千葉大学教育学部とグリー、「メディアリテラシー教育演習」授業を共同で実施

学習ゲーム制作を通じてゲーミフィケーションを活用できる教育人材を養成

国立大学法人 千葉大学
グリー株式会社

国立大学法人 千葉大学教育学部(所在地:千葉県千葉市、大学長:齋藤 康、以下「千葉大学」)は、グリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中良和、以下「グリー」)と共同で、千葉大学教育学部授業実践開発研究室(教授:藤川大祐)にて、教育者の立場でのメディアリテラシーへの理解促進を図る授業である「メディアリテラシー教育演習」を開講します。開催日程は、2013年10月1日から12月23日の後期セメスターです。

インターネットの普及に代表される社会の急激な変化の中で、学校教育はさまざまな課題を抱えていますが、変化への対応は容易でないことに加え課題は深刻化しつつあります。こうした中、次代の学校教育を担う教員の養成のあり方が注目されており、千葉大学教育学部授業実践開発研究室では、「社会とつながる教員養成」をコンセプトに掲げ、数々の企業・団体と連携のもと、キャリア教育、地域連携、エネルギー問題などのテーマにおいて成果を上げてきました。今回、同研究室は、教員を目指す同大学教育学部の学生が、ゲームやテレビといったメディアを読む、書く能力である「メディアリテラシー」および、日常生活のさまざまな要素をゲームのかたちにする「ゲーミフィケーション(※1)」について学ぶことで、より一層の理解促進とともに教育者としての力量が向上することを目的とし、グリーと共同で「メディアリテラシー教育演習」を開講することになりました。

一方グリーはこれまで、小中高生、保護者や教員の方々を対象とした講演など、全国各地で、安心、安全にインターネットを利用するための啓発活動、さらにゲームを使った新しい学びの形を考えるハッカソン(※2)など、ゲーミフィケーション教育を実施してきました。今回、初の取り組みとして、将来教員を目指す大学生を対象とした授業に企画から実施に至るまで全面協力することで、インターネット企業としての知見を活かしたメディアリテラシーやゲーミフィケーション教育に貢献していきます。

本授業における最大の特徴は、参加する学生が、教育に活用できるようなゲームやアプリケーションを企画し、最終的にハッカソンというかたちで制作まで実施する点です。なお、講義にはグリー社員が講師として参加し、ハッカソンはグリーのオフィスで実施する予定です。

千葉大学とグリーは、「メディアリテラシー教育演習」を受講する学生が、メディアリテラシーおよびゲーミフィケーションを駆使することが可能となる知識と経験を取得することで、今の時代に求められる教育コンテンツや手法を活用し、ひいてはより質の高い教育を実施することが可能になると考えます。両者は今後も、インターネット時代におけるより良い教育につき、さまざまな観点で取り組んでいきます。

講義内容

学科(専攻) 教育学
期別 後期セメスター(2013年10月1日 - 2013年12月23日)
授業科目 メディアリテラシー教育演習
担当教員 藤川 大祐
授業計画 第1回 オリエンテーション

第2回 ゲーム×教育(1)

第3回 ゲーム×教育(2)

第4回 教育ゲーム・アプリの動向調査(1)

第5回 教育ゲーム・アプリの動向調査(2)

第6回 実地調査

第7回 ゲーム・アプリ制作の基礎

第8回 アイディアソン(1)

第9回 アイディアソン(2)

第10回 企画書作成

第11回~第15回 ハッカソン(制作)

※第11回~第15回は、グリー本社にて実施

参考

千葉大学教育学部授業実践開発研究室(教授:藤川大祐)について

2001年4月、藤川の千葉大学赴任とともに発足。学校と学校外とを結び、社会情勢の変化に対応した新しい授業・教材を学校に提供する研究を行う。近年は、教育学部(小学校教員養成課程、中学校教員養成課程、生涯教育課程)の学生約20名、大学院教育学研究科修士課程及び人文社会科学研究科博士後期課程の学生約10名が在籍。研究室の研究の成果は、研究室紀要『授業実践開発研究』をはじめ、学会発表や論文・書籍等で発信されている。

2003年3月、研究室を母体として、NPO法人企業教育研究会発足(理事長:藤川大祐)。研究室のメンバーを中心に企業と連携した授業を開発し、普及する活動を進めている。教育同人社より、書籍「企業とつくる授業」「企業とつくるキャリア教育」「企業とつくる食育」を出版しているほか、学会発表、研究論文等多数。文部科学省、経済産業省より、キャリア教育、デジタル教材開発等で表彰を受けている。

また、外部の企業・団体と連携した授業を多数実施し、「社会とつながる教員養成」を推進。

最近の事例

  • 授業「ディベート教育論」において、原子力発電環境整備機構(NUMO)の協力を得て、高レベル放射性廃棄物の廃棄問題を取り上げ、研究施設見学等の活動も含め、学生たちが未解決のエネルギー問題について多面的に議論。
  • 「授業実践開発演習Ⅱ / Ⅳ(キャリア教育演習)」において、千葉市、千葉大学経済人倶楽部「絆」、西千葉ゆりの木商店街の協力のもと、千葉大学・千葉市連携事業「西千葉子ども起業塾」の企画運営を行い、地域における小学生対象起業家教育を推進。
  • 授業「地域子育て支援活動実習」において、NPO法人ちば子ども学研究会の活動に学生たちが見習いとして参加する活動を行い、地域の子育てに関する課題の解決に取り組んでいる。
  • 授業「キャリア教育」において、リクルートワークス研究所、ワーク・ライフ・バランス社、NPO法人フローレンス、読売新聞社等からゲスト講師を派遣していただき、働くことについて最新の話題の提供をうけている。

関連サイト

※1 人を楽しませて集中させるゲームの要素や考え方を、ゲーム以外の分野における他人とのコミュニケーションに応用していこうという取り組み。ゲーム独特の発想・仕組みにより、ユーザーの行動を活発化させたり、適切な使い方を気づかせたりするための手法でもある
※2「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、プログラマーたちが技術とアイデアを競い合う開発イベントの一種

GREEおよびGREEロゴは、日本および、またはその他の国におけるグリー株式会社の商標または登録商標です。その他のすべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。

以上

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