2022年2月10日にリリースされたWright Flyer StudiosとKeyが贈るスマートフォン向けRPG『へブンバーンズレッド』。リリース3日で100万ダウンロードというWright Flyer Studios始まって以来のヒットを記録しました。7月29日には第四章前編が公開され、さらなる飛躍に向け突き進んでいます。その功績をたたえ、年に一度開催されるグリーグループ総会ではCEO賞を受賞。今回は、開発メンバーに受賞までの舞台裏と今後の展望を聞きました。
小沼:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Game Design 2グループ
2012年に入社。『ヘブンバーンズレッド』のディレクターを務める。趣味は登山。金髪なのは登山の際に髪が乾きやすいから。
笹川:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Game Design 2グループ シニアマネージャー
2012年に入社。メインストーリーの実装、ゲームデザインチーム全体のマネジメントを担当。趣味は週末にサウナに通うこと。
養田:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Game Design 2グループ / Game Design 2 チーム マネージャー
2012年に入社。『ヘブンバーンズレッド』ではプランナーとしてバトル周りを担当。
岩見:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Game Design 2グループ / Game Design 3 チーム
2011年に入社。リードスクリプターとして『ヘブンバーンズレッド』の演出周りを担当している。恋愛リアリティーショーを見るのが趣味。
奥村:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループ / Engineering1チーム
2012年に入社。『ヘブンバーンズレッド』のメインプログラマーを担当している。
佐籐:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループ / Engineering1チーム
エンジニアとして、フィールドとグラフィック周りを担当。趣味は歴史と珈琲と植物栽培。
上野:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Art 2グループ / Art 1 チーム
アートディレクターとして2Dアートのディレクションを担う。趣味は釣りや水泳。
「お客さまに楽しんでいただきたい」想いがクオリティー追求の推進力
ーーCEO賞の受賞、誠におめでとうございます!
全員:ありがとうございます!
ーーリリース前から情熱を持って開発を進めていたとお聞きしています。リリース後もその情熱を維持し、継続し続けてきたものとはなんでしょうか。
小沼:リリース以前に第三章まで準備していましたが、より多くのお客さまになるべく早く続きを楽しんでいただきたいとの思いから、第四章前編をなんとかハーフアニバーサリーに合わせてリリースすることができました。結果、第三章以上の濃密なコンテンツに仕上がったのは、各チームや個々のメンバーが「お客さまに少しでも多くのコンテンツを楽しんでいただきたい」という想いを共通認識として持ったことの表れだと思いますね。お客さまからのご意見でも、楽しんでいただいている様子をうかがい知ることができました。『ヘブンバーンズレッド』を始めてくださったお客さまを絶対に失望させたくないという気持ちがありましたね。
上野:とにかくチームとしてクオリティーへのこだわりが強く、常に高いレベルを見据えて動いています。それ故に素材の多いタイトルですので、進捗管理はとても重要です。さまざまなツールを駆使してスムーズに進められるよう工夫が必要でした。
佐藤:運営型のゲームはリリースしてからが本番ですし、チームのクオリティーに対する意識が高いので、リリース後でも現状に満足せず、さらにクオリティーを上げようとしています。
奥村:運営型ゲームの世界は、どれだけ最善を尽くして作品を作ったとしても、これで終わりということはなく、リリース後の少しの気の緩みでお客さまに最善のゲームがお届けできなくなる厳しい世界です。常に楽しんでいただける作品を届けたいとの思いを持ち続けていました。
メンバーの主体性を刺激する「雑談部屋」の存在
ーー『ヘブンバーンズレッド』チームならではのクオリティーへの追求を支える取り組みはありますか。
養田:一例としては、奥村さんが作ってくれた「雑談部屋」ですね。
奥村:常にチームの誰かがいて、コミュニケーションを取れるZoom上の部屋を作りました。好きな時に人が来て、気軽に質問できたり、雑談ベースの話をすることもあります。
上野:アートチームはすぐに質問できる雑談部屋に助けられました。最終的には3Dとしてゲーム上で表現するためには、後の行程で作業をするエンジニアの動きを把握する必要がありました。
養田:雑談部屋が存在せずして今のチームはないと思います。とりあえずそこに行けば誰かいますし、いわゆる心理的安全性にも一役買っています。
奥村:『ヘブンバーンズレッド』に携わる以前はリモートでの作業が苦手だと思っていたこともあって、それならリアルと同じようにコミュニケーションを取れる場所があれば…と考えたんです。
小沼:オフィスで例えるなら、チームの島の真ん中にあるくつろぎスペースのような場でもあり、気軽に打ち合わせをできる場でもあります。雑談部屋を中心としてメンバーが動いたという感覚ですね。
岩見:雑談部屋にいるエンジニアの皆さんのサポートが手厚く、自分の困りごとを解決してくれたり、やりたいことをかなえる方法を教えてくれます。自分が抱える課題や疑問が解決できるとなれば、主体性を持って取り組まざるを得ない。この仕組みがクオリティーの向上につながっている一因だと思います。
笹川:雑談部屋がなかったら開発効率はかなり落ちていたと思います。開発に必要な環境構築が上手くいかなかったり、実装中にバグが起きた時、雑談部屋にいるエンジニアが助けてくれて、素早く問題が解決される場面を何度も見てきました。
奥村:今はむしろ、『ヘブンバーンズレッド』の開発においてはリモート環境じゃないと、このスピード感でやっていけないとさえ思います。通勤にかかる時間を考えるとリリース前後の体力的にハードな時期でも、自宅ならすぐに休養が取れる利点もありますしね。
佐藤:僕の場合は出勤に往復2時間かかるのですが、その時間を子どもの世話に割くことができます。仕事にもプライベートにもプラスに働いています。
Wright Flyer Studiosの開発環境が、全員が主役を張れるチームを作る
ーー開発環境についてお尋ねします。皆さんの働く環境は『ヘブンバーンズレッド』の制作にどのように影響したのでしょうか。
奥村:Wright Flyer Studiosには何度でもチャレンジさせてくれる環境があります。『ヘブンバーンズレッド』では、Wright Flyer Studiosが培ってきたこれまでの技術蓄積を活かすためにUnityを採用し、より高い表現のためにたくさんの機能を追加開発しました。エンジニアとしての視点で見るとノウハウや技術の蓄積は属人化しやすく、誰かが組織を移動すると抜け落ちてしまう部分がありますが、スタジオとしてUnityを採用し続けた結果として、人だけでなく組織にもノウハウと技術を蓄積できました。
笹川:経営陣のプロダクトへの理解度が高いことも理由の一つだと思います。
奥村:グリーグループの「一流の仲間を集め一流のチームを作る。」というバリューに帰結しますよね。Wright Flyer Studiosのエンジニアはめちゃめちゃすごい人ばかりなんですよ。好き勝手やっているように見えるけど、自分で考えて動けるメンバーばかり。このメンバーでなければ達成できなかったと思うし、一人ひとりが集まってくれて良かった。そんな思いです。
笹川:実現したいことがあって、それに対してとことん追求するみたいな。「できない理由」探しをせずに「できる理由」を突き詰めるし、それができるメンバーが集まっているのはWright Flyer Studiosならではですね。
上野:都合の良い言い訳は存在せず及び腰なんて一切無い、そんな感覚です。
佐藤:僕自身は3Dの部分でクオリティーを上げることに注力していますが、そうしている間に周囲のメンバーから「こんな機能があると良さそう」といったアイデアがたくさん集まります。そのアイデアを集めて実装すると、自身が想像するレベルよりはるかに上回るんですよ。最近ではハードルが高すぎるのでは…というレベルに達しているほどです。
岩見:チーム全員が主役を張れる人だから、自動的に高みに行けるという。それが我々のチームの形かもしれません。
小沼:Wright Flyer Studiosの組織は個々のプロフェッショナルが主役となって自由な発想で動ける環境なんです。上層部の方々はリアルタイムに現状把握することが難しいことも理解してくれた上でこのような環境を用意してくれているので、現場としては非常にプラスに働いています。
より多くのお客さまに「楽しさ」と「驚き」を届けていく
ーーチームとして今後取り組んでいきたいことを教えてください。
小沼:スマートフォンゲームの枠を越えて、原案・メインシナリオのKey 麻枝 准さんが描く世界観をより多くの人に届けていきたいです。その第1弾として8月10日にはWindows PCの4K画面でも楽しんで頂けるよう、Steam版をリリースしました。今後も引き続き、お客さまに生活の一部として『ヘブンバーンズレッド』を楽しんでもらえるよう開発を続けていきます。
笹川:エンドロールに名前が載っているスタッフや協力会社の皆さまが、家族や知人に誇れる作品にしていきたいです。その先に、日本のゲームを代表する作品になっていることが理想です。
養田:そうですね。バトルチームとしても、新しい挑戦をしていきながら、多くの人に長く支持される作品にしていきたいです。
岩見:個人的な想いとして、『ヘブンバーンズレッド』をお客さまの人生に爪痕を残すゲームにしたいと考えています。多くの方にも我々と同じ熱量を感じていただけるよう、演出面でも突き詰めていきたいです。
上野:演出を含めアートディレクターという立場でも、より胸に迫るゲームを作りたいと思っています。その結果、新しいストーリーの更新をお客さまが心待ちにしてもらえるようなゲームにしたいです。
佐藤:チームメンバーはもちろん、ゲーム業界でも驚かれるようなものを作っていきたいですし、その技術とアイデアをWright Flyer Studiosの将来や新しいタイトルにつなげていくことが目標です。
奥村:まさに『ヘブンバーンズレッド』はこれからです。特にプログラムを書いているエンジニアの方々には、我々の熱量の高さを感じてもらえるはずです。これからも引き続き、多くの方に楽しみと驚きを届けていきます!
ーここからは、CEO賞を受賞したチームの皆さんよりいただいた、一言コメントを掲載いたします。
西村:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループ / Engineering1チーム
個人的にもKeyさんの作品が好きだったのでこのプロジェクトに関わることができて最高でした。まだ実装したいことが多いのでお客さまのご期待に添えるように全力で取り組みます!
天野:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループ / Engineering1チーム
グリーグループおよびWright Flyer Studiosの長きに渡るゲーム開発の積み重ねと、多くの方々の尽力の末に生まれたこの作品に関われたことを幸せに思います。バトンを未来につなぐべく、今度は新しいチャレンジを支える側になれるよう、今後の運営にも貢献していきたいと思います。
伊藤:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering5グループ / Engineering2チーム
『ヘブンバーンズレッド』は、これまでの経験の積み重ねと新しいことへの挑戦があますことなくピタッとはまった作品だと思います。自分自身も新しい挑戦をすることができ、この機会をいただけたことに感謝しています。これからも妥協することなく「最上」を求めてチーム一丸となって開発を続けたいと思います。
北松:株式会社WFS / Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループ / Engineering1チーム マネージャー
『ヘブンバーンズレッド』の開発に携われたことをうれしく思います。また、これまでのWright Flyer Studiosの技術や経験を集約しチーム全員で尽力した結果だと思います。これからも皆さまに楽しんでいただけるようなサービス開発に努めていきたいと思います。
菊池:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Art 2グループ / Art 3 チーム
Wright Flyer Studiosの開発の知見や技術を結集させ、『ヘブンバーンズレッド』をリリースできました。開発に携われたこと、このような賞をいただけたことをとてもうれしく思います。これからも最高のゲーム体験を届けられるよう、取り組んでいきます。
南:株式会社WFS / Studio本部 / Studio 1部 / Art 2グループ / Art 3 チーム マネージャー
『ヘブンバーンズレッド』に携わることができ、さらにこのような賞もいただけてとてもうれしいです。自分一人ではなく、最高のクオリティーにすべくチームで取り組んだ結果であります。これからも『ヘブンバーンズレッド』を盛り上げるべく、チーム一丸となって取り組んでいければと思います。
長﨑:株式会社WFS / Studio本部 / Produce 室 / UI/UX チーム マネージャー
CEO賞を受賞できたことをとても喜ばしく思います。常に各々の最高到達点を目指し続けるチームメンバーの結束のようなものがあり、そういった熱量がひとつのゲーム以上の価値として伝わったのではないかと思います。今後も長く愛されるプロダクトとなるようゲームもメンバーも進化していきたいです。
岩本:株式会社WFS / Studio本部 / Produce 室 / Technical Art チーム マネージャー
『ヘブンバーンズレッド』に携わってきたこの数年間は、このゲームのプレイ体験そのもののように、楽しく、苦しく、切なく、あらゆる感情を混ぜ込んだような素晴らしい日々でした。制作者一同にとってかけがえのない作品です。プレイしてくださる皆さまに同じように感じていただけるなら、これ以上ない喜びです。
大島:株式会社WFS / Studio本部 / Produce 室 / Sound グループ / Sound チーム マネージャー
サウンドが制作の進行もクオリティーも大きく左右する『ヘブンバーンズレッド』。プレッシャーと負担は、ベテランといわれてしまう世代である私でも容易に立ち向かえるものではありませんでした。たくさんの人に楽しんでいただいている今もちょっと違うプレッシャーを感じながら、心に染みる音を大切にお届けしていきます。
五十嵐:株式会社WFS / Studio本部 / Marketing部 / Marketing グループ / Marketing 1 チーム
このような光栄な賞をいただきありがとうございます。『ヘブンバーンズレッド』チームはいつも妥協を許さず、最後まで「最上」を求め続ける素晴らしいチームだと思います。これからもチームの皆さんと一緒に「最上の、切なさを。」より多くの人へ届けていきたいです!
白鳥:株式会社WFS / Studio本部 / Analysis グループ シニアマネージャー
『ヘブンバーンズレッド』のリリースに立ち会うことができ、また素晴らしい立ち上げができて本当にうれしいです。今後はより一層、多くのお客さまにこの最高のプロダクトを楽しんでいただけるようチーム一丸となって取り組んでいきたいと思います。