10年以上続く唯一無二のサービス。僕らが『GREE』で続けられる理由

7月15日にグリーグループ総会がオンライン配信で実施され、2021年度のMVP受賞者の発表がありました。REALITYプロジェクトに続き、グリーグループMVPの中でも最も象徴的なCEO賞を獲得したのはGREE プラットフォーム(以下、GPF)事業。『釣り★スタ』『踊り子クリノッペ』『探検ドリランド』など、『GREE』には10年以上に渡って多くのユーザーさまに愛されるタイトルがあります。そんなGPF事業の皆さんに受賞の裏側を語ってもらいました。


合津合津:グリー株式会社 Japan Game 1・4部 部長
2012年 グリー入社。『探検ドリランド』のエンジニア、複数プロダクトのシニアマネージャーを経て、2018年7月より現職。趣味はゴルフと飲み会。

嶺岸嶺岸:グリー株式会社 Japan Game 4部 副部長・エンジニアグループ シニアマネージャー
2013年 グリー入社。GPFで事前登録機能の開発を担当、その後『釣り★スタ』イベント開発担当エンジニア、エンジニアマネージャーを経て、2021年4月より現職。趣味はバスケと山形帰省や旅行(妻&長男4歳&次男2歳)


大久保

大久保:グリー株式会社 Japan Game 1部 副部長・探検ドリランドグループ シニアマネージャー
2013年 グリー入社。『釣り★スタ』のプランナーを経て、7代目プロデューサーを務める。2021年4月より現職。趣味はカブトムシの飼育。


大塚

大塚:グリー株式会社 Japan Game 4部 アバターグループ・ハコニワグループ シニアマネージャー
2013年 グリー入社。エンジニア兼プランナーとしてゲーム開発全般を経験。その後『ハコニワ』『踊り子クリノッペ』でプロデューサーを務め、現在は『アバター』の事業統括を担う。趣味はマンガ・ゲーム・宝くじ。


佐野

佐野:グリー株式会社 Japan Game 1部 海賊コロンブスグループ・モンプラグループ シニアマネージャー
2013年 グリー入社。複数のゲームタイトル、海外事業部を経て、現在は『海賊王国コロンブス』『モンプラ』にてシニアマネージャーとして事業統括を担う。趣味は海外旅行とコスメ収集、ホットヨガ。


倉又

倉又:グリー株式会社 Japan Game 4部 PMグループ・クリノッペグループ シニアマネージャー
2010年 グリー入社。『アバター』のプランナーを担当。2014年より現職でマネージャーを担う。趣味はゴルフと野球観戦。

長く愛されるタイトルを定量分析し、運営方法の再構築へ

ーーCEO賞の受賞おめでとうございます!10年以上運営を続けているモバイルゲームはかなり珍しいと思います。数年継続することでさえ難しい市場において、それほど長く続けられているのはなぜなのでしょう。


大塚

大塚:まずは、GPFの各プロダクトを愛してくださるユーザーさまのおかげだと思っています。プロダクト愛にあふれた方々が、十数年変わらずに継続して遊んでくださるからこそ、運営し続けることができています。その上、長年の経験から培われてきた分析力が、運営の強みとして生かされています。今回の受賞においても、『踊り子クリノッペ』にて過去3年分のデータを分析し、どんなアイテムがどのタイミングで提供するのが良いかなどの情報を定量化したことが大きく評価されました。

14年も運営していると、アイテムやイベントはどうしてもマンネリ化してきてしまいます。クリスマスイベントだって14回あるわけですから(笑)。しかし、定量化した分析シートが完成したおかげで、マンネリ化を避けるような勝負もでき、ユーザーさまからも良い反応をいただけています。

合津合津:また、継続運営のための工夫として、コストの見直しにも、近年積極的に取り組んできました。


倉又

倉又:『踊り子クリノッペ』『アバター』『ハコニワ』といったタイトルは、着せ替えのためのアイテムを販売するので、アイテムのビジュアルを外注しています。10年前と今とでは状況の変化もあり、外注先にも協力していただきながら、発注する際の項目や点数などを見直しました。また、ゲーム内のイベント構成によってアイテムの点数を変えるなどの工夫もしています。

ーーサーバーのバージョンアップにも取り組んだとか。

嶺岸嶺岸:10年以上続く長いサービスなので、使用しているサーバー群においてはレガシーな環境で古いものが多かったんです。GPFやインフラの皆さんにご対応頂き、PHPのバージョンアップなど継続的なマイグレーションの結果、パフォーマンスが改善され、運用するサーバーの台数を減らすことができ、コストが削減されました。データベースの統合が進んだのも大きいです。


大久保

大久保:これはGPF全体に関わる話なので、全てのゲーム、アプリがみんなで足並みをそろえて動く必要があり、なんだかんだでキックオフから3年くらいかかったと思います。



ユーザーに寄り添いながら、同じ目線とペースで

ーーユーザーさまの離脱を防ぐ仕組みも工夫されたのでしょうか?


大塚

大塚:長く継続してプレイすることで、ユーザーさま自身が価値を感じられる体験設計にはこだわってきました。私は以前に『ハコニワ』も担当していて、そこで得たノウハウやエッセンスを『アバター』に生かすことができました。どちらも、アイテムを組み合わせて綺麗に着飾るゲームのため、アイテム自体の品質や差別化が重要なポイントとなります。そちらを踏まえ、数ヶ月継続してくださったユーザーさまには最高レアのアイテムを無料でお配りするなど、続けることが一つのステータスとなり、楽しみや面白さを感じてもらえる設計にしています。

ーーユーザーさまの声を取り入れるための仕組みもあるのでしょうか。


大久保

大久保:お問い合わせの内容とともに、「ご意見ボックス」というユーザーさまのご意見を直接伺える機能があります。そこに届いたご意見を元に運営に反映しています。また、『釣り★スタ』では随時アンケートも取っていて、不満や改善して欲しいことなども吸い上げられるようになっています。そういった情報を元に、より良い仕様に変更していこうとしていますが、慣れ親しんだ仕様の変化に戸惑われることもあるので、どちらに比重を置くべきかという課題は常に持っています。


倉又

倉又:運営としては使いやすく変更したつもりでも、「前の方がよかった」というユーザーさまは必ずいらっしゃいます。

合津合津:なかなか新しいものは受け入れにくいという、ユーザーさまの気持ちもよく分かります。

ーーそんなとき、仕様を元に戻すこともあるのでしょうか?


倉又

倉又:そうならないよう、常に2パターン用意して選べるようにしています。いきなりガラっと変えるのではなく、少しずつ慣れていただいて、大半のユーザーさまが新しい仕様で遊ぶようになったころ切り替えています。

ーー長く続けているタイトルだと、ユーザーさまの年齢層や好みにも特徴が出てきそうですが、ボリュームゾーンに合わせた工夫も必要だと思います。


倉又

倉又:そうですね。関係色の使い方とか、背景と文字色の重ね方とか、文字の見やすさは大事にしています。


大塚

大塚:このあたりについては、ネイティブゲームとは別の戦い方になっているかもしれません。画像をうまく使って、お知らせの内容をより分かりやすくするなどの工夫もしています。


佐野

佐野:キャラクターとのコラボも、コアなユーザーさまの好みにあわせたものを選んでいますね。

「一新する」ことだけが戦い方の最適解ではない

ーー基本を守りながら、新しい挑戦も取り入れて進んでいく感じでしょうか?


大塚

大塚:今あるものを変えることは怖い部分もあります。イベントのプレイサイクルを変えるなど。基本的なところを守りながら、新しいことも提供しないといけないという部分が難しくて、苦戦しながらも挑戦を続けています。


佐野

佐野:もちろん、何かを変えることでマンネリ化を避けたいというのが根底にありますけれど、そもそもユーザーさまが本当にマンネリを感じていて、新しいことをやりたいのか、むしろ新しすぎるとついていけないと思われないか……この2つのバランスが難しいですね。



合津合津:新卒を始め、新たなメンバーはやはり新しい技術やアイデアなど、ちょっと攻めた内容を提案してくれます。でも、そういったことの多くが、過去に実際にやった施策であったり、挑戦してみて苦労したことだったりするんです。その過去の蓄積をしっかりと共有した上で、ユーザーさまに刺さる施策を考えていくことが必要とされていますね。


大塚

大塚:新しい施策を提供するなど、攻める姿勢自体がネガティブということでは全くないです。どういう攻め方をすべきか、というのがプロダクト毎に変わってくるということだと思っています。全てを一気に変えるのではなく、同じ大枠の中で新しいエッセンスを加えていく、というように、プロダクト毎に最適解は違うはずなので、常に柔軟な姿勢を持つことは大切にしています。


大久保

大久保:新しい施策や技術も「自分たちがやりたいから挑戦する」のではなく、「ユーザーさまに求められていることに応え、その期待を超えていく」ということを最も大事にしていますね。だからこそ、深いユーザーさまの理解が必要不可欠なんです。


倉又

倉又:また、最近はノウハウの継承という意味で、プロダクトの兼務やローテーションも増えてきています。それこそ先にあったように、大塚さんの『ハコニワ』での経験が『アバター』に生きていますし、私自身も『アバター』での長年の経験を『クリノッペ』チームに共有しようとしています。


大塚

大塚:プロダクト間で協力する機会もそうですし、開発基盤のチームとの連携もここ最近増えてきて、一緒に分析をすることができるようになるなど、新しいシナジーが生まれていますね。

“全員戦友”のメンバーとともに覚悟を持って事業を盛り上げる

ーー皆さんが感じているGPFの魅力を教えてください。

合津合津:僕は実は『探検ドリランド』が好きで入社していて、単純にGPFのゲームが大好きということがまずあります。また、ユーザーさまからダイレクトに声が返ってくるという環境がすごく好きですね。だから、長く楽しんでくださっているユーザーさまに「さらに心を揺さぶるような経験を提供できないだろうか?」という気持ちで働いています。メンバーは素晴らしい人が多いし、1から10まで説明しなくても、やるべきことを理解して動いてくれる人がいるのは、本当に働きやすいと思います。


大久保

大久保:まったく同感です。長年働く中で、嫌なことが本当にないです。働き続ける上で、やはり環境が一番だと思います。

嶺岸嶺岸:グループとして専門の技術をもった人たちが支援してくれるので、自分たちの事業に集中できるのがすごくありがたいです。特に、社内にデータの分析基盤チームがあって、欲しい機能の要望を出すとすぐに実装してくれます。みんなで効率よく働くということが徹底されていますし、エンジニアの皆さんも優秀で、ちょっとしたことでもパッと直して改善するという文化があるのも働きやすさの理由かもしれません。



ーーやりたいことに対して一丸となって取り組めるということですね。


倉又

倉又:ずっと一緒にやってきた人が多いことも、この事業を続けてくることができた理由だと思います。このセクションで、一緒に働こうという人たちの結束の強さを感じますね。


佐野

佐野:何かやりたいと言うと、それぞれのプロフェッショナルがすぐに動いてくれるので、その分、企画や施策に集中することができます。ユーザーさまからの反応もすぐに届きますし、それによって自分たちの動きもすぐに変えられるというスピード感も性に合っているなと思います。


大塚

大塚:僕にとって、共に働くみんなは全員戦友のような、同じ修羅場をかいくぐってきた仲間という意識があります。自分もみんなのために動きたいし、みんなも僕のために手助けをしてくれる、そういう環境がすごくいいと思っています。直接的な自分の成果ではなくても、これまで自分が積んできた経験や知見を周りの人たちが活用し、それでいて成果が出てきていることも非常にうれしいですね。

ーーありがとうございました。改めて、CEO賞の受賞おめでとうございました!