもしれない。顧客イメージをより具体的にしていくことが大切です。

などといったアドバイスをしました。

授業で得た学びについて、学生からの感想を一部紹介します。
「顧客とゴール設定を怠ったため、企画が曖昧になっていたことに気が付いた。」(2年生男性)
「顧客は設定しつつも、ゴールを設定せず課題設定に進んでいたので、もう一度ゴール設定から行いたいと思う。併せて、(顧客として設定した)附属小6年生の実態を探りたい。」(4年生女性)
「ゲームの企画がどういうものなのか理解が深まった。これは授業づくりにも共通していると思った。」(4年生男性)

最後に

荒木と本プロジェクトを担当する鈴木から一言。

荒木:今回は英語学習ゲームという実用的なテーマなので、よりロジカルに企画を進めることが大切だと考えアドバイスを行いました。実用的で、面白くて、そしてちょっとユニークな英語学習ゲームができ上がるのを楽しみにしています。

鈴木:2016年度はアプリ制作の多くをグリーのエンジニアがサポートしていましたが、今年は学生が、企画からアプリ制作までの全工程を、自分たちで進めていきます。学生たちの柔軟な発想と、荒木直伝のフレームワークを掛け合わせることで、どんなアプリができ上がるのか、今からとてもワクワクしています。将来、教育現場で活躍するであろう学生たちにとって、いい学びや経験となるよう、最後まで全力で取り組んでいきたいと思います。


12月に行うDemo Dayには荒木も参加予定です。どんな作品が見られるのか、楽しみです!
最後までお読みいただきありがとうございました。

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